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◎2013年8月31日(土)─ハイトスさん、みー猫さんと
神子内林道ゲート前(7:00)……入渓(7:05)……再入渓(7:26)……尾根取り付き(11:11)……半月山駐車場(12:04~12:38)……尾根取り付き(13:31)……ゲート前駐車場(15:36)
土曜日は足尾の山のマニアックコースでも歩こうかと思っていたが、金曜日にハイトスさんから沢歩きのお誘いをいただいた。足尾の仁田元沢か黒沢。黒沢は「入門用の沢」とのことで、長時間の仁田元沢よりはこちらがいいだろうと、黒沢を選択させていただいた。みー猫さんの返答は「余力があったら行きたい」。みー猫さんは、金曜日にとんでもない山に行かれたようで、翌日に沢歩きをやっていたら、化け物の部類だろう。ななころびさんは先約ありでバツ。結局、ハイトスさんと2人になりそうだ。下調べで漠泉さんとヤマレコの記事を1件確認。どこが入門編なの?巻き巻きで入門編かいな。ちなみに、ハイトスさんのお師匠の著書には、黒沢は「1級」とある。失礼ながら、大御所の評価はあてにはしていない。なお、雪田爺さんの記事の「黒沢」は松木川の黒沢で、今回は神子内川支流の黒沢につき、参考にできなかった。よく探せばあったかも。
林道ゲート(とは言っても、国道に面している)7時集合で、余裕をもって向かったが、いつものようにトイレ立ち寄りで10分ロス。途中でハイトス号を抜き(車中でお食事中)、ゲートに到着。車が1台。入渓者がいるようだ。だが、見覚えのある車。みー猫さんだった。この方、やはり尋常な方ではない。昨日行った山が山だけに、ここに、この時間にいらっしゃるのには恐れ入る。しかし、我々に、そこまで気を遣わなくともいいのに…。
(神子内林道に入る)
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(入渓間もなく、ハイトスさんはスタスタと行ってしまう)
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(結局、入渓は早過ぎた。先の堰堤は越えられない。ここから橋まで上がることに)
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ハイトスさんが到着して出発。本日のコースは、黒沢右俣の遡行。ハイトスさんはさらに左俣下降が念頭にあるようだが、旧道を経由して神子内林道に出て、適当な尾根を下ることになるだろうというのが3人の暗黙の了解でもある。
林道を5分ほど歩き入渓。おとなしそうな沢。いやし系を期待する。正面に堰堤。巻いて越える。50cmほどの蛇を見た。鱗がなさそうなツルっとした感じの薄茶の蛇。何と言うのか。なおも行く。ハイトスさんは水を得た魚の如く、さっさと先行して軽やか。また堰堤。その手前の頭上に、橋が横切っている。どうも入渓が早過ぎたようだ。一旦、林道に上がる。ここで一汗かく。橋の手前の林道分岐を沢沿い右に向かい、再入渓。
(仕切り直しで6m斜瀑)
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(5m斜瀑)
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(水に潜む忍者)
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すぐに6m斜瀑(表記は漠泉さんの記事から盗用。以下同)に出た。ここは釜の端は浅く、ナメで登りやすそう。先行させていただく。引き続きハイトスさん、みー猫さん。ハイトスさんは手焼沢以来のためか、うっとりしながらの遡行。みー猫さんは余裕で、直立で登って来る。自分はかがんで、へっぴり腰で登ったような…。
ワイヤーの残骸を見たりして沢を遡上する。流木をくぐる。ハイトスさんからなおも離される。次は5m斜瀑。これも難なく通過。左に4m滝があったが、これをどう処理したかは記憶なし。大きめのヒキガエルをかなり見た。みー猫さんがブログで「忍者」と記されていた。言いえて妙だ。こんな感じの沢相が続くのなら、確かに入門編・1級かもしれない。滝度に楽しめる。が、そろそろ、ちょっとした刺激が欲しいところだ。
(堰堤施設?)
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(いやし系の趣もある)
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(10m直瀑が見えてきた)
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(右から登り詰めるお2人。いずれも、素手である。ハイトスさんはフィニッシュ部分で手間取っていた。10m滝とのことだが、180cm超のハイトスさんに比較するともっとありそう。)
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パイプを組んだ建造物が立ちはだかる。瀑泉さんによれば砂防堰堤らしい。下はコンクリート敷きで、くぐって通過できる。大石ゴロゴロになって、苔が出てきて、渓相が変わってきた。適当に越えたり、巻いたりする。沢遊びの楽しいところだ。そして、刺激を欲しがっていたところに10m直瀑。見た瞬間、自分には無理ダワとため息。右から登れそうにも見えるが、滑りそうで、ことに上部はヤバそうだ。じっと眺めていたハイトスさん、おもむろに右から取り付いた。眺めているだけで汗が出る。慎重に登って行った。そして、今度はみー猫さんが続いた。自ずとレベルの差がここに出てくる。こちらは、近づくことすらせず、巻き道を探した。左から行けそうだ。ハイトスさんはもう少しのところまで届いていた。
(巻き道から10m滝を眺める。ハイトスさんは登りきったかねぇ)
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(10m滝の落ち口)
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巻き道にはトラロープが付いていた。巻きの最高点から見下ろすと、なんと、みー猫さんまで撤退して(専門用語では「クライムダウン」と言うらしい)、自分とは反対側を巻いていた。そちらにもトラロープはあったようだ。滝の頭に出ると、ハイトスさんが落ち口を見下ろしている。ご無事でなにより。頭の平らなナメのところは一旦深く窪み、渦が巻いているようにも見える。大したものです、ハイトスさん。自分には真似できませんよ。絶対、セミになって、ハイトスさんの下ろすロープをじっと待っている図だろう。ちなみに、みー猫さん、上まで行ったはよかったが、手がかりに一寸届かずにクライムダウンとのこと。しかし、あんなところ、よく下れるものだと、みー猫さんにも感心しました。
