倶楽部を閉めてずいぶん経つんだが、FBのページは閉じてない。何も用がなくてもとーきどきメッセージが来るので面倒と言えば面倒なんだが、日本語の生徒募集や単発イベントをするときに使いたいのでそのままにしてある。で、最近、ケーキ屋をしてるんだが会ってほしいと言われて、メリダまで会いに行ってきた。
中南米中?で、日本のふるふる揺れるスフレケーキの動画が拡散して、パンハポネス(日本のスポンジ)と呼ばれて人気になっている。日本倶楽部を選んで言ってくるんだから、どうせその作り方を教えてくれという話だろうと思っていたけどそうじゃなさそうで、かつ結構熱心に何度もメッセージを送ってきた。会う日が決まったら、味見してほしいから持っていく、バナナ味とチーズとどちらがいいか?とまで。
40代前半くらいの女性で、コロナで店舗は閉めて今はメキシコによくある販売形態「注文に応じて自宅で作って届ける」だという。パンハポネスを売りたいんじゃなくて、自分が作りたい柔らかいケーキが日本では主流だと思っていて、日本人のインプットがほしいと。彼女のFBページ。
それでもらってきたケーキは、ユカタンに来て以来7年以上ご無沙汰だった、日本の普通のスポンジであった。
感動した。久しぶりということもあったけど、とにかくここではお目にかからない柔らかさ。ここのケーキは、パンハポネスと称しているものでも、高さが10センチ以上あるだけ。皿を持って必死に揺らした動画をつけて宣伝してるが、大概スポンジ自体はここのケーキと変わらないずっしり系である。ちなみに、ケーキミックスか何かで作ったようなスカスカなのはある。
原因はここの小麦粉。日本のように強力粉・中力粉・薄力粉と分かれていない、英語でいうオールパーパスなので、パンもピザもパスタもケーキもこれで作る。凄いっちゃ凄い。友達の娘(やはり個人でケーキを作って売っている)に教わった作り方は、卵をこれでもかと入れて膨らませるやり方だった。かつスポンジにいろんな濃度のクリームで作ったトレスレチェ(3種のミルク)というケーキだったので、食べるときにはしっとりどころかクリームに浸っていた。膨らまし粉やイーストを使う人も多い。
いやー、感動した。美味しかった。いろいろ話して、勉強になると喜んでいた。改良計画につきあってくれとのことで、また何回か会うと思う。我々は実際ここに住んでるので、モンブランとかレアチーズケーキとか、日本では普通でもここにはないケーキの話題では「どうしたらできるか」みたいな話になる。高い輸入品頼りじゃダメですから。で、そういう会話から、ケーキへのアプローチ自体が微妙に違うんだな〜とわかった。
それで、こういうタイプでハート形の型を探している、中国製は品質が悪いので避けたい、なんとか日本から輸入できないかと言われた。まず、日本でハートの真ん中に穴が空いてるのってそんなに印象よくないからないんじゃなかろうかと思った。次に、彼女のスポンジはここでは驚きの柔らかさだが、日本だとショートケーキなんかの普通のスポンジなので高さがあるという発想がない。案の定、日本のアマで探したがなかった。
面白かった。面白いのでまた会う。
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続いて村のパン屋。
…というか、焼く機械を入れた小屋。もちろん注文お届け式。写真で見たら美味しそうだったが、念のために実物を見るのと、どんなところか興味があったので行ってきた。
表面の少し甘いところが、ユカタン以外のとこだとちょっと違う。
こちらも美味しかった。村のパン屋で一番美味しい。ここはやめたり始めたり商売替えしたりがしょっちゅうなので、基本的に一期一会、FBでその日に見た「今日これ作るよ〜」を見るタイミング次第で、食べられるかどうか決まる。まぁ、美味しいところは生き残るんだけど。
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