fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

マンガ『アイシテル』ー海容・絆(伊藤実)講談社

2013年01月16日 | 本の紹介

           アイシテル〜海容〜 講談社 (すべての母に捧げます)とあります

 初出は2007年です。テレビドラマ化されたのが数年前、そのときに原作を読みたいと思いつつ、今にいたっていました。薬局の待合室にあり、パラパラとめくって、アマゾンで中古を買いました。連続ドラマになった部分は、海容の2冊分。昨年、絆も単発でドラマ化されたようですが、見ていません。

 ネタバレはもうオーケーの時期ですよね。小学一年生の男の子が殺害され、犯人は別の小学校に通う六年生の男の子(ドラマでは5年生だった?)。その両方の家族の苦悩が見事に描かれています。もちろん加害者となった男の子も。殺害された子も含めて、見事にそれぞれが描かれていて、感心しました。いや、こんなさめた感じではなく、それぞれの立場になって感情移入できるのです。(*ここが大事)

 ラスト近くで、被害者の少年の母は、「あなたと私は加害者の親、被害者の親です。でも『嘆き悲しむ親』という同じ姿を鏡に映しているのではないか」と手紙を書きます。それを読んだ加害者の少年の母は、「この人が私の気持ちを一番理解してくれるなんて」と泣き崩れます。この象徴的なシーンが見事でした。(*こういうシーンがひとつあるかないかで、作品の印象が違ってくるんだなあと)

 その後、加害者の少年には弟が生まれます。その弟の視点で描かれたのが、「絆」編の二冊です。たぶん「海容」だけでは、やはりその後被害者とそのと家族がどうなったか、読者は知りたいと思います。それに対しては、答えが出されたのだなと思う2冊。ただ独立した作品としては「海容」には及びません。(←えらそーにね)加害者の家族は、こんなにも追い詰められるのか、調べられ、傷ついてしまうのか? という疑問がひとつ。あとは、残念ながら絵の問題として、加害者だった少年は成長して大人になり、けっこうな年になるのですが、その絵がマズイ。彼の一生が、悔恨の生き地獄のようなものというのはいたしかたないのですが、救われない。ただひとつの救いが弟の存在なのでしょうが。

 ドラマでは、加害者の少年の母を稲森いずみが、父を山本太郎が、被害者の少年の父は佐野史郎が演じていましたね。被害者の少年の母は申し訳ないけど役者さんのお名前は知りません、でもとてもよかった。映像が今でもくっきりと思い浮かぶ出色のドラマでした。

 (かっこ内のつぶやきは、自作への自戒でした)


雪の日のストーブ料理

2013年01月15日 | 日記

 昨日は、東京近辺まで大雪でしたね。岩手もすごいです。

          暗くてすみません。

 通路というか、物置というか、そんな部屋にあるこの煙突つきストーブの威力がすごいです。大きな鍋を乗せられないのが残念ですが、中鍋でいろいろ煮込み料理をします。ブリ大根とか、豆の下茹でとか、カボチャの煮物とか。換気扇のない部屋なので、匂い充満です。でも密閉された家ではないので、二酸化炭素中毒の心配はありません。

 通常は薬缶を乗せていて、沸かしたお湯を湯たんぽにも入れます。朝は、そのお湯で顔を洗います。とエコな生活。山本一力の「とっぴんしゃん」の冒頭も、子どもたちが湯たんぽのお湯で顔を洗う場面でしたっけ。ドクダミ茶をことことと煎じてもいます。

 写真、ストーブの前にあるのは、なぜか隠元豆です。「どうするの? 捨てていいんじゃないの?」といったら、「煮てみるべ」という返事。うーん……。なぜか菜箸が一本あるし……。あと、雪靴や手袋をここで乾かします。

 そして……  

 隠元豆を寄せていたら、芽キャベツがごろりと……。雪の下から掘ってきたみたい。

   甘みが増しておいしい!