(こんな、いい感じのが続く)
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(5m直瀑。これは全員巻く)
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(5m滝の上)
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やがて沢は左俣が分岐する。ちょっと休憩。お2人とも、10m直瀑の興奮が冷めやらない。こちらはあっさり巻きだったから、話に加われない状態。黒沢の右俣は、静かになったり、騒がしくなったりで、変化がついてきた。小滝も続く。釜が深くなければ登っていける。これくらいなら、自分にもできますよ。続いて5m直瀑。これは全員おとなしく巻く、そもそも釜が深そうだ。巻きはしっかりした踏み跡。5m滝の上に、3m滝が2段状に続いているのが見える。
<実は、ここからが長いのだが……>
(小休止の滝)
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(大滝前衛のすだれ状の滝)
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(続いて最下段10mS字滝。だろうか)
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(S字滝を登る。画像と通過滝に誤りはあるかも)
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また、沢の分岐。右はすぐに涸れ沢になりそうだ。これからも、分岐は続くが、水量の多い方が右俣本流とみて、遡上する。すだれ状の滝。あっさりと巻く。引き続きのすだれ滝(「大滝」の前衛の滝とのこと)。これは滑りもせずに登れる。先行したため、登って来る2人を見ていたが、下から見上げるのと違って、見下ろす方が高度感はたっぷりとある。その先は段になってS字のカーブになっている。下部はナメ(大滝最下段10mS字滝)。右が溝のようになっていて、上から溝を通って来た水が、このナメで広がっている。
(10mトイ状滝。この溝を登っていかないとダメなようだ)
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(苦闘して登るハイトスさんとたそがれオヤジ。みー猫さん提供)
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さて、上に向かうには、カーブして左に移動した溝を通って行かないといけない。直下までは何とか足を運んだが、かなりの水流が待っている(10mトイ状滝)。流されはしまいか。流されてしまったら、勢いで段打って、下にまで放り投げられかも。本来なら、この時点で、さっさと下に戻って、あるかないかの高巻きをしていればよかった。しかし、先が分からないから、怖さがない。ここまで来ていれば、巻きはあったっけ?といった状態。愚かにも挑戦してみた。水をもろにかぶった。不思議に滑らない。もう少しのところで動きが止まった。水流が強い。手探りで手がかりと足がかりを見つけて、グイッと腕力で登りきった。クリア。ほっとした。
しばらくボーっとしていたが、そういえば、すぐ下にいたハイトスさんが、溝からなかなか顔を出さない。動きが止まっているようだ。自分のことしか頭になかった。慌てて、ロープを下ろす。このロープ、例の、ホームセンターで買った30mものだが、ラベルが付いたままでザックに突っ込んでいたため、ラベル剥がしからといった手順になり、しかも、うまく解けず、塊ができた状態での投てきであった。近くに大石もあったので結わえることはできた。ハイトスさん、続いてみー猫さんが上がってきた。
(フィニッシュ。見た瞬間、楽勝と思いきや…)
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(みー猫さん踏ん張る。もう一歩が進めず)
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ここで一安心はした。目の前に、引き続き大きな壁のような滝(最後部の10mナメ滝)が流れているが、ここはあっさりのような気がした。一歩、踏み込んだ。そして数歩。続かない。先には行けなかった。セミになる前に下りる。3人とも、同じようなことをした。みー猫さんは、左から行こうとしたが手がかりなし。ここは、だれかが先に行き、ロープを下ろすしかないんじゃないのか。滝の直登が無理なら、右の岩壁をよじ登って、巻いて頭に出るしかあるまい。こういうパターンになれば、みー猫さんしか適任者はいない。岩壁に取り付く。しかし、そのまま固まった。もう一歩が出ないようだ。これもダメ。それぞれに、直登を再挑戦してみる。
(ハイトスさんはうまく下ったが、たそがれオヤジは、この直後に右手の溝をウォータースライダー。みー猫さん提供。同じ滝とは思えない)
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さっきより先にまでは行ったが、やはりダメだった。上にも行けず、下れもしない。半セミ状態。この場を乗り切ろうと、足を下げたら滑った。危ない、危ない。身体を反転させ、尻滑りで下ろうと考えた。いかにも素人っぽい発想だ。尻滑りした途端に、右の溝に落ちてしまった。悲鳴を上げた。流された。ほんの数秒の間ながらも、流されながら、意識が薄れてこのまま逝ってしまうんだろうなと思った。できれば、これから起きる強烈な痛みは感じないで逝きたいものだと願った。ところが、ドボーンと止まった。腰程度の深さだった。起き上がった。どこにも痛みはなかった。バイオレンスなウォータースライダーを体験した。果たして生きていたかといった感慨だ。ハイトスさんは、自分の悲鳴を聞き、この辺はヘリコプターも呼べないだろうと瞬時に思ったらしい。
戦線に復帰した。こうなると戦いでしかなくなる。最後の挑戦とばかりに、首にロープを巻いてコケの付いた左寄りに登ってみた。行けそうだ。ゆっくりゆっくり、気持ちはブルブルと震えている。頭に到達した。何とか、うまく登れた。回収したロープを大石に巻き、急いでロープを下ろそうとしたが、さっき使った後に、いい加減に束ねたせいか、塊がさらに複雑になって大きな団子になっていた。2人を早いとこ救助せにゃならんと、気持ちが焦る。さらに手こずる。すぐ下にいるみー猫さんにさっさと上がって手伝いに来て欲しいところだが、それができないからこうして一人でドタバタしている。仕方ない。ロープが不揃いのままで登って来てもらうしかあるまい。ロープの片方の先端は団子の中に埋没し、解けてしまったらアウトだ。そうならないことを祈るだけ。投てき。
