![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/fb/57b65c883249f23f732a6c427d602070.jpg)
◎2014年11月7日(金)
銅親水公園駐車場(6:01)……林道ゲート(6:38)……6号堰堤(7:43)……小足沢出合い(7:50)……取り付く(8:03)……小足沢右岸尾根に乗る(9:04)……1269m標高点(9:37)……右岸尾根離れる(9:53)……大ナラキ沢左岸尾根合流・標高1390m地点(10:20)……松木川出合い(10:58)……林道ゲート(12:47)……「みちくさ」ベンチで昼食(12:54~13:10)……銅親水公園駐車場(13:36)
今日は夕方から用事があったので休暇にした。3時半には家に帰っていたい。時間の制限もあるが、先々週に失敗した小足沢の右岸尾根に改めて取り付いてみることにした。格好つければ「雪辱を果たす」ということになるか。その先、尾根が行きつく県境尾根の1847mピークまでは、こう日が短くなっていては、日帰りは土台無理な話。もう何年越しのことになってはいるが、また先送りの来年以降の課題にするしかない。それ以前に、小足沢右岸尾根に取り付くことが大きな壁なのである。先々週の実戦では恐怖におののいただけで跳ね返されたが、せめて年内に尾根に取り付くだけでもしておきたい。まして、今年に入って松木川沿いを歩いたのが4回。そろそろ飽きもきている。そして今回は5回目。
前回のブログコメントのアドバイスとして、足尾のRRさんから「野性的な勘を働かせば2本足でぬけられる」といただいたが、勘を動かす前に尻込みし、冷静にもなれず、さらに手が2本欲しいくらいの状況であった。自分には6本足で何とか、といったところだろう。滝見する方も含め、皆さん、すんなりと登っていらっしゃるのが何とも不思議でもあった。
その失敗の後、それまでも散々、ネットで調べたのではあるが、改めて見直すと、今年の6月に、小足沢大滝の滝見グループが末端から少し上流に行って尾根に取り付いている記事を見つけた。「西に行くと少し緩いルンゼがあって…」、そこからガレ場を登ったそうな。これ、使えるんじゃないかとは思ったが、先日、先を見た限りでは、そんな緩いルンゼなんぞ視界にはなかったけどなぁ…。一応、今日は確認しておこう。いずれにせよ、末端からの登りは、自分には不可能であることがわかったし、別ルートからの思案となる。
(今朝の松木川。今のところ雲が多い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/f9/eb4ec7fb415d801c7bf65d2a01199ab6.jpg)
(青空のスポットがあったりして)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/8a/f2587505567c08e999d153408609fd96.jpg)
(6号堰堤が見えてくる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/e5/c3182dfa4fc5ea80a0a61b7da9704606.jpg)
(堰堤は右岸側を越える。左岸側と違って、階段やらステップはない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/93/fd289944160577adcb34ce4b344e5d19.jpg)
出発からだらだらと記してもしかたがない。いつもの歩きでウメコバ沢の前の河原に出た。今日は渡渉用に安物ズックではなく沢靴を持参した。できれば使いたくはない。履き替えが面倒だし、水を吸った靴を入れたザックも重くなる。何とか、石を飛び飛びで小足沢出合いに到着した。結局、往復ともに靴下が濡れることもなく登山靴で通せた。しかし、6号堰堤を越える際、いつもの左岸側からでは水没せざるをえず、右岸側から高巻いて越えた。こちらを使うのは初めてではあったが、使えそうもないロープが半端に垂れていた。頼らずに登り下りはできた。こちら側を越える方もいらっしゃるようだ。おぼつかない踏み跡があった。
(右岸尾根の末端に到着)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/e5/7952b472656286c99c05aaca8c938eb0.jpg)
(先に行くが、やはり、難なく登れそうなところはない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/be/e203335c3439068fd4bd036cc65392a9.jpg)
(ここから取り付くことにした。こことてどんなものやら)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/a5/997c344ed81a1e010e7c2152f81918c6.jpg)
