東野圭吾(著)
不倫は不倫のままで終わるべきなのだ。
だからこれからも俺は渡部にアドバイスし続ける。
はやまるなよ、と。
私の求める優れた作家像の要素の一つに、
いろんなジャンルを書きこなすことができる、
というのがあります。
時代モノを書く作家さんが現代モノを書いたり、
愚直なまでの家族の暮らしを描く作家さんが、
どうしたことか、濃厚な官能小説を発表したり。
おお!
おぬしもなかなかのモノよのぉ~
と感嘆のため息
推理作家だから、こうあるべきだ、こうあって欲しい。
次は更なる期待を!
だなんて、読者の勝手極まりない要求、要望(笑)
ミステリーとは少し違ったところにあると思って。
良かったですよ、この小説。
不倫の時の男女の対応の仕方がやけに細かく書かれているので、
何かの不慮の事態発生の時にはきっと参考になるかと思います(笑)
でもでも、
男って・・・
馬鹿だな~と思ってみたり、
それでもどこか、可愛いんだな~と笑ってみたり。
こう思わせるのが東野氏の上手さだとつくづく感じました。
しかしながら男の立場からみた恋愛って、女性の立場からすると腹の立つことばかり(笑)
同じコンセプトで、
例えば瀬戸内寂聴さんが書くとなると、どんな小説になるのだろうか、って考えるのも楽しい