Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(29)

2013-02-13 00:15:00 | コラム
まん「じ」→「じ」ーざす・くらいすと・すーぱーすたー(ジーザス・クライスト・スーパスター)

復活を賭ける歌手の華原朋美が、『レ・ミゼラブル』を有名にした名曲『夢やぶれて』をカバーするというニュースを読んだ。

高音が異常に伸びるひとだから、悪くないチョイスかと。

そんな『レ・ミゼラブル』の映画版は現在公開中、「そこそこ」のヒットは予想出来たが、それ以上に動員数を伸ばしていて、凄いな頑張っているなと。

この映画の成功は、「歌」で押し切ったトム・フーパーの演出スタイルに尽きると思う。
それに応えた演者も、彼ら彼女らの声をきっちり拾った技術陣も、もちろん素晴らしいのだけれど。


そんなわけで。
個人的なミュージカル映画のベストを選出してみよう。

※3位までヒトコトコメントつき

(1)『ファントム・オブ・パラダイス』(74)

デ・パルマの才気が爆発した、目に耳に楽しいロック・ミュージカル。原型となったはずの『オペラ座の怪人』の要素が「ほとんど残っていない」のが面白い。

(2)『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)

トリアーの演出と、ビョークの憑依的演技のぶつかり合い。震える。

(3)『鴛鴦歌合戦』(39)

馬鹿馬鹿しいほどに感動的。現代の日本も、このくらいのことをやってほしい。

(4)『ウエストサイド物語』(61)

(5)『ジーザス・クライスト・スーパースター』(73)

(6)『巴里のアメリカ人』(51)

(7)『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(96)

(8)『サウンド・オブ・ミュージック』(65)

(9)『シェルブールの雨傘』(64)

(10)『愛と誠』(2012)


フツーの劇映画も「ひとひねり」のあるものが好きなので、まぁこんな感じに苦笑

きょうの主役は5位に入れている『ジーザス・クライスト・スーパースター』だが、この映画の主役は米産映画で最も多く描かれているかもしれないイエス・キリストである。

仏教についてさえよく分からないのだから、キリスト教についてなんか「もっと」よく分からない。
分からないが、いや分からないからこそ、こういうクセモノ映画を入り口にしたほうが抵抗感なく向き合えるのではないかと。

中核にあるのはキリスト賛美―それでもキリスト教団体からは非難が相次いだ―だが、それをロックンロールで展開させたところに新味がある。
だからロックに慣れ親しんでいる若い世代がこれを観ていないのは、ちょっともったいないと思うのだった。

数々のナンバーを作曲したのは、『エビータ』(96)や『オペラ座の怪人』(2004)で有名なアンドリュー・ロイド・ウェバー。
曲のほうが有名になり過ぎて、演出を担当したノーマン・ジェイソンが少し気の毒になるほど・・・とは思うのだが、「舞台ありき」の映画が持つ宿命なのかもしれない。


この映画でキリストの「おおよそ」の生涯を知ったあとは、ぜひスコセッシの『最後の誘惑』(88)にチャレンジしてほしい。

同じ人物を扱った映画とは「とても」思えないけれど、いろんな解釈があるからこそ論争が起こるということが理解出来るし、そういうことをやるには映画や舞台が最も適しているということが、よーく分かるのではないかと。






あすのしりとりは・・・
じーざす・くらいすと・すーぱーす「たー」→「たー」るまん。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(30)』

コメント (2)
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