さて、小足沢右岸尾根の末端を通り過ぎ、上流に向かった。今日は末端部調査はしない。先の「緩いルンゼ」を探す。写真も出ていたがなかなか現れない。それもそのはず、写真では緑に覆われた感じのところだったが、この時期、そんな緑はなく、まして、写真で見る限りの緩いガレ場なんぞはない。大方、実際は、少しはましな急斜面といった程度のものなのであろう。「緩いルンゼ」の甘い誘いへのこだわりは早々に放棄する。
うろうろして「ここから」と目星をつける。状況は末端部とさして変わりはない。少なくとも上がよく見えているといった程度で、ここにもまた見上げれば岩の突起がやたらとある。ここがダメなら、もう命からがらの取り付きはやめておこう。一服して、深呼吸して取り付く。下部はズルズル。こらえて数メートル登ると古く短いトラロープがあった。これも測量作業の時に使ったものか。これがあるからといって安心できるものでもない。前回同様、その先はなかった。ただ、考えてみれば、測量の方が登ったわけだから、ここが他よりはましということなのだろう。
(すぐに松木川が真下になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/da/5fbd4db081ac01a238d3ee01186a9daf.jpg)
(最初のうちは「楽しい」といった気分がないわけでもなかった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/4f/bfccb3e04ff1dee519dcea06a4b1a167.jpg)
相変わらず、リョウブの木にしがみついての登りとなった。松木川がどんどん下になる。状況は末端からとさほどの違いはない。むしろ、こちら側の岩はもろく、手をかけるとポロっといくし、腐りかけの木も多い。ただ、手がかりは多いし、ところどころに狭いながらも平地があるので、息を整えるに都合はいい。前回はこれがなかった。前回ルートが密とすれば、こちらは粗だ。
(ここで行き詰る。この時、左には目がいかなかった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/40/b79faf776ada89d238cde145de6e710c.jpg)
狭隘な岩場になった。岩が屹立している。これは無理。右に逃げた。しばらく行ったが、そこでまた行き詰る。戻る。途中、ちょこちょこと上に上がっては戻るを繰り返したが、さらに進む勇気も蛮勇もなく、もはやこれまでか。ただ、これでは、前回の標高を越えてもいない。とりあえず、右に逃げたところまで引き返した。
(すごすごと戻って。左下のガレ沢)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/82/d3189209576767e1ef96e7c2b27e47d0.jpg)
(また岩が立ちはだかった。あっさり越えたが、下りは自信なし)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/b2/fd324eacc645273a1f4266117ebdadba.jpg)
いよいよ撤退か。今日はお助けロープを持ってきたから、下りに問題はないだろうと、気分は帰り支度に入っている。今日の歩き、ブログにアップすることはないだろう。黙っていれば、前回の失敗だけでスマートに終わったままだ。戻って、狭隘な岩場の左を見てみた。どうも、こちら側に突破口がありそうだ。下は沢状になっている。あるいは、この沢を登ってもいいかもしれない。ガレてはいるが沢に岩場はないし、5m下程度のものだ。もしかして、これが「緩いルンゼ」か?きっとそうだ。最後はこれだな。
岩の左側を攀じ登る。意外にスムーズに上に行ける。ただ、2本足では無理。4つ足になっている。ふと、メガネが枝に引っかかって飛ばされた。せっかく登ったのに3m下って探し回る。あった。落ち葉の中に隠れていた。メガネを放棄するしかないと思ってしまった。ヤレヤレ。ここはヘルメットを持参すべきであったろう。
(皇海山が見えた。見納めかなと思ったりもした)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/64/43a4038b6d3349eaca0cd6628fe8a9ea.jpg)
(ようやく、小足沢右岸尾根が真上にきた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/19/20da8f57d79858a8803a0ff0d77e4bf8.jpg)
(右岸尾根に乗る。これまでの延長ではあるが、至って楽になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/05/18e0197cf0988e1da70492c225a071d5.jpg)
(ほっとして皇海山。余裕もできた。神、仏の山に感じた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/15/357d3603670a6aeda415672ffa74e24c.jpg)