みー猫さん、ハイトスさんと続いて上がってきた。なぜか、ロープは4股くらいになっていた。この、すだれ滝から続く一連の大滝の通過に40分もかけた。もう、これだけで腹いっぱい。ゲップが出る。もう帰りたくなった。先で休憩。後になって、ロープの話になった。みー猫さんから聞かれた。「強度はどうなの?」と。そんなことはからきし無頓着であった。ラベルに馬の写真が載っているくらいだから、牧場使用向けのものだろう。カウボーイ用か?その辺のトラロープと同程度かと思う。
(大難を通過し、しばらくは、まさに消化試合のような風景が続く)
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(その2)
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(次第に水も少なくなる)
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(遊びもここまでか)
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(この辺から伏流に)
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沢はまだ続いている。小滝も続く。大きな滝には出会わないが、お2人とも、10m滝が先にあるはずだとのこと。それは巻けるらしい。しかし、簡単に越えられる小滝以外はなかった。分岐をいくつか過ぎ、次第に水が少なくなった。左に、炭焼き跡と思われる石積みを見る。やがて、水は伏流になってしまった。この辺になると、沢は荒れてきて、ドラム缶が放置されていたりしている。半月山道路から転がってきたのかね。10m滝もなく、ヤマレコ記事で見た取水小屋も見つからず。ここは別の分岐沢だろう。みー猫さんは器用にもカモシカを発見。こちらは気づかなかった。写真を見せていただいたが、子供のようだった。
(尾根に取り付く)
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(尾根上の踏み跡だかシカ道。ここはまだ足尾エリア)
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(結構、急な笹斜面)
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(半月山道路に出た)
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(黒沢を見下ろす)
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(駐車場)
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この辺から尾根に取り付く。目指すは半月山道路。みー猫さんと自分は山靴に履き替えるが、ハイトスさんは、その準備なし。このままで登るしかないようだ。案の定、尾根に取り付くと、沢靴のハイトスさんは最後まで滑りまくりで、遅れがちになってしまった。
尾根には踏み跡だかシカ道が付いているが、ササが出てくると不明。急な斜面を登りつめると、ようやく、上が開け、半月山道路のカーブに出た。黒沢方面を見下ろす。沢は見えないが、窪みがずっと続いている。駐車場には、車が5~6台。定期バスも停まっている。発車するところだ。足尾行だったらなぁ。ガスで展望は悪く、半月山が見えるだけ。半月山登頂の希望者はだれもいず、駐車場の中の石のベンチで休憩し、ランチとした。うっすらと青空が覗くこともあるが、至って曇りだ。半月山の展望台に行ったとて、中禅寺湖しか見えないのではないのか。
(半紅葉?1/4?)
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(しっかりした道が続く。石垣もあったりで、まさに深沢からの延長だ)
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(林道終点に到着)
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フェンスを跨いで、足尾方面に向かう。足元には、おあつらえ向きに、踏み石が置かれている。途中から右に折れる。ハイトスさんは、以前、直進して、沢に下ってしまったとか。さて、まだ8月の最終日ながらも、色づきの気配を感じる。半分、赤のついたモミジを数本見かけた。朝の冷え込みは確実にあるのだろう。右から本来の足尾道が合流し、しっかりした踏み跡になった。マークもある。以前、ここを歩いたことは何度かあるが、ずっと尾根通しの歩きだった。この旧道を歩いたことは初めてかもしれない。ずっとピークを巻いて付けられている。これはストレスなしで歩ける。
ガレ場に出て、駐車場を振り返る。余裕ができたせいか、みー猫さんに、昨日の山行の様子を伺う。常人ではとても歩いてみようなんて考えもしない山。しかも11時間とは驚きだ。自分なら、15時間はかかるだろう。それ以前に、避難小屋泊まりにしないと無理な話だ。伺うだけにとどめておこう。
神子内林道の終点に到着。いつの間にか、黒沢左俣の源頭を見逃してしまったようだ。確認だけはするつもりでいたのだが。確認をしたとて、3人ともに、当分は沢は結構ですといった心境でもある。ゲップがまだ止まらない。天空の回廊からの景色は今いち。晴れてはいても、ガスですっきりしない。大平山すら見えないままだ。反対側はよく見える。正面の遠くに見える高い山は地蔵岳(足尾と鹿沼境の方の)ではないだろうか。横根山周辺や電波塔も見える。
(左が尾根になっていて、これに上がる)
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(東雲山の山名板。この先の小ピークも山名があるかと思ったが、これだけだった)
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(これから下る尾根)
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林道を少し歩き、そのショートカットをする意味で尾根に入る。林道から尾根に取り付くには、すぐ、左斜面に上がればいいだけのことだが、斜面にネットが敷かれていて、簡単には這い上がれなかった。すぐのピークというか標高点1401mには「東雲山」の山名板があった。そして、足元には、<34 35>の数字が貼られた杭。これは何だろうか。
(踏み跡は、どう見ても人間の手のものだった)
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(林道に接する尾根末端。これではストレートに下れない)
