新聞の映画紹介を読んで、日本のSF映画か・・・B級かな?
でも、このポスターだとギャグじゃないよな。
エグゼクティブプロデューサーがヴィム・ヴェンダースって
『ベルリン・天使の詩』しか観たことないなぁ、監督は日本人か・・・
と、ほとんど期待しないで観に行きました。
日本のSF映画と言えば、大金掛けまくりのハリウッド映画(内容無し)には
見栄えの点でも負けるし、SFXの技術は凄いんだけど、
俳優が懸命に演技すればするほど「プっ・・・」ってな感じで
観た後は何も残らんなぁという事が多い気がします。
今回はちょっと違いました。
これはSFを材料にしたスピリチュアル映画です。
(映画サイトには新感覚スピリチュアル・アートフィルムと出てます)
ブルース・ウィルス主演の『シックス・センス』が欧米感覚のスピリチュアル映画だと
すれば、『クローン~』はTHE日本です。
また『シックス・センス』はホラー仕立てになってますから、ドキドキものでしたが
こちらはあまり興味がなければ寝ちゃうかもです。
荒涼とした風景や母親のいる田舎の景色、雨の使い方、主人公のトラウマ設定、
すべてが日本人感覚ですね。(なぜか父親不在)
特筆すべきは石田えりの演技とポイント、ポイントで無音になる映像表現でしょうか。
効果音満載のアメリカ映画に毒されている眼と耳には、新鮮でした。
音が消えることで、その時々のシーンの感情表現倍増しです。
及川光博のクローンっぷりも良かったですよ。ミッチーファンには
たまらないんじゃないでしょうか。
今までにない日本映画を観た気がします。