[6月10日07時00分 天候:晴 静岡県富士宮市ひばりが丘 スーパーホテル富士宮1階・朝食会場]
リサ「ええっ!?先生を襲撃に!?」
愛原「そうみたいだ……」
リサと合流して、朝食会場に戻る。
朝食会場へは浴衣姿では行けないことになっているので、部屋で私服に着替えてきた。
リサも浴衣から制服へと着替えている。
リサ「言ってくれれば、わたしが返り討ちにしたのに!」
愛原「『流血の惨を見る事、必至であります』からダメだ、それは」
リサ「そうは言ってもねぇ……」
愛原「奴らは逃げ出したし、デイライトには通報済みだ。あとは国家機関に任せよう」
リサ「まあ、先生がそう言うなら……」
朝食は『ベタなホテルの法則』通り、バイキング形式である。
おかずの中には、富士宮名物の『富士宮焼きそば』もあり、私は皿にそれを持った。
リサ「これって、どの料理を取ってもいいの?」
愛原「ああ、そうだよ」
リサ「じゃ、わたし、この牛すじ煮込み……」
愛原「鍋ごと取るんじゃない」
リサ「え?1人1鍋じゃないの?」
愛原「違う違うw」
パンもいくつか種類があったが、私は御飯にした。
どうせ明日の朝食は、パンになりそうだと思ったからだ。
御飯に決めたら、納豆とかも取りたい。
リサはパンにしたようだが。
テーブル席は空いていなかったので、カウンター席に横に並ぶ。
その時、私のスマホにメール着信があった。
確認してみると、善場係長からだった。
善場「お疲れ様です。善場です。愛原所長方の安全の為、静岡事務所の坪井主任が、バスの営業所まで車で送ることになりました。8時に迎えに参りますので、それまでにチェックアウトをお願いします」
とのことだった。
続けて……。
善場「BSAAが警戒の為、ヘリを1機飛ばしますので、安心してください」
とのこと。
え、まさか、バスの走行中はBSAAのヘリが上空から監視するのか?
凄いVIP待遇だ。
これは新幹線の方が良かったかな……。
私が、『今から新幹線に変更しましょうか?』と提案したが……。
善場「いえ、逆に今から予約が取れない高速バスの方が安全です。新幹線だと、飛び込み利用できる自由席があるので」
と、却下された。
今から予約が取れないとは、どういうことだろうか?
とにかく、ここはおとなしくデイライトに従っておいた方が良い。
私はそう思った。
愛原「8時に迎えが来るから、それまでに出発の準備な?」
リサ「迎え?バスがここまで来るの?」
愛原「いや……。バスの営業所まで徒歩5分なんだけど、それすら危ないからって、デイライトの人が車で送ってくれるんだって。そしてすぐなんだよな」
リサ「そうなんだぁ。じゃあ、それまでに食べ終わらないとね」
愛原「まだ1時間弱あるし、他の宿泊客の分もあるんだから、食べ過ぎるなよ」
リサ「分かってるよ」
朝食は美味く、リサほどではないが、私も結構たらふく食べてしまった。
[同日08時00分 天候:晴 同ホテル駐車場→ 同士同地区 富士急静岡バス富士宮営業所]
坪井「おはようございます」
時間になってホテルの外に出ると、坪井氏が待ち構えていた。
愛原「おはようございます。お手数お掛けして、申し訳ありません」
坪井「いいえ。これもデイライトの業務の一環ですから。バスの乗り場に向かう前に確認したいのですが、男は若いのが2人で、そこで足止めされていたわけですね?」
愛原「そうです。コールセンターに繋いで開けてもらおうと思っていたようですが、コールセンター側も宿泊客ではない者を入れるわけにはいかなかったようです」
坪井「賢明な判断でしたね。まさか、愛原さんはそれを狙ってこのホテルに?」
愛原「いえ、ただの偶然です」
坪井「偶然なのに、ここがバレてしまったということですか……」
愛原「生憎と……」
坪井「市内の、何の変哲も無いタクシーでこのホテルに向かって頂いたのは、それが目的でもあったんですよ。タクシーでホテルに向かうなんてよくある話ですからね」
愛原「そうだったんですか」
確かにデイライトの倉庫にあったゴツい車なんて使ったら、目立ってしょうがなかっただろう。
そこで目立たないタクシーに、私達を乗せたのだ。
坪井「男達はその後、愛原さんが警察に通報したと勘違いし、慌てて逃げたというわけですね?」
