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にっぽん男優列伝(319)三浦友和

2016-03-24 00:10:00 | コラム
52年1月28日生まれ、64歳。
山梨出身。

公式プロフィール

百恵さんより、聖子ちゃん。
聖子ちゃんより、明菜。

というわけで、世代的に山口百恵のことを「どうこう」思わなかったりするのですけれど、女優としてはともかく、歌手としての才能と魅力は、過去の映像に触れるだけでガキでも分かるわけです。

とくに自分は『さよならの向こう側』が好きなのですが・・・

という書き出しで分かるとおり、
三浦友和(みうら・ともかず)さんがテーマであったとしても、まずは山口百恵について「書いてしまう」ひとが多いわけで。

自分も「ごく最近まで」そうでした。
俳優として沢山の出演作があるのにも関わらず、三浦友和さんとは「山口百恵の旦那」であるという認識。

それが変わったのは、ほんとうに最近のことです。

『台風クラブ』(85)で、イメージとちがうキャラクターを好演していましたが、あれはきっと「まぐれ」だ、あるいは相米監督の演出術が優れていただけだと意地悪な捉えかたをしていました。

自分が「お、いいな」と思ったのは、『沈まぬ太陽』(2009)で行天四郎を演じたころからです。

長いキャリアの持ち主なのに、ねぇ・・・。

北野武も見抜いたように、「意外とイヤなヤツ」が「ひじょうに」似合うのでした。


※原作の大ファンです。まもなく公開。




<経歴>

長男は歌手・俳優の三浦祐太朗。
次男は俳優の三浦貴大。

高校の同級生に、忌野清志郎。
彼の影響を色濃く受け、芸能界に。

72年、TBSのドラマ『シークレット部隊』のガードマン役で俳優デビューを果たす。

映画俳優デビュー作は、74年の『伊豆の踊子』。

川端康成の超有名な原作小説、なんとこの時点で5度目の映画化。
個人的な評価をいわせてもらいますと、野村芳太郎の監督作も含め、原作の完成度に近づいたケースはいちどもありませんでした。
でしたが、この74年版が最も有名で愛されているのは、おそらく、のちに実際の夫婦になるふたりが初共演を果たしているからでしょう。

以下、百恵さんとの共演作をドドドッと。

『潮騒』(75)
『絶唱』(75)
『風立ちぬ』(76)
『春琴抄』(76)
『泥だらけの純情』(77)
『霧の旗』(77)
『ホワイト・ラブ』(79)
『天使を誘惑』(79)
『古都』(80)

まるで、プログラムピクチャーであるかのように連続制作されていますよね、
これで恋仲にならなかったら、どうかしている・・・という具合に。

どらかというと、山口百恵のスター性を強調するような作品が多い、、、のは、しょうがないことなのですかね。


90年代までのほかの出演作を挙げてみましょう。

『阿寒に果つ』(75)、『青い山脈』(75)、『陽のあたる坂道』(75)、『あいつと私』(75)、
『青年の樹』(77)、『姿三四郎』(77)、『ふりむけば愛』(78)、『炎の舞』(78)。

『大日本帝国』(82)、『海峡』(82)、『天国の駅 HEAVEN STATION』(84)、『さよならジュピター』(84)、『台風クラブ』、『彼のオートバイ、彼女の島』(86)、『野ゆき山ゆき海べゆき』(86)、『マリリンに逢いたい』(88)、『悲しきヒットマン』(89)、『226』(89)。

・・・と、ここまでは(繰り返しになりますが)『台風クラブ』を除いて、俳優として「これ!」といったものがなかった―というのが、自分の個人的な評価です。

90年代に入って、いぶし銀の魅力といったらいいのでしょうか、本人の印象だけでなく、作品にも恵まれ始め、主に映画でその存在感を発揮し始めました。

『遥かなる甲子園』(90)、『無能の人』(91)、『仔鹿物語』(91)、『私を抱いてそしてキスして』(92)、
柄本明が監督に初挑戦した『空がこんなに青いわけがない』(92)、
『東京日和』(97)、『あ、春』(98)、『M/OTHER』(99)。

『Quartet カルテット』(2001)、『なごり雪』(2002)、『茶の味』(2003)、『サヨナラCOLOR』(2005)、『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)、『松ヶ根乱射事件』(2006)、『転々』(2007)、『陰日向に咲く』(2008)、『山のあなた 徳市の恋』(2008)、『ヘブンズ・ドア』(2009)、『沈まぬ太陽』。

『アウトレイジ』(2010)、『食堂かたつむり』(2010)、『死にゆく妻との旅路』(2011)、
ここ最近ではいちばんの名演だと思う『マイ・バック・ページ』(2011)、
『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(2011)、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』(2012)、『おかえり、はやぶさ』(2012)、『アウトレイジ ビヨンド』(2012)。

公開が控える作品に、『64 ロクヨン』前編・後編と、『葛城事件』。


これだけ活躍しているのですもの、さすがにもう、「山口百恵の―」というひとは、少なくなっていくのではないでしょうか。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

3連続でいきます、
『にっぽん男優列伝(320)三浦春馬』
コメント (1)
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