 お正月に読んだ『チャンネルはそのまま!』というマンガにも北海道の雪の下のキャベツのことがエピソードで出ていました。素材がいいと、シンプルに茹でるだけが一番いいようです。ただ、上の写真の状態からひとつひとつを包丁で切りとり、ひとつひとつの汚れた葉っぱを取り除くって手間暇がかかります。農家の方が出荷する場合の大変さには頭がさがります。

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 以前俳句のカルチャースクールで講師をしていたときの生徒さんだったSさんから「ブログの写真に癒されました。雪いいですね、お正月の季語も勉強になりました」とメールをいただきました。年賀状にも「ブログ見ています」と添えて書いてくださったかたが何人もいらして、嬉しかったです。みなさまどうもありがとうございます。


夜寝るときの姿

2013年01月14日 | 日記

  さて、なにしろ寒いです。このへんの人たちは「しばれる」という言葉はあまり使いませんが、つまり凍てついてます。カキーンという感じ。まさに寒中。

 上はババシャツの上に20年くらい前のスキーのアンダーシャツ、その上にユニクロのフリースを着ます。下はスパッツに裏起毛の(しかも東京では見たことのないようなモコモコです)スウェットパンツ、レッグウォーマーもはきます。首には、フリースの襟巻き。そして電気毛布をして、二枚重ねの毛布、羽毛布団。暖房を22度の設定にして、寝ます。でも靴下ははきません。去年はエアコンがなく、ストーブのつけっぱなしは怖かったので、4時くらいにつくようにタイマーセットしてました。でも3時くらいに寒くて起きてましたっけ。おととしは、タイマーができず、朝起きて寒くて寒くて、ストーブつけにふとんを出るのもいやだったなあ。今年はずいぶんラクです。新しい家やマンションだったら、岩手だろうとどこだろうとこんなには寒くないのでしょうが、自分でもこの重ね着寝はひどいもんだと思います。暑くて布団がベッドからずり落ちることもあり……、でも頭が寒くて、フリースのフードをかぶることもあるし……。この調節がうまくいかないと風邪をひくんですよね。

 おととし茶の間と寝室のサッシを二重にする工事をして、少しはよくなったのですが、その前は、暖房を切ると外と同じような寒さになったのです。

 いや、私の寝姿なんて、どうでもいですよね。失礼しました。

  南天と雪 


氷柱

2013年01月13日 | 日記

             

 家の北側です。屋根の雪が、ときどきドカーンと家をゆすぶるように落ちます。雪止めという金具を屋根につけているので、全部が一度にということはないのですが、朝などもその音で目が覚めます。


日本酒

2013年01月12日 | 日記

 このごろ日本酒が、おいしいなあと思います。冷や酒がとくに! お正月はいただいた大吟醸を呑みました。おいしかったー。秋田の高清水です。で、岩手に来て家にあった松竹梅という日本酒を飲んでみて、おいしかったのですけど、(とくにきりたんぼの具を肴にしていたので)、酔いのまわり方がちがうぅ。頭がぐらんぐらん、悪酔いしそう……。大吟醸はいくら呑んでも酔わなかったよお! なぜっ? 松竹梅は、料理用にまわして、きのうはワインにしました。(いわてエーデルワイン早池峰山麓コンツェルト、これ、おススメです)きょうは、控えよう……。できるか? 

  雪吊り2

  


アイスバーン

2013年01月11日 | 日記

               

 6日夜、岩手に来ました。道路カチカチのツルツル状態です。雪靴はいていても、気を抜くと滑ります。で、うっかり車のドアをしめる時に手をぶつけるという失態をしました。運転しているうちにみるみる腫れあがってきて、折しもちょうどつきそいで外科に行くところだったので、ついでに自分もみていただき、初レントゲン。幸い骨に異常はなく、内出血による腫れで済みました。足もと以外も気をつけなくちゃ。

 雪吊り(市役所駐車場)

 きょうも外科、そして眼科皮膚科のつきそい。他もあれこれアッシーです。


初詣3ー高幡不動

2013年01月10日 | 日記

              

 2日国分寺、4日上野弁財天、そして6日は、大きな初詣先としてはという意味で家から最も近い高幡不動尊に出かけました。(もっと近くには、小さなお宮が3つあります)日本人はお正月を大事にしているなあと思います。まだまだすごい人手でした。ここでは毎年、

  厄除け団扇を買います。

 *元旦の写真は、谷保天満宮でしたが、実はあれは年末に通ったら、新年の準備で「あけましておめでとう」と出ていたので、パチリとやったわけで、実際には初詣には行っていません。ホントに日本には神社、お寺、多いですよね。改めてしんみり。


『童子』2013年1月号

2013年01月09日 | 俳句

                 

