La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

パヌーチョスとサルブーテス

2023年12月28日 | ユカタン諸々

 パヌーチョ。

いつも食べているサルブーテス(この記事の最後)と違って、黒豆のペーストをサンドしたトルティーヤ生地を揚げたものにあれこれ載せたもの。ここではペーストとかスープとか、この豆を大量に食べるが、実はあまり好きじゃないのでいつも避けている。これは「たまには豆入りも食べるか…」と相棒が買ったもの。

ここで、ユカタン料理として知名度を上げつつあるパヌーチョスとサルブーテスについて解説する。

 元祖に近いパヌーチョス。

昔、ドン・ウーチョという食べ物屋に、何も材料がないときに客が来た。主人は苦肉の策で豆ペーストを入れて作ったトルティーヤ生地を揚げて(できたトルティーヤを揚げたのはトスターダという)、ゆで卵をのせて出した。これが始まり。ウーチョのパンですね。ちなみに、マヤ電車のメリダ駅からちょっとメリダ方面に行ったカナシンという地域がパヌーチョの本場みたいに言われてますが(ユカタン人にパヌーチョ食べたいと言うと行けと勧められる)、別に元祖じゃないし、美味しいというのも都市伝説なんで、好きなところで食べてください。

 今、観光地のレストランで出てくるのはこれ。

レストランというか、ユカタン料理として紹介されるタイプ。レタスとトマトとアボカドが載って、ずいぶん豪華でオシャレになりましたw。黒豆のペーストは、生地に練りこんであるタイプや、生地に挟まれてるタイプや、ほぼ「載せた」状態の生地をそのまま揚げたのなど、店によって色々ある。

 サルブーテス。

一方、サルブトは、廃村が危ぶまれたサイェ村が、パヌーチョからヒントを得て作り出したもの。豆を入れずに揚げて、美味しそうに見えるようあれこれ乗せた(ほとんどオシャレ版パヌーチョの真似)。町おこし料理ですね。

レストランではどちらでも好きな方を選べる。わたしも以前は「パヌーチョが黒豆入り、サルブートが黒豆無し」と覚えていた。

実はトッピングは店によっていろいろで、よく写真に撮られるオシャレ版のほうが少ないくらいなんだが、パヌーチョでもサルブーテスでも、鳥か豚か選べるところが多いと思う。ちなみに豪華な店ではどちらも豪華、質素な(ショボいのとは違う、かえって美味しかったりする)店ではどちらも質素なので、豆の有無で判断して、注文し間違えることはないです。

  こんな感じでトッピングはいろいろ。

パヌーチョもサルブートも肉は何でもよくて、多いのは豚か鶏のアサド、あるいはコチニータ。うちの隣のパヌーチョ屋は質素タイプで、一番上の写真のように「鶏肉と赤玉ねぎ」と「豚肉と玉ねぎを炒めたもの」の2種類がある。(解説用の5枚は拾い画像)

切ったアボカドなんか入ってたって美味しいと思ったことはないので、ぜひ観光客が行かないような店で質素バージョンも食べてみてほしい。

 隣のパヌーチョ屋のサルブテ

背徳の香りがするが、この油がミソ。生地の外はパリッとしていて、中はいい油を吸った具合が最高で、めちゃくちゃ美味しい。

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家中の窓の高さは、親方に図面を渡して伝えてある。現場でブロック積みが始まって、「あれ?そこは窓だから(ブロックを積むための)モルタルいらないよ」と気づいた。親方とあれこれ話してわかったのは、ユカタン人には「すべてのドアと窓の上桟の高さは、絶対に揃っている」という強い共通認識があるということ。逆に我々には、窓なんか好きな位置に好きな大きさで作るという感覚があり、そんなこと考えてもみなかった。

 うちの近所の家。

撮った写真がなくてグーグル先生のですが、言われて気にしながら見ると、確かにほとんどの家でドアと窓の高さが同じ。揃ってないとどうなるのかと聞いたら、すごく妙だと言う。梁を作る関係なら、まぁこっちも大したこだわりはないし…と思ってたんだが、純粋に見栄えの問題だという。それならどうでもいいので、当初のプラン通り、彼らには謎な位置に作ってもらってる。

で、そのついでに「上部は丸くするだろ?」と聞かれた。ま、丸?

 アールドアというのか?

確かに思い返してみれば、こういうのは多い。今借りて住んでる家も、そう。はっきり言ってそんな飾りより台所と外に出なくて済むトイレシャワーがほしいんだが、すべてのドアと窓の上部が半円形になっている。

なんで多いのかと思って調べたら、ユカタンのコロニアル様式だという。半円だけでなく、その上桟を揃えるというのも特徴のひとつらしい。知らなかった。言われてみれば、植民地時代にスペイン人やその子孫が住んでいたメリダセントロなんかは、本当にこういうのが多い。

でも現場は、我が家に風呂場や玄関があるのを知っている。ここの家とは全く間取りが違う。なのに、ちょっと近所の家より大きい(高そうな)家というだけでコロニアル様式の窓にまで話が飛ぶか? やっぱり長年のアシエンダ(荘園)文化、つまりマヤ人にとっては奴隷扱いをされて強制労働に苦しめられた時代の影響って強いんではなかろうか? 大きいというより「金かけた」家ならアールドア!的なイメージが強いとか。

 

 かわいいピザの箱。

ちなみにこの辺り(うちと近くの村など)では、塩辛い店もあるとはいえ、基本的にピザも美味しいです。手作りっぽい。

 

  隣の猫。

ゴミを投げ捨てていた隣家の猫なんだが、うちで餌探しをさせていた鶏同様、ちゃんと世話をしているわけではなく、おそらく残飯しか与えてない。この写真の猫の兄弟は白と黒とキジトラだが、こいつは基本的に三毛、右前脚と左後脚が茶トラ、大き目の黒縁があちこち…というオシャレさんである。

写真はないが、お向かいさんちのキジトラ母猫が最近3匹子猫を産んで、これがまたみんなキジトラ。遺伝子って不思議なぁだと思う。



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