愛原「そうです。どうも車で来ていたと見えて、車で逃げて行きました」
坪井「あそこには中央分離帯があるので、車で逃げようとするなら、どうしても左折しなければなりません。つまり、バイパスの下り線、北山方向に逃げて行ったというわけですね。なるほど、なるほど……」
坪井氏が物凄く関心を寄せるのは、彼もまたデイライトの人間だからだろう。
坪井「今、車を割り出している所です。車は大衆車なので、特定に時間が掛かりそうですが、4桁のナンバーが分かっただけでも助かりますよ」
愛原「ありがとうございます」
坪井「ただ、偽造ナンバーを使われていたら分かりませんがね」
愛原「ああ、やっぱり……」
坪井「幸いこのホテルにも監視カメラはありますから、後で捜査協力依頼書でも作成して、ホテル側にカメラを見せて頂くようお願いしてみますよ」
愛原「よろしくお願いします」
警察を介入させないのは、あれか。
恐らくこの坪井氏も、公安調査庁からの出向職員なのだろう。
どうしても公安警察と捜査内容がバッティングする恐れがあり、しかも警察側が捜査を妨害してくる恐れがあるからか。
その時は隠れ蓑のデイライトではなく、公安調査庁の名前を使って依頼書を作成するのだろう。
坪井「というわけで、乗ってください」
愛原「え?」
坪井氏が指さしたのは、昨日乗車した坪井氏の軽自動車ではなく、タクシーだった。
あれは別の宿泊客が予約したものだと思っていたのだが、違ったようだ。
坪井「何か、事務所が、急に『今日だけタクシーで通勤しろ』というものだから、何だろうとは思っていたんですけどね。こういうことだったんですね」
なるほど。
方向的には、デイライト静岡事務所がある方だ。
その途中、バスの営業所に立ち寄って、私達を降ろしてくれるということだったのか。
愛原「了解です」
私はタクシーのトランクに荷物を載せ、リサと一緒にリアシートに乗り込んだ。
坪井氏は助手席に向かう。
坪井「次は富士急静岡バスの富士宮営業所に向かってください」
運転手「は、はい」
タクシーの運転手も、色々な所に立ち寄らされているのか、やや困惑気味だった。
リサ「ええっ!?先生を襲撃に!?」
愛原「そうみたいだ……」
リサと合流して、朝食会場に戻る。
朝食会場へは浴衣姿では行けないことになっているので、部屋で私服に着替えてきた。
リサも浴衣から制服へと着替えている。
リサ「言ってくれれば、わたしが返り討ちにしたのに!」
愛原「『流血の惨を見る事、必至であります』からダメだ、それは」
リサ「そうは言ってもねぇ……」
愛原「奴らは逃げ出したし、デイライトには通報済みだ。あとは国家機関に任せよう」
リサ「まあ、先生がそう言うなら……」
朝食は『ベタなホテルの法則』通り、バイキング形式である。
おかずの中には、富士宮名物の『富士宮焼きそば』もあり、私は皿にそれを持った。
リサ「これって、どの料理を取ってもいいの?」
愛原「ああ、そうだよ」
リサ「じゃ、わたし、この牛すじ煮込み……」
愛原「鍋ごと取るんじゃない」
リサ「え?1人1鍋じゃないの?」
愛原「違う違うw」
パンもいくつか種類があったが、私は御飯にした。
どうせ明日の朝食は、パンになりそうだと思ったからだ。
御飯に決めたら、納豆とかも取りたい。
リサはパンにしたようだが。
テーブル席は空いていなかったので、カウンター席に横に並ぶ。
その時、私のスマホにメール着信があった。
確認してみると、善場係長からだった。
善場「お疲れ様です。善場です。愛原所長方の安全の為、静岡事務所の坪井主任が、バスの営業所まで車で送ることになりました。8時に迎えに参りますので、それまでにチェックアウトをお願いします」
とのことだった。
続けて……。
善場「BSAAが警戒の為、ヘリを1機飛ばしますので、安心してください」
とのこと。
え、まさか、バスの走行中はBSAAのヘリが上空から監視するのか?
凄いVIP待遇だ。
これは新幹線の方が良かったかな……。
私が、『今から新幹線に変更しましょうか?』と提案したが……。
善場「いえ、逆に今から予約が取れない高速バスの方が安全です。新幹線だと、飛び込み利用できる自由席があるので」
と、却下された。
今から予約が取れないとは、どういうことだろうか?