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実に不思議な尾根だった。背丈のヤブが続くのに、ところどころに踏み跡以上の小道があったりする。それが忽然と消える。道は尾根伝いにある。作業道だろう。ピークは巻いているし、別の方向に行ったりもする。ここは、黒沢左俣に誘われないように注意する。また、沢に出て、下るようになるのはゴメン願いたい。伐採地や植林の中も通った。やがて、木に赤いペンキが続く。ハイトスさんは相変わらず滑ってお気の毒。細かい木の枝がうっとうしくなる。きっと、最近は、だれも歩いていないのではないか。
できるだけ早めに林道に降りたい気分が先行して、尾根の方向を変える。このまま行けば林道のはず。ところが、下に林道が見え出すと、太いワイヤーが巻かれているのが目についた。もしかして、法面状になって、フェンスがあるんじゃないのか。ここまで来て、金網デスマッチだけは避けたい。しかし避けられそうにもない。尾根の先端部を境に、みー猫さんとハイトスさんは左を下った。こちらは、右に降りてみた。運よく、フェンスが切れているところで、太いワイヤーをつかみながら下れた。尾根を回り込むと、お2人ともに無事に着地。木を伝って下りたようだ。
(林道をダラダラと歩く。大分暑くなってきている)
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あとは、林道をテクテクと歩く。ショートカットはできそうだが、どうもその気になれない。沢音が近づいてくる。不思議に、今日はセミの声を聞かなかった。セミは3匹ともに大滝の途中で動けずのままかも。そういえば、ぎりぎりの課題がまだ残っていた。それは、ハイトスさんの沐浴場。あのウルトラマン泳ぎをもう一度だ。堰堤の下に手ごろな淀みを見つけたが、ご当人が、お疲れのご様子で今ひとつのご気分のようだ。まして、衣類も、完全に乾いてしまっているとのこと。今日は見送り。もしかして、本ブログの手焼沢編にさらされて、おKさんにこっぴどく叱責を受けたとか…。だとすれば、失礼なことをしてしまった。
(林道ゲートに到着。長かった)
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駐車場に到着。8時間半の歩きか。長かった。左俣を下降したら、おそらく、まだ、この場にはいなかったかも。お疲れさんでした。着替えをしたら、左肘にかなりのキズと打ち身が赤く出ていた。恐怖のウォータースライダーを体験した立場からは、もう、しばらくは沢も結構ですといった心境だ。このままの暑さが続かないことを祈る限りである。暑さが続けば、またその気も変わるというものだ。
※冒頭の写真はみー猫さん提供。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
神子内林道ゲート前(7:00)……入渓(7:05)……再入渓(7:26)……尾根取り付き(11:11)……半月山駐車場(12:04~12:38)……尾根取り付き(13:31)……ゲート前駐車場(15:36)
土曜日は足尾の山のマニアックコースでも歩こうかと思っていたが、金曜日にハイトスさんから沢歩きのお誘いをいただいた。足尾の仁田元沢か黒沢。黒沢は「入門用の沢」とのことで、長時間の仁田元沢よりはこちらがいいだろうと、黒沢を選択させていただいた。みー猫さんの返答は「余力があったら行きたい」。みー猫さんは、金曜日にとんでもない山に行かれたようで、翌日に沢歩きをやっていたら、化け物の部類だろう。ななころびさんは先約ありでバツ。結局、ハイトスさんと2人になりそうだ。下調べで漠泉さんとヤマレコの記事を1件確認。どこが入門編なの?巻き巻きで入門編かいな。ちなみに、ハイトスさんのお師匠の著書には、黒沢は「1級」とある。失礼ながら、大御所の評価はあてにはしていない。なお、雪田爺さんの記事の「黒沢」は松木川の黒沢で、今回は神子内川支流の黒沢につき、参考にできなかった。よく探せばあったかも。
林道ゲート(とは言っても、国道に面している)7時集合で、余裕をもって向かったが、いつものようにトイレ立ち寄りで10分ロス。途中でハイトス号を抜き(車中でお食事中)、ゲートに到着。車が1台。入渓者がいるようだ。だが、見覚えのある車。みー猫さんだった。この方、やはり尋常な方ではない。昨日行った山が山だけに、ここに、この時間にいらっしゃるのには恐れ入る。しかし、我々に、そこまで気を遣わなくともいいのに…。
(神子内林道に入る)
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(入渓間もなく、ハイトスさんはスタスタと行ってしまう)
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(結局、入渓は早過ぎた。先の堰堤は越えられない。ここから橋まで上がることに)
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ハイトスさんが到着して出発。本日のコースは、黒沢右俣の遡行。ハイトスさんはさらに左俣下降が念頭にあるようだが、旧道を経由して神子内林道に出て、適当な尾根を下ることになるだろうというのが3人の暗黙の了解でもある。
林道を5分ほど歩き入渓。おとなしそうな沢。いやし系を期待する。正面に堰堤。巻いて越える。50cmほどの蛇を見た。鱗がなさそうなツルっとした感じの薄茶の蛇。何と言うのか。なおも行く。ハイトスさんは水を得た魚の如く、さっさと先行して軽やか。また堰堤。その手前の頭上に、橋が横切っている。どうも入渓が早過ぎたようだ。一旦、林道に上がる。ここで一汗かく。橋の手前の林道分岐を沢沿い右に向かい、再入渓。
(仕切り直しで6m斜瀑)
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(5m斜瀑)
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(水に潜む忍者)
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すぐに6m斜瀑(表記は漠泉さんの記事から盗用。以下同)に出た。ここは釜の端は浅く、ナメで登りやすそう。先行させていただく。引き続きハイトスさん、みー猫さん。ハイトスさんは手焼沢以来のためか、うっとりしながらの遡行。みー猫さんは余裕で、直立で登って来る。自分はかがんで、へっぴり腰で登ったような…。
ワイヤーの残骸を見たりして沢を遡上する。流木をくぐる。ハイトスさんからなおも離される。次は5m斜瀑。これも難なく通過。左に4m滝があったが、これをどう処理したかは記憶なし。大きめのヒキガエルをかなり見た。みー猫さんがブログで「忍者」と記されていた。言いえて妙だ。こんな感じの沢相が続くのなら、確かに入門編・1級かもしれない。滝度に楽しめる。が、そろそろ、ちょっとした刺激が欲しいところだ。
(堰堤施設?)