左手に皇海山が見えてきた。眺めている気分にはなれない。下を覗くと岩場の急斜面だ。大きな岩を越えた。あれっ、傾斜がなだらかになり、2本足で歩ける。そして、両手も空きだした。上が見えているし、先のこじんまりした岩場の通過も一気に楽になった。右下に一枚岩が斜めに張り出しているのが見えた。覗きに行った。ここではないのだが、先日の撤退か所もこんなところだったな。その下はストーンと落ちている。
何とか、尾根に乗ったようだ。安心して皇海山を眺める。恐さでノドがカラカラになっていた。水をガブ飲みする。さて、ここまで来たら、いくらロープがあるからとはいっても下りは難渋するだろう。前に行くしかないな。
(右岸尾根歩き)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/1c/d34b943b2dc79fb1f741a5b0d275a394.jpg)
(1269mピーク)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/3c/b27876b1bf6b5e1e6da70d5b833adb51.jpg)
(振り返る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/ca/da765c4a0e6085f7b2e6abfd061cb3f0.jpg)
右手に小足沢の左岸尾根が見えている。その先にはキレットが見えている。RRさんは論外として、ふ~てんさんもよくあんなところを歩くものだ。いくら戻るに戻れない状況になったとはいえだ。尾根の右手下に小足沢大滝があるはず。滝の音は大きく聞こえるが、その姿は見えない。尾根を少し戻ってみたが、やはり見えない。この尾根のどこかに観望台があるはずも、どこだかもわからない。小足沢の方を見下ろすと、どこも急斜面になっている。さらなる冒険はやめておこう。30mロープ一回で済むようだが、お助けロープで下れるわけがないし、滝の位置もわからない。足尾のRRさんによると、木立ちでここからは見えなくなったようだ。
ガレた尾根がおさまるとヤセ気味にはなったが、これまでの取り付き登りに比べると雲泥の差だ。楽勝で歩ける。目の前にピーク。あれは1269mピークではないのか。何だかパッとしないピークだ。
(小足沢左岸尾根越しに松木山・大平山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/20/f914f1354843d5a18f6898f800cb3bba.jpg)
(左岸尾根のキレット)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/81/3aa3bafec73b7c5f4dca1048c99b222d.jpg)
改めて東側を見る。左岸尾根は三俣山からシゲト山の稜線に突き上げ、キレットの上では松木山の南西尾根に合流する、三沢から出ている西南西からの尾根が蛇行している。まぁすごい光景だ。あれを登ってみようとは考えないことにしよう。
(次第に落ち着いてくる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/b4/95fbeeb583740f2bdc57c1bab57ff7ab.jpg)
(いい感じ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/fa/6306b7b1516ca4ef3b6e5f25c5ce713c.jpg)
(しつこく)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/35/a63a441e387374dd72087ea2b5922387.jpg)
(1269mの三角点)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/e5/397a5004467b6b1b782fbf247f160be3.jpg)
尾根が広がり、傾斜も幾分和らいだ。ようやくのんびりと歩けるようになった。二重の稜線みたいな雰囲気になり、砂地も現れる。ちょっと小うるさい枯枝のヤブを越えるとコンクリートの置物があった。1269mの三角点。これは明治時代に山林局が設けた三角点のようだ。「山」と「次三角點」の字が刻されていた。ここで休憩。かなり疲れた。
ここからどうするか。せめて1456m標高点まで行きたいところだが、今日の時間配分では無理だし、時間があったとしても、この尾根への取り付きだけで体力を消耗してしまっている。今日の目標だけは達成した。あとは予定通りに、この先から派生する、大ナラキ沢左岸尾根に抜ける小尾根を西に登り、大ナラキ沢の左岸尾根から下ることにしよう。左岸尾根は上りで使ったこともある。
(岩場の上から。1456mピークが正面に見える)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/04/14fe4710ecf4b1eebbc1da870983dda7.jpg)
