上野不忍池を望むところにあるとてもいいお屋敷でした。
大観といえば、なんでも鑑定団に出て、まあ本物は出ない、出たら数千万というお値段という大家。受付のところに「大観の鑑定は、本日休みです」とあり、へえ普段はやっているんだと思いました。中に展示されている絵は、その時期時期で企画があるらしく、その日は大観が友人からもらった絵ということで、肝心の大観の掛け軸は2枚。あとはスケッチが数点あるだけでした。でもその一枚の「月見布袋」は、すばらしかったです。おみやげのところにあった複製画も、はっきり言ってお友達の本物よりよかったです。
『大観のことば』という冊子と、富士の絵はがきセットも購入。大観は、多くの富士を求められて描いていますが、観てすぐではなく、時間を経てから描くというやり方をしていたそうです。
ー自然を観て、それを直ぐにものにするという事はむつかしい。頭に一杯蔵って(しまって)置いて、何年か経って、自然の悪い所はみな消えて、いい印象ばかりが頭に残る。その頭に残ったものを絵にすれば、前に観た自然とは違うが、画家の個性はハッキリと出る。
と、言っています。それで二つと同じ富士はないということで「不二」と表記していました。池の写真は9月7日です。蓮はもう実になっているものがいくらかありました。「蓮は実に」「蓮の実」「蓮の実飛ぶ」などが秋の季語。破蓮(やれはす、やれはちす)は、もう少したってから。敗荷という表記もします。
蓮の実のひとつふたつは飛んだらし あぶみ