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(いやし系の趣もある)
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(10m直瀑が見えてきた)
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(右から登り詰めるお2人。いずれも、素手である。ハイトスさんはフィニッシュ部分で手間取っていた。10m滝とのことだが、180cm超のハイトスさんに比較するともっとありそう。)
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パイプを組んだ建造物が立ちはだかる。瀑泉さんによれば砂防堰堤らしい。下はコンクリート敷きで、くぐって通過できる。大石ゴロゴロになって、苔が出てきて、渓相が変わってきた。適当に越えたり、巻いたりする。沢遊びの楽しいところだ。そして、刺激を欲しがっていたところに10m直瀑。見た瞬間、自分には無理ダワとため息。右から登れそうにも見えるが、滑りそうで、ことに上部はヤバそうだ。じっと眺めていたハイトスさん、おもむろに右から取り付いた。眺めているだけで汗が出る。慎重に登って行った。そして、今度はみー猫さんが続いた。自ずとレベルの差がここに出てくる。こちらは、近づくことすらせず、巻き道を探した。左から行けそうだ。ハイトスさんはもう少しのところまで届いていた。
(巻き道から10m滝を眺める。ハイトスさんは登りきったかねぇ)
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(10m滝の落ち口)
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巻き道にはトラロープが付いていた。巻きの最高点から見下ろすと、なんと、みー猫さんまで撤退して(専門用語では「クライムダウン」と言うらしい)、自分とは反対側を巻いていた。そちらにもトラロープはあったようだ。滝の頭に出ると、ハイトスさんが落ち口を見下ろしている。ご無事でなにより。頭の平らなナメのところは一旦深く窪み、渦が巻いているようにも見える。大したものです、ハイトスさん。自分には真似できませんよ。絶対、セミになって、ハイトスさんの下ろすロープをじっと待っている図だろう。ちなみに、みー猫さん、上まで行ったはよかったが、手がかりに一寸届かずにクライムダウンとのこと。しかし、あんなところ、よく下れるものだと、みー猫さんにも感心しました。
(こんな、いい感じのが続く)
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(5m直瀑。これは全員巻く)
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(5m滝の上)
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やがて沢は左俣が分岐する。ちょっと休憩。お2人とも、10m直瀑の興奮が冷めやらない。こちらはあっさり巻きだったから、話に加われない状態。黒沢の右俣は、静かになったり、騒がしくなったりで、変化がついてきた。小滝も続く。釜が深くなければ登っていける。これくらいなら、自分にもできますよ。続いて5m直瀑。これは全員おとなしく巻く、そもそも釜が深そうだ。巻きはしっかりした踏み跡。5m滝の上に、3m滝が2段状に続いているのが見える。
<実は、ここからが長いのだが……>
(小休止の滝)
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(大滝前衛のすだれ状の滝)
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(続いて最下段10mS字滝。だろうか)
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(S字滝を登る。画像と通過滝に誤りはあるかも)
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また、沢の分岐。右はすぐに涸れ沢になりそうだ。これからも、分岐は続くが、水量の多い方が右俣本流とみて、遡上する。すだれ状の滝。あっさりと巻く。引き続きのすだれ滝(「大滝」の前衛の滝とのこと)。これは滑りもせずに登れる。先行したため、登って来る2人を見ていたが、下から見上げるのと違って、見下ろす方が高度感はたっぷりとある。その先は段になってS字のカーブになっている。下部はナメ(大滝最下段10mS字滝)。右が溝のようになっていて、上から溝を通って来た水が、このナメで広がっている。
(10mトイ状滝。この溝を登っていかないとダメなようだ)
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(苦闘して登るハイトスさんとたそがれオヤジ。みー猫さん提供)
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さて、上に向かうには、カーブして左に移動した溝を通って行かないといけない。直下までは何とか足を運んだが、かなりの水流が待っている(10mトイ状滝)。流されはしまいか。流されてしまったら、勢いで段打って、下にまで放り投げられかも。本来なら、この時点で、さっさと下に戻って、あるかないかの高巻きをしていればよかった。しかし、先が分からないから、怖さがない。ここまで来ていれば、巻きはあったっけ?といった状態。愚かにも挑戦してみた。水をもろにかぶった。不思議に滑らない。もう少しのところで動きが止まった。水流が強い。手探りで手がかりと足がかりを見つけて、グイッと腕力で登りきった。クリア。ほっとした。
しばらくボーっとしていたが、そういえば、すぐ下にいたハイトスさんが、溝からなかなか顔を出さない。動きが止まっているようだ。自分のことしか頭になかった。慌てて、ロープを下ろす。このロープ、例の、ホームセンターで買った30mものだが、ラベルが付いたままでザックに突っ込んでいたため、ラベル剥がしからといった手順になり、しかも、うまく解けず、塊ができた状態での投てきであった。近くに大石もあったので結わえることはできた。ハイトスさん、続いてみー猫さんが上がってきた。
(フィニッシュ。見た瞬間、楽勝と思いきや…)
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(みー猫さん踏ん張る。もう一歩が進めず)
