万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

皇族の東大推薦入学の補助金問題

2024年09月04日 11時44分00秒 | 日本政治
 秋篠宮家をめぐる東大推薦入学の問題は、公平であるべき国立大学の入試制度を私心によって自己に有利になる方向に歪めた不当介入に留まりません。もう一つ、極めて重要な問題を挙げるとしますと、それは、入学を認めた大学に対して‘見返り’が用意されていたのではないか、とする疑惑です。しかも、国家予算による・・・。

 どのようなルートを使うことで、秋篠宮家、あるいは、宮内庁が東大の推薦入学制度を変更させることが出来たのか、これも謎です。秋篠宮家が個人的な人脈やコネクションを頼りにして同作戦を進めたのか、同宮家の意向を受けた宮内庁が大学側に働きかけを行なったのか、定かではありません。宮内庁等の公務員には、創価学会や元統一教会と言った新興宗教団体の信者が数多く‘配置’されているそうですので、こうした巨大宗教団体が‘横の繋がり’をもって動いた可能性もありましょう。何れにしましても、学問の自由の観点から大学の独立性が尊重されてきた経緯を考えますと、今般の介入には、何らかの強い力、あるいは、‘組織力’が働いたことは疑い得ないのです。

 そして、ここに、補助金疑惑が浮上してきます。ウェブ上には、‘悠仁氏が推薦入学を希望した場合、東大は断ることができない’とする主旨の記事もあります。その理由として挙げられたのが、入学の許可に伴って国から支給される東大への多額の補助金、あるいは、助成金です。否、同見返りは、事実上、既に支払われているとも言えるかもしれません。悠仁氏の入学時期に合わせるかのように、農学部の1号館が改修されるとともに、教養課程の駒場キャンパスでも、新校舎一棟の新設と1号館の改修が行なわれているというのですから。

 この情報が事実であれば、昨今、東大の授業料値上げ問題が議論を呼び、経済的に苦しい立場にある少なくない学生さん達の負担増が懸念されている中、皇族ただ一人の入学ために、国庫から多額の予算がつぎ込まれたこととなります。しかも、文部科学省の予算の一部からの支出ともなりますと、その真の負担者は納税者である国民となるのです。東大も、この‘お金に目がくらん’で公平性を曲げるのでしょうか。

 皇室費はおよそ年間で126億円とされており(内廷費、皇族費、宮廷費)、決して少ない額ではありません。表に見える皇室費の他にも、内外各地の訪問や警備費など、他の省庁や地方自治体が負担している皇室関連の支出もあることでしょう。そして、今般の皇族の進学に際しては、表向きは大学に対する補助金や助成金の形であったとしても、実質的には皇族の入学の‘見返り’が支出されています。これでは、岸田政権下、並びに、次期政権下における増税ラッシュに戦々恐々する国民の理解を得られるとは思えません。全ての国民に公平であるべき大学の入試制度を腐敗させるために要した費用は、国民自身が負担させられていることになるのですから。皇族の私欲による特権濫用によって損害を被るのは国民ですので、被害者が加害行為のコストを払うという本末転倒の構図となるのです。

 皇族の進学問題が深刻化する中、皇族は無条件に‘高貴’であって‘偉い’と思い込んでいる国民は、創価学会や元統一教会と言った新興宗教団体の信者や高齢者を中心に、多少はあるのでしょう。しかしながら、法的に皇族の身分にさえあれば、如何なる私的な要求も許される、と考えるならば、日本国の皇室も、北朝鮮の金王朝と何らの変わりはないこととなります。本ブログ記事のような批判的な意見は、不敬として眉をひそめる方もおられることでしょうが、むしろ、皇族による公的制度への不当介入は、日本国の名誉と品位を深く傷つけ、腐敗指数の上昇による国家のレベルの低下を意味しているのではないでしょうか。そして、この問題、皇族と一般国民との間の‘意識’や倫理観のずれを露呈すると共に、今後の日本国の在り方をも問うているように思えるのです。

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