とにかく、ここはおとなしくデイライトに従っておいた方が良い。
私はそう思った。
愛原「8時に迎えが来るから、それまでに出発の準備な?」
リサ「迎え?バスがここまで来るの?」
愛原「いや……。バスの営業所まで徒歩5分なんだけど、それすら危ないからって、デイライトの人が車で送ってくれるんだって。そしてすぐなんだよな」
リサ「そうなんだぁ。じゃあ、それまでに食べ終わらないとね」
愛原「まだ1時間弱あるし、他の宿泊客の分もあるんだから、食べ過ぎるなよ」
リサ「分かってるよ」
朝食は美味く、リサほどではないが、私も結構たらふく食べてしまった。
[同日08時00分 天候:晴 同ホテル駐車場→ 同士同地区 富士急静岡バス富士宮営業所]
坪井「おはようございます」
時間になってホテルの外に出ると、坪井氏が待ち構えていた。
愛原「おはようございます。お手数お掛けして、申し訳ありません」
坪井「いいえ。これもデイライトの業務の一環ですから。バスの乗り場に向かう前に確認したいのですが、男は若いのが2人で、そこで足止めされていたわけですね?」
愛原「そうです。コールセンターに繋いで開けてもらおうと思っていたようですが、コールセンター側も宿泊客ではない者を入れるわけにはいかなかったようです」
坪井「賢明な判断でしたね。まさか、愛原さんはそれを狙ってこのホテルに?」
愛原「いえ、ただの偶然です」
坪井「偶然なのに、ここがバレてしまったということですか……」
愛原「生憎と……」
坪井「市内の、何の変哲も無いタクシーでこのホテルに向かって頂いたのは、それが目的でもあったんですよ。タクシーでホテルに向かうなんてよくある話ですからね」
愛原「そうだったんですか」
確かにデイライトの倉庫にあったゴツい車なんて使ったら、目立ってしょうがなかっただろう。
そこで目立たないタクシーに、私達を乗せたのだ。
坪井「男達はその後、愛原さんが警察に通報したと勘違いし、慌てて逃げたというわけですね?」
愛原「そうです。どうも車で来ていたと見えて、車で逃げて行きました」
坪井「あそこには中央分離帯があるので、車で逃げようとするなら、どうしても左折しなければなりません。つまり、バイパスの下り線、北山方向に逃げて行ったというわけですね。なるほど、なるほど……」
坪井氏が物凄く関心を寄せるのは、彼もまたデイライトの人間だからだろう。
坪井「今、車を割り出している所です。車は大衆車なので、特定に時間が掛かりそうですが、4桁のナンバーが分かっただけでも助かりますよ」
愛原「ありがとうございます」
坪井「ただ、偽造ナンバーを使われていたら分かりませんがね」
愛原「ああ、やっぱり……」
坪井「幸いこのホテルにも監視カメラはありますから、後で捜査協力依頼書でも作成して、ホテル側にカメラを見せて頂くようお願いしてみますよ」
愛原「よろしくお願いします」
警察を介入させないのは、あれか。
恐らくこの坪井氏も、公安調査庁からの出向職員なのだろう。
どうしても公安警察と捜査内容がバッティングする恐れがあり、しかも警察側が捜査を妨害してくる恐れがあるからか。
その時は隠れ蓑のデイライトではなく、公安調査庁の名前を使って依頼書を作成するのだろう。
坪井「というわけで、乗ってください」
愛原「え?」
坪井氏が指さしたのは、昨日乗車した坪井氏の軽自動車ではなく、タクシーだった。
あれは別の宿泊客が予約したものだと思っていたのだが、違ったようだ。
坪井「何か、事務所が、急に『今日だけタクシーで通勤しろ』というものだから、何だろうとは思っていたんですけどね。こういうことだったんですね」
なるほど。
方向的には、デイライト静岡事務所がある方だ。
その途中、バスの営業所に立ち寄って、私達を降ろしてくれるということだったのか。
愛原「了解です」
私はタクシーのトランクに荷物を載せ、リサと一緒にリアシートに乗り込んだ。
坪井氏は助手席に向かう。
坪井「次は富士急静岡バスの富士宮営業所に向かってください」
運転手「は、はい」
タクシーの運転手も、色々な所に立ち寄らされているのか、やや困惑気味だった。