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好きなことだらけさ…

『兵士の物語』

2009年09月12日 | 舞台(演劇・音楽)

2009年9月11日(金) 開演19:30 新国立劇場 中劇場

自分はアダム・クーパーのファンであります。
御多分に洩れず、スワンとストレンジャーにヤラレタ口です。
でも、稼ぎと英語力が無いため、ロンドンまで彼の公演を観に行くことはできません。
その分彼の出ている数少ない映像をせっせと集め、
ひたすら日本に来るのを待ってる情けないヤツです。

そして久々の日本での公演。楽しみにしてました。
しかしです。イヤな予感が現実になったような・・・



2004年に彼がウィル・タケット演出・振付でやると知った時CD買いました。
「兵士の物語(英語版)」で、台詞もしっかり入っている物です。
指揮はニコラス・ウォード、ノーザン室内管弦楽団、1995年11月録音となってます。
聴いてみると眠い・・・ストラヴィンスキーは「春の祭典」ですら眠い自分です。
何が面白いんだかさっぱりだったし、内容知らなきゃダメだな、でした。
『兵士の物語』は日本でもいろんな方が舞台化してます。
観に行ったことはありませんが、以前NHKで放送した田中泯のを一度見ました。
暗い場面が延々と続き(前衛チックなのはダメだぁ)
その時も半分寝てしまって内容はよくわからないままでした。

今回、これじゃ楽しめないぞと絵本を買いました。

「兵士の物語」 中原佑介:文 山本容子:絵 評論社

山本容子の作品は以前から好きで小さな画集を何冊か持ってます。
副都心線新宿三丁目駅にあるパブリックアートの人です。

好きな版画家の絵で読めるなんて、こりゃいいやです。

元はロシアの民話だったんですね。
1918年にラミュの台本とストラヴィンスキーの作曲で音楽劇になったと。
絵本の最後に「幸せは一つだけで十分なのよね。」とあり、
これがこの話の教訓なんだなと理解して当日臨みました。



アダム・クーパーがバレエ界から離れてだいぶ経ちます。
彼は自分のやりたかった事を一生懸命やってるようでした。
でも、『オズの魔法使い』の画像を見た時は「ややっ!!なんかドンくさいぞ。」と思い、
来日直前までやってた『シャル・ウィ・ダンス?』のチャコットの評を読んでも
パッとしません。何より舞台の動画を見た時、
自分には輝きが感じられず「動いてこれか!」といささかショックでした。
まさかこのまま『兵士の物語』を持ってくるのか!?
練習してから来るはずだから、そんなことないよね。

初日を観て、さすがみなさんバレエ界出身。身のこなしがきれいです。
現役のゼナイダは出産して1年あまりとは思えません。
その中で一番生彩に欠けていたのがクーパーじゃないですか!
『オン・ユア・トゥズ』の時からみると声の上達ぶりは目を見張るものがあります。
せっせとミュージカルの舞台をこなしてきただけはあります。
舞台人の声の出し方になってると思いました。
しかし、動きは・・・あのキレは?艶っぽさは?どこ?
ウィルの方がいい感じだったぞ!!



会場は満席というわけにはいかず、1階後方は空席が目立ちました。
前方もちらほら空いてました。
公演終了後のロビーで、本日公演舞台写真付きのチケットを売ってました。
まだまだ席は残ってるということか。
今日はマチネ公演の後にダンマガのスペシャルイベントがありますね。

自分はあと2回行きます。
その間に観たいクーパーが観れるといいな。


〈キャスト〉

兵士:アダム・クーパー
ストーリーテラー:ウィル・ケンプ
悪魔:マシュー・ハート
王女:ゼナイダ・ヤノウスキー

指揮:ティム・マーレー
演奏:ソルジャーズ・アンサンブル・オーケストラ

演出・振付:ウィル・タケット
美術・衣装:レズ・ブラザーストン
照明:ニール・オースティン