fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『ぼくたちのだんご山会議』の中に書いてあること

2021年07月06日 | 自作紹介
         
 一昨年出した『ぼくたちのだんご山会議』という本があります。中学年向け作品です。
 主人公樹達が住んでいる町には、3つの山が連なった「だんご山」があります。
 一番手前の「一のだんご山」は10年前に開発され、住宅地になっています。
 そしてこのたび、二のだんご山の開発計画があることがわかりました。なんと、テーマパークができるかもというのです。3年生のクラスでは、大盛り上がり。
 でも、待って。
 樹のおじいちゃんは、これ以上町の自然を壊すのは大反対。
 恭平という子は、おばあちゃんと二人暮らしですが、おばあちゃんは、二のだんご山でとれる野草で、よもぎ餅やクッキーを作り、それで生計をたてています。
 トツは、おとうさんが建築会社の社長さん。その開発計画が実現すると仕事になります。
 アリスは、一のだんご山団地に住んでいます。飼っていた猫の避妊手術をしたばかり、自然のままにしておくって、どういうことなの? と疑問を持ちます。
 
 クラスは、先生といっしょにだんご山に登ります。樹のおじいちゃんもいっしょです。
 その上で「だんご山会議」が行われるのですが、その中で、トツが言うんです。
「とうちゃんの会社は、ここにテーマパークを造ることが決まると、そりゃあ、仕事になるわけだし、助かるんだ。でも、ちゃんと調べてるんだって」
「ええーっと、むずかしい話だから、よくわかんないんだけどさ。山の木って、大事なんだって? 木がなくなると、大雨で土砂くずれが起きることがるとか・・・。木には土の中に水をためる力があるとか・・」


 このたびの、熱海の災害は、まだ進行中。胸が痛くなりますが、ふと私のこの本を思い出しました。これからいろいろ検証もされるでしょう。
 何より、今は行方不明の皆様の救出を願います。

 開発は人間が生きていくにあたって、必要なことです。自然は、上手につきあっていかないといけません。

 この作品、読んでいただきたいです。 
 
 

 


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