この前、奈良公園をやみくもに歩きました。
人々の姿を追いかけていました。日ざしも暖かだったので、歩いていて気持ちはよかった。
お寺にお参りもせず、神社にも足を踏み入れず、奈良公園でのんびりしている人たちの姿を見ていました。
中国の人たちは、当然のことながら、鹿せんべいをあげるのを楽しみにしているみたいでした。みんなそれがしてみたくて仕方がない感じで、次から次とせんべいを差し出しています。
昔みたいにあげないよ、というイジワルはしなくなりました。少しシカたちのことを理解してくれたみたい。ペットではなくて、野生のシカが、たまたま人間たちの世界に降りてきてくれているというのが分かったんですね!
小鹿たちが日向ぽっこをしていても、そこに割って入ることはしないで、そのままにしてあげる、それが大事なんですよね。たまたまの関係なんですから。
大仏殿前のこの人たち、何だか意味ありげでした。どうしてわざわざ日本の大仏を見に、やって来てくれたはずなのに、入ろうとしなかった。しばらく様子を見て、人々の姿を観察してから、おもむろに中に入ろうという算段だったのか。
不思議な後ろ姿なので、ずっと動かなかったので、勝手に撮ってしまった。申し訳ない感じです。
興福寺の新築された中金堂の前、猿沢の池の上、そこにきれいなモミジがありました。そうなると、みんながこちらで思い思いの写真を撮っていました。
私は、モミジはいいから、人々のワンシーンが撮りたかった。でも、記念撮影している人たちの邪魔をしてはいけないし、みんながいなくなってからの人の気配の写真が撮りたかった。
あれ、と思ったのは、人力車の二人でした。
こんなふうに奈良を楽しんでおられるお年寄りのご夫婦。いいなあと望遠で撮らせてもらった。何だか迷惑なことをしている私です。
本当は、ちゃんと撮らせてくださいねと断ってから撮らなきゃいけないのに、遠くからだし、まあいいかとサッと切り取らせてもらいました。
写真じゃなくて、絵で描けたらいいなあ。その参考に撮らせてもらったということで、どうぞお許しくださいね。
奈良は、初冬だというのに、光はあふれていました。一人で目的もなくブラブラ歩いている私は、すぐ電車に乗らなくてはならなくて、13時過ぎには奈良を後にしました。ああ、ホントに何をやっているんだか……。