(小足沢左俣の流れ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/5b/1325fc541a50f8599e85134bd690f630.jpg)
(正面中央が三俣山か)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/20/85496def6d995f56fb7fe3b210bdee35.jpg)
一旦下る。灌木の中の気持ちの良い歩きだ。目の前に壁のような岩場が現れた。もろい岩場だった。登ってみる。北側の風景を見渡せた。前に見えるのが1456mピーク。左奥には1828mの釜五峰。右奥は1847mピークと三俣山か。真下には沢が流れている。これが小足沢の左俣だろう。ということは、この歩いている尾根、沢を越えれば、なるほど「小足沢中尾根」ということになる。Yoshiさんは「中尾根」とされている。この左俣、地形図ではさして標高差はないが、この岩場から覗く限り50mほどはありそうだ。水の勢いはある。音が聞こえる。下りに問題はないようだ。ちなみに、地形図では、この手前にリンゴだかサクランボみたいな形の等高線が入り込んでいるが、これはどこなのか確認できなかった。
(岩場から一旦、下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/92/2af2a71ee37f39405f443b9dd3613748.jpg)
(また岩場があって登った)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/82/979c4cc2a42205f96154eacb61d6f50f.jpg)
(失礼ながら笑ってしまった。ちょっと崩れかけ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/7f/47d12b1272e53b80667a45e88b395cae.jpg)
ここでコンパスを西にセットして岩場から離れる。下は若干の凹凸のある広い緩斜面で、尾根筋も見えず、方向も定めづらく、ただコンパスに合わせて歩く。水の溜まったヌタ場のようなところも見える。ここでテントを張れば気持ちがいいだろう。木からは葉がすべて落ち、紅葉の風情はまったくない。これがまたいい。
ようやく、目指す小尾根らしきものが見えてきた。歩く方向は合っている。小高いところが見えてきた。ちょっとした岩場に立ち寄る。瞬間、笑ってしまった。こんなところにまでRRさんの足跡があった。どう考えても、2年に1人か2人、気まぐれで歩くような小尾根だ。
(大ナラキ沢左岸尾根に向かう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/97/bc9fae7fa356d5cb3a916db5738077f0.jpg)
(1390m地点)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/da/93b7bb708311ea5f503d9a13abcbb748.jpg)
ここもまた二重、三重の稜線斜面になってはいるが、間違えそうなところはない。高い所に向かって歩けばいい。1390mのピークで大ナラキ沢左岸尾根に合流。釜五峰が見えている。また休憩。
小足沢右岸尾根(中尾根)があの先どういう尾根になっているかは知らないが、この大ナラキ沢左岸尾根もまた快適ではあった。危ういところもない。この逆ルートで右岸尾根に取り付くことも可能であろうが、そんな七面倒くさいことをするよりも、小足沢左俣の遡行はどんなものだろう。ネット記事には見あたらない。つまり、沢屋さんにはおもしろくもない沢なのだろう。『足尾山塊の沢』によると、岡田氏が下りで使ったところ、右俣(本流)の合流まで滝がなかったそうな。あるいは、自分のような沢屋ではないハイカーでも歩けるかもしれない。
(大ナラキ沢左岸尾根を下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/35/df1d698dae6630322638ab1f05f9bcd8.jpg)
大ナラキ沢左岸尾根を下る。途中から急斜面になった。ここは尾根が広くて、適当なところを下ってしまうと、松木川にすんなりと下りられなくなる。コンパスに合わせて忠実に下った。途中にボサボサの荷造りテープが1本。おそらく、RRさんの掃除見落としかと思う。回収。傾斜がさらに急になる。気持ちのよい雑木の中の下りとはいえ応える。
(傾斜が緩むと小沢が出てきた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/a9/c5e4a6efb4c7597e3fcd46e987e17d3d.jpg)
(そして、左からも小沢が合流する)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/6d/9972508e61fca56e83016d05a28c3a58.jpg)