 1月号は昨年の大晦日に届きました。元旦から新たな気持ちで俳句を作ってほしいという主宰を始め編集部の皆さまのご尽力に頭がさがります。

 今号では

 神将に奉納の柿てんこもり   あぶみ 

 を含む5句を発表しています。また昨年応募していた千字評論賞の「虚子の一足」を秀作として全文掲載していただきました。評論を書ける方というのは頭の構造が違うな、私は感覚的人間と半ば開き直っていたのですが、去年あたりから少々考えを変えています。理論をきっちりと学ぶことは大事なこと。ということで、昨年は自分が学んだことをまとめて応募したものです。「雲海」「登高」という季語に関してのまとめです。この分野はまだまだまだまだ未熟ですが、初めから無理と決めつけず少しずつやっていきたいと思ってます。

 「童子」の表紙は毎年変わります。この数年は主宰が子どもの頃に書かれた絵です。今年のは4歳のときの「私と物干竿」。子どもの頃の絵は宝物ですね。


初夢

2013年01月08日 | 日記

 1日の夜から2日にかけて見た夢。しょうもない初夢です。

 (前略) 某事務所に1時に行かなくてはいけないのに、時計を見ると1時40分。遅刻だと焦ります。そして近道を行こうとするのですが、一件の家の横にあったはずの高台へ続く階段がなくなっています。(事務所は高台にあるという設定)ちょうどその家で洗濯物を干している女性に、「ここに階段がありませんでしたか?」ときくと、自分が引っ越してきたあと、なくなったと。その階段を上らずに事務所に行くには、ひどく遠回りになります。あせった私はその家の反対側へまわります。するとそこは崖になっているものの、その上に遊歩道の工事をしていて、よじ登ることができないわけではないと判断。崖をよじのぼる‥・、という夢。

 私はシチュエーションは様々ですがよく遅刻しそう、という夢を見ます。そのパターンなのですが、こじつけ解釈としては、

 今年、何か壁にぶち当たる。が、なんとかよじ登って切り抜ける。

 はたして、どのような一年になるでしょうか。(笑)

            

 うちの近所から見える富士山と特急「かいじ」


大皿

2013年01月07日 | 日記

          

  大分前に陶芸家倉田鉄也さん(秋田県本庄市)の作品をご紹介しましたが、大皿はもうずっと棚にしまいっぱなし。でもお正月くらいはと、出して使うことができました。穴窯で薪をくべて焼くと、自然釉といって、このように計算してできるのではない味わいのあるものができます。ホント、すばらしい。

  土も自分で採取されています。

 大きさのわかるものを並べて撮るとよかったですね。上のものは27センチ、下は20センチです。料理を入れたところを出せって? いや、この日はすき焼きで野菜を乗せただけでしたー。


句座始ー上野

2013年01月06日 | 日記

             

 上野の西郷さんの足元に70人が集まり、新年のご挨拶。その後それぞれに上野を吟行し、不忍池のほとりの中華料理店で句会と新年会でした。

 新年のご挨拶として、主宰は「私たちはよい句を作って、ほめられるために俳句をやっているのではない。特選をいくつもらったと喜んだり、だれにもとってもらえなかったと嘆くのではなく、それぞれが文学者としてのプライドを持ち、勉強するために集まっているのだということを噛みしめたい」という言葉をいただきました。ほんとうにそうだと思います。自分の中で向上心がなくなってはダメだと思いますが、この言葉を聞くことができただけでも参加したかいがありました。

 上野は博物館や動物園のある方面にはしょっちゅう行くのですが、西郷さんの方から不忍池へまわるという歩き方は2回目? くらい。上野にかつて大仏があって、関東大震災で壊れたということ、初めて知りました。東照宮は工事中で、牡丹園は中を歩いたら時間がなくなるので、外からこっそり。 

  きょうからは寒牡丹

   寛永寺五重の塔(東照宮参道より)

 不忍池の弁天堂は巳を祀ってもいます。おみくじはめずらしく大吉でしたよ。池の蓮や葦の枯具合も見事でした。

 不忍池の波立つ初巳かな    あぶみ

 このブログをいつもご覧くださり、ときどきメッセージをいただくTさんにも初めてお会いできました。


武蔵国分寺跡

2013年01月05日 | 日記

         七重の塔があったところ

 2日に出かけてきました。のんびりとしたお正月。

  江戸時代の鷹狩りの道 お鷹の道

 あちこち遺跡調査中

 国分寺は長く住んでいたところ。行くとついつい以前住んでいたマンションや借家のあたりを見てしまいます。マンションは以前とあまり変わっていません。が、

 

