月一回のこの句会では、編集長が毎回、蕪村の書簡や書き残した文章の勉強会をしてくれます。なかなか、一人ではできないことです。
この日は、明和八年に書かれた「蓑虫説」を読みました。
身に玉むしの光をかざらず、声(旧漢字)に鈴虫の色をこのまざれば、人に捜しえらるゝの愁ひもなく、北吹けば南へふらり、西吹けば東へふらり、物と争はざれば風雨に害はるゝかなしびもなし。
正直私には難しすぎる文章ですが、上の一節だけは理解できました。
しぐるゝや鼠のわたる琴の音 蕪村
みの虫のふらと世にふる時雨哉 蕪村
あぶみは、ここでも(今、この基本的なことをきくか?) というような質問をします。きくは一時の恥、きかぬは一生の恥が、信条です。(「辞書をひきなさい」と怒られたこともありますが)別の日の三尺句会では、兼題となる言葉をホワイトボード一面に書き出して、そこから句を作りますが「十あまり」という言葉がありました。すると、出てきた句に「十あまり二日」とか「十あまり三日」という言葉が入ったのがあるので、「これ何? 12日、13日ってこと?」と声に出しました。すると、編集長から「知らないの? 信じられない」と。高校とかの古典でやったのでしょうが、まったくもって忘れていました。そして、その言葉を作って出された編集長の俳句は、おもしろかったなあ。
私は用意していた句を他で出す機会がもうないので、2句はそれを出し、あと3句は、題を見て作りました。心を解放しきれなかったかな。月に数回句会に出ることができたら、この句会は行き当たりばったりで作って、思いがけない句ができることの楽しみを味わうことができるのですけど。この日もちょっと他の句会ではでないような、いい句がたくさんありました。自分の作った句がどうのというだけでなく、他の方の句を楽しめる句会です。
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夕方、散歩途中で見えた富士山