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ここで一安心はした。目の前に、引き続き大きな壁のような滝(最後部の10mナメ滝)が流れているが、ここはあっさりのような気がした。一歩、踏み込んだ。そして数歩。続かない。先には行けなかった。セミになる前に下りる。3人とも、同じようなことをした。みー猫さんは、左から行こうとしたが手がかりなし。ここは、だれかが先に行き、ロープを下ろすしかないんじゃないのか。滝の直登が無理なら、右の岩壁をよじ登って、巻いて頭に出るしかあるまい。こういうパターンになれば、みー猫さんしか適任者はいない。岩壁に取り付く。しかし、そのまま固まった。もう一歩が出ないようだ。これもダメ。それぞれに、直登を再挑戦してみる。
(ハイトスさんはうまく下ったが、たそがれオヤジは、この直後に右手の溝をウォータースライダー。みー猫さん提供。同じ滝とは思えない)
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さっきより先にまでは行ったが、やはりダメだった。上にも行けず、下れもしない。半セミ状態。この場を乗り切ろうと、足を下げたら滑った。危ない、危ない。身体を反転させ、尻滑りで下ろうと考えた。いかにも素人っぽい発想だ。尻滑りした途端に、右の溝に落ちてしまった。悲鳴を上げた。流された。ほんの数秒の間ながらも、流されながら、意識が薄れてこのまま逝ってしまうんだろうなと思った。できれば、これから起きる強烈な痛みは感じないで逝きたいものだと願った。ところが、ドボーンと止まった。腰程度の深さだった。起き上がった。どこにも痛みはなかった。バイオレンスなウォータースライダーを体験した。果たして生きていたかといった感慨だ。ハイトスさんは、自分の悲鳴を聞き、この辺はヘリコプターも呼べないだろうと瞬時に思ったらしい。
戦線に復帰した。こうなると戦いでしかなくなる。最後の挑戦とばかりに、首にロープを巻いてコケの付いた左寄りに登ってみた。行けそうだ。ゆっくりゆっくり、気持ちはブルブルと震えている。頭に到達した。何とか、うまく登れた。回収したロープを大石に巻き、急いでロープを下ろそうとしたが、さっき使った後に、いい加減に束ねたせいか、塊がさらに複雑になって大きな団子になっていた。2人を早いとこ救助せにゃならんと、気持ちが焦る。さらに手こずる。すぐ下にいるみー猫さんにさっさと上がって手伝いに来て欲しいところだが、それができないからこうして一人でドタバタしている。仕方ない。ロープが不揃いのままで登って来てもらうしかあるまい。ロープの片方の先端は団子の中に埋没し、解けてしまったらアウトだ。そうならないことを祈るだけ。投てき。
みー猫さん、ハイトスさんと続いて上がってきた。なぜか、ロープは4股くらいになっていた。この、すだれ滝から続く一連の大滝の通過に40分もかけた。もう、これだけで腹いっぱい。ゲップが出る。もう帰りたくなった。先で休憩。後になって、ロープの話になった。みー猫さんから聞かれた。「強度はどうなの?」と。そんなことはからきし無頓着であった。ラベルに馬の写真が載っているくらいだから、牧場使用向けのものだろう。カウボーイ用か?その辺のトラロープと同程度かと思う。
(大難を通過し、しばらくは、まさに消化試合のような風景が続く)
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(その2)
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(次第に水も少なくなる)
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(遊びもここまでか)
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(この辺から伏流に)
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沢はまだ続いている。小滝も続く。大きな滝には出会わないが、お2人とも、10m滝が先にあるはずだとのこと。それは巻けるらしい。しかし、簡単に越えられる小滝以外はなかった。分岐をいくつか過ぎ、次第に水が少なくなった。左に、炭焼き跡と思われる石積みを見る。やがて、水は伏流になってしまった。この辺になると、沢は荒れてきて、ドラム缶が放置されていたりしている。半月山道路から転がってきたのかね。10m滝もなく、ヤマレコ記事で見た取水小屋も見つからず。ここは別の分岐沢だろう。みー猫さんは器用にもカモシカを発見。こちらは気づかなかった。写真を見せていただいたが、子供のようだった。
(尾根に取り付く)
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(尾根上の踏み跡だかシカ道。ここはまだ足尾エリア)
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(結構、急な笹斜面)
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(半月山道路に出た)
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(黒沢を見下ろす)
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(駐車場)
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この辺から尾根に取り付く。目指すは半月山道路。みー猫さんと自分は山靴に履き替えるが、ハイトスさんは、その準備なし。このままで登るしかないようだ。案の定、尾根に取り付くと、沢靴のハイトスさんは最後まで滑りまくりで、遅れがちになってしまった。
尾根には踏み跡だかシカ道が付いているが、ササが出てくると不明。急な斜面を登りつめると、ようやく、上が開け、半月山道路のカーブに出た。黒沢方面を見下ろす。沢は見えないが、窪みがずっと続いている。駐車場には、車が5~6台。定期バスも停まっている。発車するところだ。足尾行だったらなぁ。ガスで展望は悪く、半月山が見えるだけ。半月山登頂の希望者はだれもいず、駐車場の中の石のベンチで休憩し、ランチとした。うっすらと青空が覗くこともあるが、至って曇りだ。半月山の展望台に行ったとて、中禅寺湖しか見えないのではないのか。
(半紅葉?1/4?)
