fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『アテルイ』裏話⑥ 田村麻呂伝説

2021年02月19日 | 自作紹介
 資料の少ないアテルイに比べ、田村麻呂に関する文献はたくさんありました。そして、それ以上にあるのが、伝説です。
 『アテルイ』の物語以後、田村麻呂は都で出世しますが、東北の征夷も進めました。
 アテルイの息子、人首丸は10数人のエミシと山に逃れたものの、田村麻呂の娘婿にとらえられ、斬られたという伝説もあります。人首村(現在は統合され村はない)という地域がまた、とてもいいところで、人首川の周辺を歩きました。とらえられたという山には碑もあるようなので、行きたかったのですが、「熊が出るからやめたほうがいい」と言われ、断念。
*以前ブログにここの町を訪れた記事があります。賢治とのつながりも。

 また、平泉の近くには達谷窟(たっこくのいわや)という崖を利用した素晴らしい建物があるのですが、これは、田村麻呂が悪路王を成敗するときに建てたとも言われています。この悪路王というのが、鎌倉時代あたりに作られた、アテルイを鬼と見立てた伝説です。当時は、完全に田村麻呂善、アテルイ鬼という図式だったことがわかります。

 田村麻呂が建立したという伝説の毘沙門天は、東北各地にあります。
 また田村麻呂は、福島県の郡山で生まれたという伝説も。実は最初、これを採用して、田村麻呂の子ども時代も書いたのですが、途中でカットしました。郡山にも行き、田村麻呂が産湯を使った井戸があるらしいというところにタクシーで行ってみましたが、行き着けませんでした笑。こういうのは、地元の歴史学者さんの案内とかがないと、無理ですね。
              

 『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』引き続きよろしくお願いいたします。
 


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