 借家の方は、だれも住んでいない様子。この左側の茶色い家ではなく、奥の家を借りていました。(さすがに中に入って写真を撮るわけにはいかないのでね)大家さんは2件を所有していたのですが、長く高齢で老人ホームに入ってらっしゃいました。周辺は当時からお年寄りが多く、一人暮らしのお宅だったのが、更地になっていたりしています。この二件の敷地はかなりのもの。いつかなくなってしまうのだろうと、ついつい感傷にひたってしまいます。うちが借りていたときすでに築30年以上は経っているだろうという様子で、最初はこんな廃屋のようなところに住めるだろうかと思いました。でも掃除をして、汚れていた床にフローリング風のシートを敷き、住んでみたらとても居心地のいいところ。南側に庭があり、静かでよかったです。古いけれど洋風だったからよかったのかも。平屋の3LDK、広い庭と駐車場つきなんて、今考えるとぜいたくなものです。

 お風呂に蟻の大群が発生したり、洗面所に竈馬が出たり、屋根裏にネコが居着いたり、小説ネタにできることがいろいろありました。庭は日当たりはいまひとつでしたが、柿の木(渋柿)、シュロの木、スダジイ、あじさい、八つ手、ドクダミ、山吹、ホトトギスと、武蔵野の山をそのまま庭にしたようなところでした。住み始めた当初は薔薇を植えたり、野菜を植えたりがんばったけど、虫がすごくて、ダメだったなあ。引越するとき、アジサイ、山吹、石蕗など少しいただいてきて、今の家の猫の額ほどの庭に根付いています。

 引越の荷にものの芽の二つ三つ  あぶみ

 この家の近くに先日の記事に書いた「鞍骨坂」がありました。つまりここが、小説の舞台のモデルだったわけで。中央近くの木は、金木犀です。小説に書いた桜の木(位置はちょっと違うところにあったのですが)は、伐られてしまっていました。


多羅葉

2013年01月04日 | 日記

     葉書の語源といわれるタラヨウ

 葉っぱの裏に爪楊枝などとかったもので傷をつけて文字を書いておくと、徐々にその部分が黒くなってきます。郵便局の木として、だいたいの郵便局に植えられていますね。古代インドや日本でも戦国時代などの通信に使われたとか? 

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 年賀状は、年末に日頃お会いできない方を中心に書いています。なので、よくお会い出来る方で失礼している場合もあります。お世話になっているのにと思いつつ、毎年少々悩みつつ。このブログをご覧いただいている方で年賀状来てないぞーという方もいらっしゃると思います。改めて「旧年中はお世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします」。

 また逆に今年、うっかり喪中の方に年賀状を出してしまいました。欠礼のお葉書をいただいていたのに、岩手との行き来で岩手に置いてきてしまい、書きかけて(あ、この方はダメだった)とやめたのもあったのに、年が明けてから(しまった。あの方もだった)というのが気づいたのがお二人。わざわざお詫びのメールをするのもなあと思い、そのままにしております。(たぶんブログ読んでくださると思うので)失礼をいたしました。改めて「よいお年を!」

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 箱根駅伝、ちらちらと毎年見る程度なのですが、今年中央大が途中棄権というニュースには驚きました。特に毎年どこを応援とか誰を応援ってないのですが、中央大はうちからわりと近く、私が散歩をしている川縁の反対側をよく選手が走っているのです。足取りは軽いランニングっぽいのに、ふつうの人の100メートル走くらいの速さです。ニュースにショックを受けて、(ああ、中央を応援してたんだな)と思ったわけです。私はこんなんでも、中学のときは陸上部にいました。短距離でしたが、練習苦しかったです。だから駅伝やマラソンを走っている選手を見るとそのころの苦しさが蘇ります。何十年も前なのですがね。濃い3年間だったので。