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(しっかりした道が続く。石垣もあったりで、まさに深沢からの延長だ)
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(林道終点に到着)
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フェンスを跨いで、足尾方面に向かう。足元には、おあつらえ向きに、踏み石が置かれている。途中から右に折れる。ハイトスさんは、以前、直進して、沢に下ってしまったとか。さて、まだ8月の最終日ながらも、色づきの気配を感じる。半分、赤のついたモミジを数本見かけた。朝の冷え込みは確実にあるのだろう。右から本来の足尾道が合流し、しっかりした踏み跡になった。マークもある。以前、ここを歩いたことは何度かあるが、ずっと尾根通しの歩きだった。この旧道を歩いたことは初めてかもしれない。ずっとピークを巻いて付けられている。これはストレスなしで歩ける。
ガレ場に出て、駐車場を振り返る。余裕ができたせいか、みー猫さんに、昨日の山行の様子を伺う。常人ではとても歩いてみようなんて考えもしない山。しかも11時間とは驚きだ。自分なら、15時間はかかるだろう。それ以前に、避難小屋泊まりにしないと無理な話だ。伺うだけにとどめておこう。
神子内林道の終点に到着。いつの間にか、黒沢左俣の源頭を見逃してしまったようだ。確認だけはするつもりでいたのだが。確認をしたとて、3人ともに、当分は沢は結構ですといった心境でもある。ゲップがまだ止まらない。天空の回廊からの景色は今いち。晴れてはいても、ガスですっきりしない。大平山すら見えないままだ。反対側はよく見える。正面の遠くに見える高い山は地蔵岳(足尾と鹿沼境の方の)ではないだろうか。横根山周辺や電波塔も見える。
(左が尾根になっていて、これに上がる)
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(東雲山の山名板。この先の小ピークも山名があるかと思ったが、これだけだった)
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(これから下る尾根)
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林道を少し歩き、そのショートカットをする意味で尾根に入る。林道から尾根に取り付くには、すぐ、左斜面に上がればいいだけのことだが、斜面にネットが敷かれていて、簡単には這い上がれなかった。すぐのピークというか標高点1401mには「東雲山」の山名板があった。そして、足元には、<34 35>の数字が貼られた杭。これは何だろうか。
(踏み跡は、どう見ても人間の手のものだった)
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(林道に接する尾根末端。これではストレートに下れない)
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実に不思議な尾根だった。背丈のヤブが続くのに、ところどころに踏み跡以上の小道があったりする。それが忽然と消える。道は尾根伝いにある。作業道だろう。ピークは巻いているし、別の方向に行ったりもする。ここは、黒沢左俣に誘われないように注意する。また、沢に出て、下るようになるのはゴメン願いたい。伐採地や植林の中も通った。やがて、木に赤いペンキが続く。ハイトスさんは相変わらず滑ってお気の毒。細かい木の枝がうっとうしくなる。きっと、最近は、だれも歩いていないのではないか。
できるだけ早めに林道に降りたい気分が先行して、尾根の方向を変える。このまま行けば林道のはず。ところが、下に林道が見え出すと、太いワイヤーが巻かれているのが目についた。もしかして、法面状になって、フェンスがあるんじゃないのか。ここまで来て、金網デスマッチだけは避けたい。しかし避けられそうにもない。尾根の先端部を境に、みー猫さんとハイトスさんは左を下った。こちらは、右に降りてみた。運よく、フェンスが切れているところで、太いワイヤーをつかみながら下れた。尾根を回り込むと、お2人ともに無事に着地。木を伝って下りたようだ。
(林道をダラダラと歩く。大分暑くなってきている)
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あとは、林道をテクテクと歩く。ショートカットはできそうだが、どうもその気になれない。沢音が近づいてくる。不思議に、今日はセミの声を聞かなかった。セミは3匹ともに大滝の途中で動けずのままかも。そういえば、ぎりぎりの課題がまだ残っていた。それは、ハイトスさんの沐浴場。あのウルトラマン泳ぎをもう一度だ。堰堤の下に手ごろな淀みを見つけたが、ご当人が、お疲れのご様子で今ひとつのご気分のようだ。まして、衣類も、完全に乾いてしまっているとのこと。今日は見送り。もしかして、本ブログの手焼沢編にさらされて、おKさんにこっぴどく叱責を受けたとか…。だとすれば、失礼なことをしてしまった。
(林道ゲートに到着。長かった)
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駐車場に到着。8時間半の歩きか。長かった。左俣を下降したら、おそらく、まだ、この場にはいなかったかも。お疲れさんでした。着替えをしたら、左肘にかなりのキズと打ち身が赤く出ていた。恐怖のウォータースライダーを体験した立場からは、もう、しばらくは沢も結構ですといった心境だ。このままの暑さが続かないことを祈る限りである。暑さが続けば、またその気も変わるというものだ。
※冒頭の写真はみー猫さん提供。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
正直のところ、我々もまた、怖い思いをしたくて行ったわけではなく、結果的にそうなっていっただけのことではあるのですが、結局、問題は歩き方なんでしょう。
今のところ、怖いもの見たさといった感覚はどうしても先行してしまいますが、次第に、自分なりの安全な歩き方というのが、今回のことで体得しつつあります。
癒し系と一概には言っても、実は癒しだけが続く沢は変化がなくて、数時間で飽きてしまいそうです。ただ、今回のようなことをやると、癒しの沢もそうではなくなるといったところなのですが、適度な沢の選択、遊び方次第なのでしょうね。
あたり前のことですが。
でも、皆さんの記事を見て、行けなくてよかった、と内心思っている自分と、あれを体験できた3人は羨ましい自分がいます。
ハイトスさんの記事をみると、たそがれさんの滑り落ち、危機一髪だったようで、ご無事で(ご無事でもないか?)なによりです。
今回の記事で、私は少し沢をやるのが、怖い気分が出てきています。もうちょっと癒し系の沢で、お誘いください。
やはり、沢のレベルというのは、やばいところは巻いた場合の級位ですか。こんなのが1級なら、2級レベルではどんな状態になっていたことやら。
黒沢もいやし系に近い沢とはいえ、遡行の仕方が荒削りで、かなり派手な沢歩きになってしまいましたよ。自分の趣向性からどんどん離れていくのが不安になってきています。
元々、瀑泉さんのヒノキガターの滝の記事なんかを拝見し、こういった、地味な滝見もいいものだなと思っていたのですがね。どうもかけ離れてきております。
沢歩きに関しては、秋に向けて、ひねくり部分を軌道修正いたしますよ。紅葉と滝の組み合わせなんかいいじゃないですか。これも、滝見に徹しての話ですよね。
左俣の情報ありがとうございます。その、一見の価値のある15m滝と石橋を訪ねに、いずれは行って見てきます。今度は、ロープもヘルメットもなしで行くことになるでしょうか。なまじ、そんなものがあると、その気になってしまいますので。何をするか予測もつかなくて恐くて…。
ちなみに,左俣は,右俣ほどの楽しみはありません。15m大滝と石橋は一見の価値ありですが,沢自体は断然右俣の方が楽しめまヨ。
確かに、一つ間違えばの世界でしたね。いい体験になりましたよ。あれで、少なくとも、沢の客観レベルはあてにならないこと、巻けるところは無難に巻く、巻けなかったらそれ以上進まない、そして、複数で行くものだということを知りました。
ハイトスさんの打撲、結構なものだったのですね。最後まで痛みが続いていたようでしたから、相当に打ったんだなと思ってはいましたが…。
ケガと呼べるかどうか、腕の打撲とかすりキズはたいしたものではありません。沢に行くと、必ずキズを負って帰ってくるものなのですねぇ。笑いごとではありませんが、この年で身体も持ちませんよ。
岩場での落ち方、素人じみて、腰滑りで下ろうとしたスタイルが幸いしたのでしょうか。そのままスポッと溝にうまくはまりましたからね。
でも、これ以上は…といった率直な今の気持ちでもあります。
相変わらず記事のアップが早かったですね。
自分は今ほどやっと記事をアップしたところです。
今回写真の選別にヤケに時間を食われてしまいました。
結果としてあの連瀑帯を越えたのは達成感がありますが、一つ間違えばといつも言っていることがより身近に感じちゃいましたね。
ところで自分は浮き石でこけた時に打った太股が直径10cmほどの内出血で黒くなってしまいました。
たそがれさんは結局腕以外は怪我はどうだったのですか。
下手すりゃ自分の方が酷い?
