7月から初台の東京オペラシティアートギャラリーでやっている
『鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人』を観てきました。
ギャラリーの自動ドアを通り、会場の入口の前でまず足が椅子に座っています。
これは隣に座って記念撮影が出来るようになってました。
コンセプトは
「想像力という人間の根源的な力で地球の中心まで旅をする」
会場は4つの部屋に分かれていて、
移動するには幕をくぐって先に進む形になっていました。
そのためそれぞれの部屋は独立した空間を創っていて
先の空間がどうなっているのか、入ってみなければわからない
好奇心を駆り立てる造りになっていました。
入ってすぐに大きな襖絵が口を開けています。
そこから最初の部屋に入ると白い蚊帳のような幕の中に
昆虫標本ケースのような物にに入った、絵本「みみお」の原画(モノクロ鉛筆画)が
渦巻状に並べてあり、順番に観ていくとお話が読み取れます。
壁には強烈な色合いの襖絵。天井には大きなオブジェ。
羽の生えた内臓を思わせる形の中から足だけがのぞいています。
蚊帳の外では「みみお」の初アニメーション映像を観ることができます。
次の部屋は入った瞬間むせかえる百合の香。
中心に大輪の百合が飾ってありました。
四方の壁にアクリル画が壁いっぱいの大きさで4点。
動物の毛の質感には圧倒されます。
次は髑髏の襖絵が正面に、両脇の壁はそれぞれ蝶の体に人の足と
獣(オオカミ?)の体と前足に人の後ろ足という群れの襖絵。
これもまた、なんの違和感もなく人の足が描かれているので驚きます。
廊下のような通路を通り、上を見るとお出迎えの時の足が・・・
角には先程のとは違う「みみお」の映像が、
本の形の上に映し出されていました。
先に続く通路を作品を観ながら進んでいくと
天井から獣の毛皮が吊るしてあるのに遭遇します。
最後の部屋は全体が海(水?)を想定した中に
赤ん坊の顔が回転しながら光を放ち、じっと観ていると
部屋が回っているのか、自分が回っているのかと思わせるぐらいの
浮遊感に襲われます。
作品の展示が終わって出てくると
〈深度図書館〉と題して、鴻池朋子自信がインスパイアされた絵本が
置いてありました。
人間の心を地球という惑星としてとらえ、その深層に旅する。
中心では創造と破壊の産声をあげながら赤ん坊が回転する。とあります。
各部屋が閉じた空間になっているため、子宮内部と捉えられないこともないなと。
襖絵のリアルさ、アクリル画の色遣いの大胆さに比べ、
「みみお」鉛筆画の素朴なかわいらしさが目を引きます。
「インタートラベラー」という言葉は
異なる世界を相互に往還し、境界をまたぐ人を指す、作家による造語
だそうです。アート体感型の面白い個展でした。
27日(日)までやっていますが、動物アレルギーある人は危険らしいです。
10月9日からは鹿児島県霧島アートの森で
『鴻池朋子展 インタートラベラー 12匹の詩人』をやるそうです。