(松木川にすんなりと降下できた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/47/6bd79ff943130f5bac90541dd740f5f5.jpg)
傾斜が緩み、右手に小沢が出てくる。小沢に沿って左側を下る。そして、左からも小沢が流れて合流。ここも左側を沿って下る。ようやく松木川が見えてきた。シカ道だかの踏み跡を左に辿った。沢は松木川に注ぎ込む。石垣を通過して、すんなりと松木川の河原に下りることができた。大ナラキ沢の左岸尾根を上りで使い、国境平からはモミジ尾根を使わずに東南東の尾根をここに下った際には、どん詰まりで往生してしまっていた。今日は大成功だ。
(対岸の吊り橋基礎の石垣)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/fa/8a36836dc84c7ad2082736199062c07d.jpg)
さて、ここの石垣、RRさんによれば、吊り橋の基礎とのことだ。これまで意識して見たことはなかったが、対岸を見上げると、確かに石垣があった。その先を眺める。尾根状になっている。地形図を見る。えっ、もしかしてあそこ、例のところに行けるんじゃないの。ストレートに。課題にしておこう。危険がいっぱいかもしれないが。
(左岸を見ながらの帰り道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/a9/ea776340ed9f09052ed877fac8d80175.jpg)
(尾根末端に近づくに連れて切り立った断崖になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/4f/54a682c1dfd89502d99e61d92da3957d.jpg)
一休みして帰途に就く。帰りも靴は濡らしたくはない。気を遣いながら歩いては行くが、やはり気になるのが、左岸側の斜面だ。「緩いルンゼ」がどうしても気にかかる。遠回りして、戻る形で小足沢右岸尾根に出るのは可能だろう。もしかして、「緩いルンゼ」は、この辺の上流まで来たのだろうか。さらに下るに連れ、どこを見ても、安全そうに小足沢右岸尾根にトラバースして行けそうなところはなくなっていく。緩そうに見えても、その上は岩まじりでガレている。こと左岸側は「緩い」と形容できるような斜面は見あたらない。大滝の滝見だけが目的なら、じっくりと時間もかけて行けるだろうが。
(改めて取り付き場所。写真で傾斜が反映されない分、見た目は楽そうだ。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/0b/1ba66406db6a56b7c4097bb21c62d268.jpg)
今朝の取り付きポイントを過ぎ、小足沢出合いに着く。やはり、安全そうな取り付きは見あたらなかった。自分が途中で「緩いルンゼ」と思ったところはどこから入っていけるのだろうか…。今日のことなのに、気分はすでに過去のことになっている。とりあえず、取り付くという課題だけは達成した。こちら側から、また厳しい思いをして登ることは、おそらくはないだろう。RRさんの2本足ルートにしても、果たして自分にはどんなものなのか。恐怖との一体は避けたい。
(ウメコバ沢。趣向が違うので行くことはないが、外面を眺めているだけでも飽きない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/76/5471ac041df2a98599a4cb08ac2c6c5e.jpg)
6号堰堤を過ぎ、ウメコバ沢前の河原に出た。靴を濡らさずに済んでほっとした。5号堰堤の方を見ると、2人のヘルメット姿の方が休んでいる。近づくと、一人は白赤のポールを持っている。測量の方のようだ。しばらく行くと、作業衣を来たお2人が弁当を食べていた。ともにお仕事ご苦労さま。仕事とはいえ、こんなところまでは来たくもないだろうな。
(高台の墓地)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/24/1c3d3401fc8e5b2412180a09f3d33842.jpg)
(遅いランチにするか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/dc/1b57c61d105e1d484c7abba2fd84bc60.jpg)
林道ゲートの手前、左の高台に何かの観測所らしき施設が見え、これは以前から気にもなっていたのではあるが、上がってみた。何の施設か確認はしなかったが、高台に登るとすぐのところに墓地のようなものがあった。ここに集めたといった形だが、墓石が6基ほどあった。年代を見ると、天保とか宝永の字を確認できた。ご先祖様がここに祀らわれていることを知っているご子孫はだれもいないだろうな。
ゲートの先には車が2台。いずれも、先ほどの作業の方々のだろう。「みちくさ」のベンチで昼食とする。今日は「みちくさ」も営業はしていない。
(機械音が近づいてくる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/0d/6cb9f9fd3dc5ddf078c41c8688c8accb.jpg)