 でもこのごろ学生確保のため大学が都心へもどる傾向があるとかで、中大は中野にキャンパスを移そうとして、明治との敷地確保争いに破れたとか? 話を聞きました。実践女子大は渋谷キャンパスができたそうです。でも、秋田県立国際教養大学ってご存知ですか? この数年、偏差値東大並になり、企業が欲しい学生では東大抜いてダントツトップだったということです。秋田市にも遠い、回りになーんにもないキャンパス。一年間は寮生活、一年間は留学、授業は英語という大学。みっちり学び、力がついていくということのようです。中大の不便さなんて比ではありません。学生時代によくよく遊んだ私としては、やっぱりもっと学んだほうがよかったかなという思いと、でも遊ぶことも肥やし(芸人じゃあるまいし? ですが)、そして学ぶことに関しては、レディネスというものがあるのでね、どうなのでしょうか。ともあれ若い人たち、がんばっているなあと思います。

 


『鞍骨坂』(北日本文学賞選奨受賞作)

2013年01月03日 | 自作紹介

 富山の北日本新聞で募集している北日本文学賞というのがあり、この賞は毎年元旦に受賞作が発表になります。今年は弘前在住の女性が受賞されました。

 私は第42回で選奨をいただきました。その作品が『鞍骨坂』(筆名北柳あぶみ)。児童文学ではないもので唯一日の目を見たものです。ただこれはもう受賞してそれっきりなわけで、せっかくなので、もしもお読みになりたいという方がいらしたら、掲載された新聞のコピーをお送りしたいと思います。読んでくださる方、遠慮なく左のメッセージというところからか、あるいは直接ご連絡ください。

 宮本輝さんの選評、http://webun.jp/pub/hensyu/bungaku/42_2008/result5.html で読むことができます。授賞式のとき、宮本輝さんに直接「あなたは書ける方だから大丈夫」と言っていただいたのが、書く上での支えになっています。(←これ、自慢です。きっぱり!笑。おとなりに座って食事もしたんですよー)41回のときは、最終選考に残ったものの受賞には至らず、よく年に受賞。宮本輝さんに2回続けて作品を読んでもらった人はこれまでいませんと地元の選考委員の先生にもおっしゃっていただきました。(今年選奨の方は、3回目だそうですが)41回で受賞を逃した作品に対しては「29枚目まではこれが一番かと思った。でも最後の一行で……」という大事なことを教わったものでもあります。いってみれば過去の栄光的なものですが、お正月になりちょっと思い出したので。

http://webun.jp/pub/hensyu/bungaku/41_2007/index.html では41回の選評などが読めます。宮本輝さんの選評はそれだけでも読む価値のあるものだと思います。一流の作家の言葉は、読むもの聞くものの心の奥のほうまで届くもの。さすがです。

 地方新聞の賞ですが、30枚と枚数が手頃ということもあり、毎回1000人を越える応募があります。今その人数をかいくぐる作品を書けるかというと……。その時間があったら児童文学です。

              

 今年の受賞作も、読むことができるようになっていました。これは今年が初めてです。早速読みました。12歳の女の子の視点で書かれ、五感を刺激する描写が巧みで臨場感があります。そして母の闘病という設定の中で主人公が成長し、向日性があり、方言の暖かみがあり、児童文学としても一級品だなと思いました。私的に、刺激を受けること大でした。


二日ー新年の季語あれこれ

2013年01月02日 | 俳句

  新年というのは、歳時記では春夏秋冬と別立てにあるくらい季語が豊富です。分冊になっているものならば、新年だけで一冊の本になっています。東京のうちには「角川大歳時記」、岩手には「講談社図説大歳時記」と、会わせて10冊(笑)。(その他1冊にまとまったものが数冊あります)

 たとえば二日というだけで、これは一月二日のこと。新年の季語になります。三日も四日も五日も六日も。そして七日になるとお正月の神様がお帰りになり、人日(じんじつ)となります。松の内、門松、注連飾り、初夢、初旅、嫁が君(新年のネズミのこと)、御慶、若水(新年初めて汲む水)などなどなどなど。

             

 お雑煮はもちろん、餅も紅白なますも黒豆も新年の季語です。そしてお重に作っておいたおせち料理を少しずつ食べていくことを「食積(くいつみ)」といいます。

 それからなかなかものにできずにいるのが「御降り(おさがり)」。新年三が日に降る雨や雪のことを、忌み嫌わずにこのように空から降って下さるものととらえます。すべて年神さまへの畏敬の念がこめられているのだと思います。 でも三が日、東京は御降りもなくいいお天気です。