岩場であの落ち方で擦り傷程度とは神がかりですよ。ホント。
いやいや、みー猫さんのタフネスぶりには舌を巻いております。記事もたまって大変かと。
そうですね。癒し系という言葉ほど、アバウトでデンジャラスなものはないというのが最近の実感です。癒し過ぎれば退屈にもなるし、ちょっとした変化が加われば、巻き巻きから離れて直登を試みようとして危うくなる。
今のところ、私には、天女滝の手前の黒岩滝まであたりが、自分に見合った癒し系と思っておりますよ。やさしげな変化も随所にあったし。
左俣の件ですか。今日時点で、興味のあるのはアーチ橋だけです。橋があるということは、道があったということでもあるし、その辺の探索なんぞ…。苦しい言い訳でしょうか。
たいへん、たいへんお疲れ様でした。
あの微妙な感覚は、沢ならではかも知れませんが、とっさの対応で、危険回避なされたのはやはりたそがれさんだったからと思っております。自分なんぞ後をついてっただけでした(笑)・・前座10mも最後でふんぎれなくて戻りましたし・・癒し系というのに惑わされず、楽しんでやりたいものですね・・・早速左俣ですね。自分だったら毎夜うなされそうですが何より。流石です。
今回の大滝での一連のドラマは、二段目から三段目にかけての、高い場所を舞台にしてやっていたのですが、改めて考えてみると、怖いことをやっていますよね。演じる者は、バイタリティなんぞなく、その場限りの対応をしただけで、滝に流されて度胸がすわったといった程度のものです。
自分が参加したから、集中式に記してはいますが、その前座となる10m滝の直登なんか、私はボイコットしておりますから、そちらの方がむしろ壮絶なものがあるかもしれませんよ。ハイトスさんの記述に期待したいところです。
さて、雪田爺さんの過去歴、地形図を見ながら追いましたが、えらくややこしい歩きをされたようですね。??だらけで、よく把握できません。
左俣のアーチ状の橋の件、下調べで知っています。あれ、かなり興味があります。あれだけでも見に行く価値があるかなとも思っています。その際は、当然、直登回避ですよ。
我々、「いよいよ大滝に突入だ」なんてイメージなく、淡々と向かっていました。ああ滝が出てきたといった程度の感覚です。ですから、少なくとも、私の目には、巻道のルート案内は、恥ずかしながら気づきませんでしたね。
それにしても、普段から岩と崖で鍛えているから”駄目元じゃ さー、行ってみよう”というバイタリティ(&怖い物知らずってか)が富士の湧き水の如く感じられます.
普通、滑り落ちたら身体がガクガクして先へは進めない心折れ持ちになると思いますよ.
あ!決して次だね~と煽っている訳ではありません(笑)
因みに、私の場合ですが.3度行ってます.一度目は、はなっから沢を間違え衝撃的な出合い.
2度目は3月で例の大滝は凍っていました.この時は1434Pの北西鞍部に詰め、トラバースを繰り返して1452Pの西北の鞍部を回り込み黒沢の左俣に下りようとしたのですが、どういう訳か右俣の枝沢(1452P)から南尾根の東の沢(あーややこしい(笑))を下降してました.
10m滝上の二俣まで戻り、左俣の大滝迄行ってます.
当時はGPSがなく、勘も悪いし地形図と地形を読むのが下手でしたから、、、毎回良く帰ってこれたと思っています.
3度目は左俣だけ.アーチ状の橋(?)、壊れてますが印象的でしたよ.
又、私は滝写真屋で沢屋ではないのでちょっとした滝は全て巻きます.
右俣大滝は、左岸壁にペンキで巻道の指示描きがあるんですよ.今もあるのかな? 長々とごめんなさい.
まぁ、どうなることやらとおっしゃられても、こうして五体満足に生き延びて、せっせとブログを作っている状態ですから、たいしたことはないんだといった前提でお読みください。
帰らぬ人になっていたら、ブログも未完どころか作れぬままになっているわけですから。
でんさんのコメントを拝見し、肝心なことを書き忘れていたことに気づきました。
沢は涼しいといったイメージがあるのですが、今回の黒沢、前回の笹ミキ沢と、どうも風通しはよろしくない沢でしたね。むしろ、半月山道路に出て歩いていた時の方が涼しく感じました。
そういった意味も含め、そろそろ懲りはじめに向かいつつありますよ。尾根筋には、紅葉の気配がありありでしたしね。
地図を見て「こんなところを詰めちゃうんだぁ~」と言うのが感想です。
けっこう複雑な地形をしてますよね。
それが故に滝もあるということですか。
恐怖のウォータースライダー、たいしたケガもなくよかったです。
読んでいてどうなることかと思いました(^^;)
また暑くなれば・・・懲りないですね(笑)
それだけ魅力あるものなのですね。