怖い絵シリーズの3巻目。これが完結編だそうです。
もっと続けてもいいのになぁ。
これを読むと世は怖い絵だらけのような気がしてきます。
「絵は――もちろんどんな芸術も同じですが――歴史と無関係ではありえません。」
とあるように、人の歴史は流血の上に成り立っているのだというのを
思い知らされます。
この本と『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』で
目下のマイブームは「ハプスブルク」
うれしい事に国立新美術館で「THEハプスブルク」が始まりました。
目を凝らして見ていた、本に印刷されてた絵の本物が観れるわけです。
時期を合わせたのでしょう。NHK‐BShiでは3回シリーズで
「ハプスブルク帝国」を放送してました。
本を読み、TV番組を見て
歴史は全く頭に入っていないまま、コスチュームモノ好きで
観ていた数々の映画がガガーッと繋がったというか、
あれはそんな時代の出来ごとだったのねぇと。
4度結婚しているフェリペ二世の2番目の嫁がイングランド王女メアリー一世。
彼女の父親がヘンリー八世。
そのヘンリー八世の2番目の妻アン・ブーリン――『ブーリン家の姉妹』
(アン・ブーリンの妹もメアリーですね)
アン・ブーリンの娘エリザベス一世――『エリザベス』
(メアリー一世とエリザベス一世は腹違いの姉妹)
メアリーの死後、そのエリザベス一世が戴冠すると正式に花婿候補に
名乗りをあげるフェリペ二世――『エリザベス:ゴールデン・エイジ』
フェリペ四世の娘マリア・テレサは太陽王ルイ14世へ嫁にゆき――『王は踊る』
オーストリア・ハプスブルク家マリア・テレジアの娘マリー・アントワネットは
御存じルイ16世へ嫁にゆき処刑――『マリー・アントワネット』
ハプスブルク帝国最後の皇帝フランツ・ヨーゼフは
ウィーン分離派結成前のクリムトを重用していて
銀婚式の祝賀行列の装飾壁画や緞帳デザインを依頼。
ブルク劇場の装飾では勲章、旧ブルク劇場の観客席を描いた絵には賞金を
与えています。――『クリムト』
フランツ・ヨーゼフの嫁はあのエリザベート――数々の舞台になってますね。
直接、ハプスブルク家との関わりで作られている映画ばかりではありませんが
時代背景がわかると面白さも倍増します。
もう一度観てみようかという気分になりました。
歴史上の人物は視点を変えると印象がまるで違うなぁと、
あらためて思った次第です。