(遠回りして銀山平の紅葉を見がてら帰った。もう終わりかけ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/3f/5017c4e4126c234aa4faa1a3399cbc7e.jpg)
銅親水公園に戻る。今朝あった車2台ともになくなっている。山歩きではなかったのかもしれない。人影は見なかったが、車の脇にアウトドアテーブルを出し、ランプを置いて、星空を楽しんでいた気配ではあったが。
風呂にでも入ってから帰りたいが、用事もあるので、着替えもせずに帰る。今日の興奮、しばらくは覚めることがなかった。邪道の荒っぽいルートをとったとはいえ、小足沢右岸尾根に上がれた、それだけで十二分に満足だ。
銅親水公園駐車場(6:01)……林道ゲート(6:38)……6号堰堤(7:43)……小足沢出合い(7:50)……取り付く(8:03)……小足沢右岸尾根に乗る(9:04)……1269m標高点(9:37)……右岸尾根離れる(9:53)……大ナラキ沢左岸尾根合流・標高1390m地点(10:20)……松木川出合い(10:58)……林道ゲート(12:47)……「みちくさ」ベンチで昼食(12:54~13:10)……銅親水公園駐車場(13:36)
今日は夕方から用事があったので休暇にした。3時半には家に帰っていたい。時間の制限もあるが、先々週に失敗した小足沢の右岸尾根に改めて取り付いてみることにした。格好つければ「雪辱を果たす」ということになるか。その先、尾根が行きつく県境尾根の1847mピークまでは、こう日が短くなっていては、日帰りは土台無理な話。もう何年越しのことになってはいるが、また先送りの来年以降の課題にするしかない。それ以前に、小足沢右岸尾根に取り付くことが大きな壁なのである。先々週の実戦では恐怖におののいただけで跳ね返されたが、せめて年内に尾根に取り付くだけでもしておきたい。まして、今年に入って松木川沿いを歩いたのが4回。そろそろ飽きもきている。そして今回は5回目。
前回のブログコメントのアドバイスとして、足尾のRRさんから「野性的な勘を働かせば2本足でぬけられる」といただいたが、勘を動かす前に尻込みし、冷静にもなれず、さらに手が2本欲しいくらいの状況であった。自分には6本足で何とか、といったところだろう。滝見する方も含め、皆さん、すんなりと登っていらっしゃるのが何とも不思議でもあった。
その失敗の後、それまでも散々、ネットで調べたのではあるが、改めて見直すと、今年の6月に、小足沢大滝の滝見グループが末端から少し上流に行って尾根に取り付いている記事を見つけた。「西に行くと少し緩いルンゼがあって…」、そこからガレ場を登ったそうな。これ、使えるんじゃないかとは思ったが、先日、先を見た限りでは、そんな緩いルンゼなんぞ視界にはなかったけどなぁ…。一応、今日は確認しておこう。いずれにせよ、末端からの登りは、自分には不可能であることがわかったし、別ルートからの思案となる。
(今朝の松木川。今のところ雲が多い)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/f9/eb4ec7fb415d801c7bf65d2a01199ab6.jpg)
(青空のスポットがあったりして)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/8a/f2587505567c08e999d153408609fd96.jpg)
(6号堰堤が見えてくる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/e5/c3182dfa4fc5ea80a0a61b7da9704606.jpg)
(堰堤は右岸側を越える。左岸側と違って、階段やらステップはない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/93/fd289944160577adcb34ce4b344e5d19.jpg)
出発からだらだらと記してもしかたがない。いつもの歩きでウメコバ沢の前の河原に出た。今日は渡渉用に安物ズックではなく沢靴を持参した。できれば使いたくはない。履き替えが面倒だし、水を吸った靴を入れたザックも重くなる。何とか、石を飛び飛びで小足沢出合いに到着した。結局、往復ともに靴下が濡れることもなく登山靴で通せた。しかし、6号堰堤を越える際、いつもの左岸側からでは水没せざるをえず、右岸側から高巻いて越えた。こちらを使うのは初めてではあったが、使えそうもないロープが半端に垂れていた。頼らずに登り下りはできた。こちら側を越える方もいらっしゃるようだ。おぼつかない踏み跡があった。
(右岸尾根の末端に到着)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/e5/7952b472656286c99c05aaca8c938eb0.jpg)
