甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

三条通を東へ 奈良とは?

2019年05月16日 21時23分35秒 | 大和路を歩く
★ だいぶ昔に書いていた記事です。

 JRで奈良に入ることにしました。何度も乗っている関西線、とはいうものの、正規でお金を払って乗るのはそんなにありません。18キップを買ってちゃんとお金を払って乗ることがありますが、特別な料金体系だし、正規のお金という感じではありません。だから、大阪にいる時は、JRよりも近鉄で奈良に行くことの方が多いです。

 どうしてJRにしたんだろう。テレビでうちの実家の駅がにわかブームになっているというのを見たからかもしれません。

 うちの実家は、環状線の「大正」という駅から少しのところにあります。他のところにも同じような名前がありますが、こちらは京セラドームとオキナワタウンということが有名な街になっています。

 ところが、なんと改元があって、平成グッズと大正駅でインスタ映えとか、そういうのがちょっとしたブームになっているというのをニュースで見ました。それで、お調子者の私も、JR大正駅から奈良の都に出かけようという気持ちになったようです。

 いつ、そんな気持ちになったのか? 今朝、ナンバ行き(近鉄に乗れます)のバスに乗り遅れて、「ええい、近鉄はやめて、JRにしよう」そう切り替えたわけでした。

 なんと短気、なんと無計画、なんと行き当たりばったりなんでしょう。

 関西線(大和路線)の電車に乗り込むと、まわりのお客さんは、みんなが奈良をめざしている雰囲気でした。いつもなら、どこか他の駅で降りそうな気配のある人がいそうなものなんだけど、車内のお客はみんな行楽客のようでした(確か五月一日のことでした。改元の日だったんですね。知らなかった。)

 途中、少しの増減はありましたが、みんなが奈良駅をめざし、駅ではドッと降りていきました。電車の中では気づかなかったけれど、奈良駅ではたくさんの外国の人たちがいました。みんなJRのフリーパスを持っていて、その人たち専用の出入り口まで用意され、女性の駅員さんが英語でこちらにどうぞと呼びかけていました。

 奈良は、ここ最近、ものすごく国際都市になっています。

 中国系の人がたくさんいて、シルクロードの東の端であるという事実がクリアーにはなっていたのですが、こんなに欧米系の人たちまでたくさん来ているなんて! 

 三条通を東に歩いていて、「あっ、イタリア語だ」とビックリしたり、それ以外の言語も聞こえます。アジアのイスラム系の人たちもお寺や神社の観光をしているようでした。みんなが奈良を一つの目的地にしています。

 大仏はわかります。春日大社も何となく見てみよう、パワースポットらしいし、世界遺産なんだろう、ということでしょう。興福寺も国宝館には行きたいでしょう。国立博物館だって、奈良ではたくさんの仏像さまに出会えますし、おもしろいです。町中に野生の慣れたシカがいるのも、これまた変わったところであり、おもしろい。たくさんの中国人観光客も、奈良をにぎやかでゴチャゴチャさせているのに役立っている。

 とはいうものの、奈良は本来そんな猥雑さはあまりないところでした。どちらかというと、アッサリしすぎていて、どこで時間潰せばいいんだよという、手持ちぶさたの町でした。三重県の小学生たちが修学旅行に奈良に行くと聞くと、何だかかわいそうな気分になったものでした。子ども向けの場所はないんですから。



 何にもなくて、食べ物屋さんも、お土産も、ホテルも、ろくなのがなくて、すぐに見飽きてしまうのが奈良でした。うちの母なんて、「奈良なんかどっこも見るところがない!」と断言します。

 確かに、そういうところはあるかもしれない。でも、だからこそ、京都にはない、お仕着せがましくない、サッパリした都の感じがあります。本当にここが都だったの? 学校では習うけれど、それはフィクションじゃないの? 実際に行ってみたら、ゴチャゴチャした感じと、しょぼくれた感じしかしないんだけどと、多くの若者は思うでしょう。

 でも、もう世界中の人々が集まってきて、ここに確かに都があったらしいし、よくはわからないけど、何とも言えない古い仏さまたちがいて、古い町並みもそれなりに残っていて、何しろスーパースターの大仏様だっておられる、ということで有名になりつつあります。

 京都はあまりに細分化されていて、魅力を知ろうとすると、何年もそこに住み続けないと魅力がわからないという諦めが起きてしまいます。でも、奈良は、そんなに細分化されてなくて、適当に町を歩いていたら、それなりの気分を味わえるところです。何かに出会える可能性が最近メキメキ出て来つつあります。

 だから、奈良は今、世界中の観光客から注目されています。

 そして、実際にたくさんの人が訪れている。



 桜は終わりました。雨も降っています。相変わらず中国からの家族がたくさん来ている。この人たちはお休みなんだろうか。日本では変てこな十連休なるものが設定されていますが、この中国の家族連れは何なんだろう。どうして今ごろ日本にいるんだろう。学校とか、お休みなんだろうか。

 私は、三条通りをまっすぐ東に向かいながら、観光客の中にまぎれて、とりあえず今日は雨も降っているし、大仏さんと国立博物館くらいに行けたら、もう帰ろうと思っていたんでした。

 久しぶりに国立博物館の仏さまたちお顔を拝ませてもらおうとしていたんです!


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