先日夜中にトイレに起きてから、寝付くことができない、という日が2日ほど続きました。そのとき、考えていたことのひとつ。
句集『だだすこ』の朗読会、よかったなあと。
直後には、簡単にプログラムしかご紹介できなかったので、少し詳しくご報告させてください。
句集『だだすこ』は、賢治に馴染みのない人にとってはわかりにくいところもある。今日はその世界を「現出」させたい。とおっしゃってくださったのが、辻桃子主宰。紺碧のベルベットのワンピースがステキでした。主宰は「胡桃が落つる日」の他に、北上市にある詩歌文学館の雑誌に寄稿したエッセイの一部も朗読してくださいました。賢治の作品に関するものです。賢治は、雪の中で生きる子どもと、雪の中で死んでいく子どもとを書いた……。こんど文学館に行き、その雑誌を捜してみようと思います。
同人会長庚申からは、私の句「仲秋の深川飯の中に石」という句を中心に据えて、感想をいただきました。
安部元気副主宰の「象潟」(「奥の細道」)は、朗読ではなく、暗唱です。おそらく「奥の細道」を全て暗唱されたのでしょう。感服。内容の解釈は私だけではなく、来てくださった方、みなさん納得されたのではないかと思います。
「原体剣舞連」(賢治)を朗読してくださった立松けいさんは、この日、ダンサーをイメージした衣装で、裸足に深紅のペディキュア。すばらしかった!
「俳句を読もう」(『頭のよさを育てる10の力を伸ばすお話』)は、4人が心をこめて、読んでくださいました。嬉しかった!
佐藤明彦編集長の『だだすこ』の朗読は、編集長が選んでくださった21句を、「荻の声」とサブタイトルをつけ、味わい深く、また別の世界のように表現してくださいました。これはまた別の日にご紹介させていただきます。
そして何より、個別の朗読をしなかったみなさんに、一人一句、好きな句を選んでおいてくださいとお願いしていたのですが、それを一人ずつステージで発表してくださったこと。内心、一人出て、一句だけ読んで引っこんで…とやるとゴチャゴチャした感じになってしまわないかしら? と心配もしていたのですが、とんでもない。とてもよかったです。意外だったのは、だぶって選ばれた句が一句だけだったこと。
ちなみにだぶったのは、
雪深くまだ起きてゐる呑んでゐる あぶみ
この日、たまきちゃんという5才の子も(句友のお孫さん)、
わらわらとこどもでてくるハローウィン あぶみ
を読んでくれました。ひらがなとカタカナだけの句が、2句だけあり、そのどちらかと思ってこっちを選んでくれたとのこと。かわいかった! 学芸会などで、こうやって、小さい子に、俳句を暗唱させるのもいいのでは? なんて思いました。
私の「お地蔵さんもラクでねぇ」は、ちょっと声がかすれてしまったかも、でした。
主宰も、もっとたくさんの方に聴いていただけたらよかったわねと、おっしゃってくださいました。本当にそう。でももっと大きな会場で、たくさんの方をお呼びして、となると、私のキャパを越えてしまいます。あのくらいの規模がちょうどよかったというのも、本音です。でも、あの方もお呼びしたかったな。俳句以外の友人にも、主宰やみなさんの朗読を聴かせてあげたかったな、とは、思います。
録音すればよかった? いえいえ、私はそれに関しては、そうは思わないのです。あれは、生で聴いたからこそ、いいのです。
*一生忘れることはないでしょうが、記録という意味でも、書かせていただきました。
こんなことを書けるようになった。ということで完全復活かな?
森(針葉樹と広葉樹)