(先に行くが、やはり、難なく登れそうなところはない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/be/e203335c3439068fd4bd036cc65392a9.jpg)
(ここから取り付くことにした。こことてどんなものやら)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/a5/997c344ed81a1e010e7c2152f81918c6.jpg)
さて、小足沢右岸尾根の末端を通り過ぎ、上流に向かった。今日は末端部調査はしない。先の「緩いルンゼ」を探す。写真も出ていたがなかなか現れない。それもそのはず、写真では緑に覆われた感じのところだったが、この時期、そんな緑はなく、まして、写真で見る限りの緩いガレ場なんぞはない。大方、実際は、少しはましな急斜面といった程度のものなのであろう。「緩いルンゼ」の甘い誘いへのこだわりは早々に放棄する。
うろうろして「ここから」と目星をつける。状況は末端部とさして変わりはない。少なくとも上がよく見えているといった程度で、ここにもまた見上げれば岩の突起がやたらとある。ここがダメなら、もう命からがらの取り付きはやめておこう。一服して、深呼吸して取り付く。下部はズルズル。こらえて数メートル登ると古く短いトラロープがあった。これも測量作業の時に使ったものか。これがあるからといって安心できるものでもない。前回同様、その先はなかった。ただ、考えてみれば、測量の方が登ったわけだから、ここが他よりはましということなのだろう。
(すぐに松木川が真下になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/da/5fbd4db081ac01a238d3ee01186a9daf.jpg)
(最初のうちは「楽しい」といった気分がないわけでもなかった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/4f/bfccb3e04ff1dee519dcea06a4b1a167.jpg)
相変わらず、リョウブの木にしがみついての登りとなった。松木川がどんどん下になる。状況は末端からとさほどの違いはない。むしろ、こちら側の岩はもろく、手をかけるとポロっといくし、腐りかけの木も多い。ただ、手がかりは多いし、ところどころに狭いながらも平地があるので、息を整えるに都合はいい。前回はこれがなかった。前回ルートが密とすれば、こちらは粗だ。
(ここで行き詰る。この時、左には目がいかなかった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/40/b79faf776ada89d238cde145de6e710c.jpg)
狭隘な岩場になった。岩が屹立している。これは無理。右に逃げた。しばらく行ったが、そこでまた行き詰る。戻る。途中、ちょこちょこと上に上がっては戻るを繰り返したが、さらに進む勇気も蛮勇もなく、もはやこれまでか。ただ、これでは、前回の標高を越えてもいない。とりあえず、右に逃げたところまで引き返した。
(すごすごと戻って。左下のガレ沢)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/82/d3189209576767e1ef96e7c2b27e47d0.jpg)
(また岩が立ちはだかった。あっさり越えたが、下りは自信なし)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/b2/fd324eacc645273a1f4266117ebdadba.jpg)
いよいよ撤退か。今日はお助けロープを持ってきたから、下りに問題はないだろうと、気分は帰り支度に入っている。今日の歩き、ブログにアップすることはないだろう。黙っていれば、前回の失敗だけでスマートに終わったままだ。戻って、狭隘な岩場の左を見てみた。どうも、こちら側に突破口がありそうだ。下は沢状になっている。あるいは、この沢を登ってもいいかもしれない。ガレてはいるが沢に岩場はないし、5m下程度のものだ。もしかして、これが「緩いルンゼ」か?きっとそうだ。最後はこれだな。
岩の左側を攀じ登る。意外にスムーズに上に行ける。ただ、2本足では無理。4つ足になっている。ふと、メガネが枝に引っかかって飛ばされた。せっかく登ったのに3m下って探し回る。あった。落ち葉の中に隠れていた。メガネを放棄するしかないと思ってしまった。ヤレヤレ。ここはヘルメットを持参すべきであったろう。
(皇海山が見えた。見納めかなと思ったりもした)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/64/43a4038b6d3349eaca0cd6628fe8a9ea.jpg)
(ようやく、小足沢右岸尾根が真上にきた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/19/20da8f57d79858a8803a0ff0d77e4bf8.jpg)
