万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

警戒すべき強制と同調圧力―ワクチン接種問題

2021年01月24日 13時01分32秒 | 日本政治

マスメディアでは、支持率の低下が止まらない菅政権の起死回生のチャンスとして、国民へのワクチン接種を掻き立てています。あたかも、政府と国民の総力を挙げた‘国家プロジェクト’の如くに扱っているのですが、日本国政府と一般の国民との間には大きな温度差があるように思えます。

 

 その理由は、国民の中には新型コロナウイルス・ワクチンに対して懐疑的な見方が大半を占めているからです。仮に、国民全員が接種すべきとされるワクチンが、天然痘ワクチンやBCGなど、十分な治験と長期の使用によって安全性が既に証明されているワクチンであれば、多くの国民は政府の要請に然したる疑問もなく応じたことでしょう。しかしながら、今般の新型コロナウイルス・ワクチンは、パンデミックから1年足らずで開発され、しかも、新型コロナウィルスの特性さえ十分には解明されていない状況にあります。また、アメリカのファイザー製であれ、モデルナ製であれ、mRNAのワクチンは動物実験も経ずして緊急使用が許可されたものです。

 

ヒトの体内へのmRNAの移入⇒マクロファージ(樹状細胞?)による取り込み⇒mRNAの翻訳による抗原(スパイク部分のペプチド)の産生⇒ヘルパーT細胞の活性化⇒キラーT細胞の活性化(新型コロナウィルス撃退)・B細胞の活性化(抗体の産生)、とする一連のメカニズムには、一見、リスクはなさそうに見えます。しかしながら、mRNAワクチンの安全性については未知な部分があり、ウィキペディアによれば、2020年以前にあっては、他の疾患の治療や感染症予防のためにバイオテック企業等によって開発されたものの、同方式のワクチンは副反応が強すぎて実用化が難しく、半ば放棄された状態にあったそうです。

 

上記のメカニズムが説明通りに働けば、過去の試みが失敗した理由が説明できませんし、また、抗原を産生した後のmRNAがどのように細胞内で解体されるかも企業秘密として公表されていないそうです。mRNA が体内に残ってしまったり、mRNAが獲得免疫系に作用する前に自然免疫の段階で破壊されたり、マクロファージ以外の細胞に取り込まれるといった場合、どのような事態が起きるのでしょうか(素人の疑問なので、的外れかもしれません…)。同ワクチンは、今般出現した変異株にも効果があるとされていますが、今後出現する全ての変異に有効とも限りません。免疫が強化されますと、感染時に重症化する抗体依存性感染増強のリスクも高まりましょう。

 

中国製のワクチンに至っては弱毒化ワクチンとのことですので(恐ろしいことに、逆算すると、中国は、2019年8月から既に同ワクチンを開発していたことになるらしい…)、新型コロナウィルスが、後年に帯状疱疹を引き起こすような種類のウィルスである場合には、後年にあって新型コロナウィルスを発病したり、免疫系に異常をきたすリスクもありましょう(新型コロナウィルスは、Ⅰ型インターフェロンの生成を阻害するらしい…)。菅政権が親中政権である点を考慮しますと、中国からの輸入に踏み切るかもしれず、国民の不安は募るばかりです。

 

 加えて、同ワクチンは超低温で保管しなければmRNAは破壊されとされ、接種段階にあって効果が失われるリスクもありますし、何よりも、仮に5か月程度で抗体が消滅するとしますと、全国民は、5か月ごとにワクチンを接種しなければならなくなります。たとえ政府が副反応に備えた専門機関を設けたとしても、家畜のようにワクチン接種を待つ列に並ばされる国民にとりましては、これは、苦痛以外の何ものでもなくなりましょう。

 

 このような現状にあって、国民の多くが不安を抱くのは当然のことです。デマやフェイクニュースに惑わされた結果ではなく、自ら調べ、知識や情報量を得るほどに懐疑的にならざるを得ないのです。少なくとも、10年後や20年後、そしてその後の副反応については、同ワクチンの製薬会社さえも知り得ないのですから。かくして、国民の大半は、ワクチン接種を選択しない可能性が高いのですが、この空気を察してか、政府は、法改正によるワクチン接種の義務化に動く、あるいは、国民を接種に追い込もうとする気配が感じられます。先日、本ブログにあって‘デジタル・ディストピア’として指摘しましたように、ワクチン接種を移動や各種サービスの利用条件とすることは大いに予測されましょう。

 

おそらく、マスメディアや宗教団体や政治団体等の各種民間団体を動員して同調圧力をかけてくるのでしょうが(ワクチン警察?)、国民は、同調圧力には同調しないように心して構えるべきように思えます。そして政府がワクチン接種に血眼になればなるほど、期待どころか国民の猜疑心も深まる現状は、払拭し難い政治不信の現われでもあると思うのです。

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