映画で演技を披露している「非」俳優―といっても、ヒッチコックくらい短いシーンでの出演となると、演技力どうこうは評価出来ない。
出来ないし、それは本人もファンも望んでいないものだ。
あれは単に、ファンサービスなのだから。(だからこそ、舞台が限定された『救命艇』(43)では「どこに出てくるのだろう」という楽しみが生まれることになった)
きのうのコラムに対して「伊丹十三さんは?」というメールをもらったが、このひとは俳優で出発し映画監督になったひと。
ただ伊丹さんという文字を見て思い出したのが、鈴木清順(トップ画像左)である。
このひとは映画が撮れない時期があり、喰うために俳優業もこなしていた。
味わい深い演技で、悪くないよね。
きのうイチローには言及したが、スポーツの世界からはなかなか逸材が出てこない。
赤井英和が唯一の成功者なのではないか。
ミュージシャンは雰囲気のあるひとが多いから、俳優をやって成功するケースも多い。
同じ理由で作家も多そうだが、そんなこともなく。
じゃあ、単なる映画小僧の自分はどうだったか―という話である。
初めて映画俳優? を経験したのは、19歳の秋のこと。
友人Bが企画した、「8mmフィルム」「短編15分」の映画。
ほとんどが格闘シーンで構成されたアクション物であり、台詞に凝りたいクセして台詞覚えが苦手な自分にはうれしい「台詞少なめ」の作品だった。
「少ないから」やってみよう、、、という気になったのだけれどもね。
さらに魅かれたのが、キスシーンがあったこと。
同意のキスではない、嫌がるヒロインの唇を強引に奪うというものだった。
気合が入るぜ!!
と、前日までは意気込んだものの、元々が裏方気質なのである。
撮影当日はガッチガチに緊張し、短い台詞までキチンと発せない状態だった。
「あのー、まっき~。いつもの、無駄に自信満々の感じを出してくれればいいから」
「無駄にねぇ(苦笑)」
撮影期間は10日間の予定だったが、天候とダメダメな自分の所為で笑 25日間くらいを要したっけか。
いちばんひどかったのは、想像がつくと思うがキスシーンだった。
ヒロイン役の女子は元々が女優志望なので、どっしり構えている。
「いつでも、いいよ」みたいな感じ。
それがまた逆効果で、彼女がどっしりしていればしているほど、こっちはビビッてしまう。
な、情けない・・・。
当時は女子経験も少なかったしね、いまならもう少し―というのは、単なるイイワケか。
まぁそれでもなんとか撮り終えた。
不器用なキスシーンではあったが、演技とはいえ可愛い女子とキス出来た。
格闘シーンだってこなし、誰も怪我をせずに済んだ。
編集を終え、いざ試写会。
よく出来ていれば、なにかのコンクールにでも―そんな風に監督は思っていたはずである。
だが冒頭の自分の台詞棒読み演技を観て、誰もが絶句した。というか、呆れていた。
こりゃダメだ。
15分間が、異様に長く感じた。
俳優って偉いな・凄いな、、、と、あらためて尊敬したのである。
しかし。
懲りたはずなのに、それからも3本ほどのアマチュア映画に出演をつづけた、身の程知らずな自分なのだった。
おわり。
※けっして演技は上手ではないが、自作の映画でのびのびと? 演技をするデヴィッド・リンチ…耳が悪いので、いつも大声で話すキャラ。内緒話というのに、ドアの向こう側の声が筒抜けになっているというオチ笑
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『BUSY NOW』
出来ないし、それは本人もファンも望んでいないものだ。
あれは単に、ファンサービスなのだから。(だからこそ、舞台が限定された『救命艇』(43)では「どこに出てくるのだろう」という楽しみが生まれることになった)
きのうのコラムに対して「伊丹十三さんは?」というメールをもらったが、このひとは俳優で出発し映画監督になったひと。
ただ伊丹さんという文字を見て思い出したのが、鈴木清順(トップ画像左)である。
このひとは映画が撮れない時期があり、喰うために俳優業もこなしていた。
味わい深い演技で、悪くないよね。
きのうイチローには言及したが、スポーツの世界からはなかなか逸材が出てこない。
赤井英和が唯一の成功者なのではないか。
ミュージシャンは雰囲気のあるひとが多いから、俳優をやって成功するケースも多い。
同じ理由で作家も多そうだが、そんなこともなく。
じゃあ、単なる映画小僧の自分はどうだったか―という話である。
初めて映画俳優? を経験したのは、19歳の秋のこと。
友人Bが企画した、「8mmフィルム」「短編15分」の映画。
ほとんどが格闘シーンで構成されたアクション物であり、台詞に凝りたいクセして台詞覚えが苦手な自分にはうれしい「台詞少なめ」の作品だった。
「少ないから」やってみよう、、、という気になったのだけれどもね。
さらに魅かれたのが、キスシーンがあったこと。
同意のキスではない、嫌がるヒロインの唇を強引に奪うというものだった。
気合が入るぜ!!
と、前日までは意気込んだものの、元々が裏方気質なのである。
撮影当日はガッチガチに緊張し、短い台詞までキチンと発せない状態だった。
「あのー、まっき~。いつもの、無駄に自信満々の感じを出してくれればいいから」
「無駄にねぇ(苦笑)」
撮影期間は10日間の予定だったが、天候とダメダメな自分の所為で笑 25日間くらいを要したっけか。
いちばんひどかったのは、想像がつくと思うがキスシーンだった。
ヒロイン役の女子は元々が女優志望なので、どっしり構えている。
「いつでも、いいよ」みたいな感じ。
それがまた逆効果で、彼女がどっしりしていればしているほど、こっちはビビッてしまう。
な、情けない・・・。
当時は女子経験も少なかったしね、いまならもう少し―というのは、単なるイイワケか。
まぁそれでもなんとか撮り終えた。
不器用なキスシーンではあったが、演技とはいえ可愛い女子とキス出来た。
格闘シーンだってこなし、誰も怪我をせずに済んだ。
編集を終え、いざ試写会。
よく出来ていれば、なにかのコンクールにでも―そんな風に監督は思っていたはずである。
だが冒頭の自分の台詞棒読み演技を観て、誰もが絶句した。というか、呆れていた。
こりゃダメだ。
15分間が、異様に長く感じた。
俳優って偉いな・凄いな、、、と、あらためて尊敬したのである。
しかし。
懲りたはずなのに、それからも3本ほどのアマチュア映画に出演をつづけた、身の程知らずな自分なのだった。
おわり。
※けっして演技は上手ではないが、自作の映画でのびのびと? 演技をするデヴィッド・リンチ…耳が悪いので、いつも大声で話すキャラ。内緒話というのに、ドアの向こう側の声が筒抜けになっているというオチ笑
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明日のコラムは・・・
『BUSY NOW』