桜木紫乃(著)
世代を遡り、過去と現在を繋ぐ謎を解く。
ミステリーだったのだ、何も知らずに手にした。
読み進むと、まるで松本清張氏や森村誠一氏の推理小説を彷彿させる。
じっくりと心に訴えかけてくる。
じわじわと心に沁みる。
樺太からの引き揚げ。
そのときも、そこからも壮絶な人生。
女であること。
女である所以に。
殺人の動機はよくわからない。
なぜ、殺人が行われなければなかったのか。
ミステリーの結末としては消化不良。
一人一人の生きざまがスクリーンに映されるように目に写る。
「人生は染め直すことができるのよ」
だとしたら、
私のこれからは何色に染めようか…