Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(95)

2014-11-10 00:30:00 | コラム
じーん「ず」→「ずー」(ZOO)

調べ出したら切りがないし、おそらく死ぬまで結果を出せないように思うので、自分の持つ「映画的な、勘」でいってみるが・・・

5本に1本くらいの割合で、映画にはヒト以外の動物が登場する。

もっと多いのではないか、3本に1本くらいのような気がする・・・けれど、いや、世界中の映画を対象とすれば、これは妥当な数字だ、、、といい切ってしまおう。

そのくらい頻繁に登場する動物―主に、犬と猫、馬か―だが、しかし動物園となると、スクリーンの登場回数としては多くない。
むしろ少ないくらいだろう。

すぐに想起するのが、動物園そのものが舞台となっている映画。
モンティ・パイソンがからんだ『危険な動物たち』(96)や『旭山動物園物語~ペンギンが空をとぶ~』(2009)、アニメーションでは『マダガスカル』(2005)など。

変化球では、邦題はサイアクだけど物語そのものは素晴らしい『幸せへのキセキ』(2011)、
デートの場として描かれる『GO』(2001)、
敵? をライオンに喰わせようとする『グッドフェローズ』(90)などなど。

『グッドフェローズ』のライオンは、ビートたけしもいっていたが、いまひとつ迫力に欠けたかな。
この映画に文句をいうとしたら、ここくらいしかないわけだけれども。


さて。
映画小僧としては、ここにもうひとつ、英国産のヘンタイ映画『ZOO』(85)を加えたい。

お馴染みの? Jポップのことではないよ。

まずはその、冒頭部分を。
もうこれだけで、ヘンテコな感じがするでしょう?




印象的な音楽は、マイケル・ナイマンが担当。
監督は、80年代の映画界に突然変異のように出現し、天才と騒がれ、日本でも淀川先生がベタボメしたことから注目されたピーター・グリーナウェイである。

公立動物園で動物学者として働く双子の兄弟、オズワルドとオリヴァー。
動画の冒頭で描かれているように、彼らの妻は「ふたりとも」交通事故で死んでしまう。

悲しみに暮れる兄弟はしかし、次第に、動物たちが死んで腐敗していく過程に興味を抱き、その様子を詳細に記録していくようになる―。

きちんとした物語はこれくらいで、あとはひたすら倒錯的な描写と、美醜の判断がつき難い腐敗画像で構成されている。

なにかの死をきっかけとして死体に取り憑かれていく、という物語で想起するのは塚本晋也の『ヴィタール』(2004)だが、これはその動物篇―と思って観ていると、最終的にはヒトの身体に辿り着くので「やっぱり、そうだよね」といった感想を抱く。

だから当然、ハダカがメインの映像になるのだが、公開当時は日本の規制が厳しくて、ぼかしだらけだった、、、と記憶している。(現在は、そうでもないらしい)

ぼかしはこの監督のトレードマーク? みたいなところがあり、ほとんどの映画に沢山(!!)登場。
淀川先生は「グリーナウェイの映画をリアルタイムで触れることが出来る、君たちは幸福なんだ!!」と熱をこめて語っていたが、最近は80~90年代の元気がない。

コーエン兄弟にはカーター・バーウェル。
スピルバーグにはジョン・ウィリアムズ。
ティム・バートンにはダニー・エルフマン。

そして、グリーナウェイにはマイケル・ナイマンという最強の「座付き」作曲家が居た。

しかし、子どものような喧嘩を繰り広げ「もう、あんなヤツには音楽は頼まん!!」と絶縁宣言をしてしまう。

それ以来なのである、グリーナウェイの映画がパッとしなくなったのは。

仲直りしてくれないかな・・・両者ともに好きな自分なんかは、そう思うわけだが・・・。


あすのしりとりは・・・
「ずー」→「ずー」らんだー。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(96)』

コメント (2)
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