>所属している結社「童子」には、全国各地で句会があります。どこでも自由に参加できるのですが、場所や曜日で、だいたいの方は、毎月この句会(あるいは、こことここというように)決めてらっしゃいます。
八王子でやっているのが浅川句会。そのメンバーによる合同句集です。
勢いがあります。
金縷梅と言へばふうんと言うて過ぐ 小林タロー *金縷梅・・まんさく
父までは土葬だつたと田水張る 小林さゆり
梅雨冷や行かねばならぬボランティア 斉藤二水
この案山子あたしと同じ格子柄 牧島りょう
万緑に呑み込まれさう峡の茶屋 森野この実
我が遺影撮りて六年あつぱつぱ 松本みち
水たまり避けて歪な踊りの輪 清水泰丞
蜩や乳やる猫の鋭き目 清水えみ
二人居のそれぞれにあり秋灯 松原波月
軒下にぺんぺん草や人死んで 濱田ゆふ
まあ坊と妙ちやん幹事花の下 山本多峡兵衛
竹馬やよろめく一歩二歩三歩 山本甲斐
床下に悲しきころの梅酒かな 山本七月
鈴虫や鳴かざるやつは野に放ち 仁田逸
春一番目籠が一つ転がつて 中島葉月
それぞれのエッセイもまた、楽しい。
ここから、さらに個人の句集をめざす方も出ることでしょう。
まとめ役であるタローさんのパワー、エネルギーに、メンバーが楽しくついていっている。そんな感じが伝わってきます。
おめでとうございました!
*浅川は、八王子、そして日野を流れる川で、多摩川に注ぎます。八王子の方が多い句会で、辻桃子主宰の序に八王子空襲のことが書かれていました。メンバーには空襲の語り部をされている方もいて、その方のエッセイが胸を打ちます。
八王子には都心から多くの子どもが疎開に来ていて、空襲で亡くなっています。その子を偲んでランドセル地蔵というのもあるはず。またトンネルと爆破され、多くの方が亡くなられました。東京大空襲や広島が有名ですが、自分が住んでいる地域に近いと直結しているので、その痛み、悲惨さが肌に伝わってくるのですよね。
語り部である松本みちさんのお話をお聴きしたいです。
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