(右岸尾根に乗る。これまでの延長ではあるが、至って楽になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/05/18e0197cf0988e1da70492c225a071d5.jpg)
(ほっとして皇海山。余裕もできた。神、仏の山に感じた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/15/357d3603670a6aeda415672ffa74e24c.jpg)
左手に皇海山が見えてきた。眺めている気分にはなれない。下を覗くと岩場の急斜面だ。大きな岩を越えた。あれっ、傾斜がなだらかになり、2本足で歩ける。そして、両手も空きだした。上が見えているし、先のこじんまりした岩場の通過も一気に楽になった。右下に一枚岩が斜めに張り出しているのが見えた。覗きに行った。ここではないのだが、先日の撤退か所もこんなところだったな。その下はストーンと落ちている。
何とか、尾根に乗ったようだ。安心して皇海山を眺める。恐さでノドがカラカラになっていた。水をガブ飲みする。さて、ここまで来たら、いくらロープがあるからとはいっても下りは難渋するだろう。前に行くしかないな。
(右岸尾根歩き)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/1c/d34b943b2dc79fb1f741a5b0d275a394.jpg)
(1269mピーク)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/3c/b27876b1bf6b5e1e6da70d5b833adb51.jpg)
(振り返る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/ca/da765c4a0e6085f7b2e6abfd061cb3f0.jpg)
右手に小足沢の左岸尾根が見えている。その先にはキレットが見えている。RRさんは論外として、ふ~てんさんもよくあんなところを歩くものだ。いくら戻るに戻れない状況になったとはいえだ。尾根の右手下に小足沢大滝があるはず。滝の音は大きく聞こえるが、その姿は見えない。尾根を少し戻ってみたが、やはり見えない。この尾根のどこかに観望台があるはずも、どこだかもわからない。小足沢の方を見下ろすと、どこも急斜面になっている。さらなる冒険はやめておこう。30mロープ一回で済むようだが、お助けロープで下れるわけがないし、滝の位置もわからない。足尾のRRさんによると、木立ちでここからは見えなくなったようだ。
ガレた尾根がおさまるとヤセ気味にはなったが、これまでの取り付き登りに比べると雲泥の差だ。楽勝で歩ける。目の前にピーク。あれは1269mピークではないのか。何だかパッとしないピークだ。
(小足沢左岸尾根越しに松木山・大平山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/20/f914f1354843d5a18f6898f800cb3bba.jpg)
(左岸尾根のキレット)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/81/3aa3bafec73b7c5f4dca1048c99b222d.jpg)
改めて東側を見る。左岸尾根は三俣山からシゲト山の稜線に突き上げ、キレットの上では松木山の南西尾根に合流する、三沢から出ている西南西からの尾根が蛇行している。まぁすごい光景だ。あれを登ってみようとは考えないことにしよう。
(次第に落ち着いてくる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/b4/95fbeeb583740f2bdc57c1bab57ff7ab.jpg)
(いい感じ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/fa/6306b7b1516ca4ef3b6e5f25c5ce713c.jpg)
(しつこく)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/35/a63a441e387374dd72087ea2b5922387.jpg)
(1269mの三角点)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/e5/397a5004467b6b1b782fbf247f160be3.jpg)
尾根が広がり、傾斜も幾分和らいだ。ようやくのんびりと歩けるようになった。二重の稜線みたいな雰囲気になり、砂地も現れる。ちょっと小うるさい枯枝のヤブを越えるとコンクリートの置物があった。1269mの三角点。これは明治時代に山林局が設けた三角点のようだ。「山」と「次三角點」の字が刻されていた。ここで休憩。かなり疲れた。
ここからどうするか。せめて1456m標高点まで行きたいところだが、今日の時間配分では無理だし、時間があったとしても、この尾根への取り付きだけで体力を消耗してしまっている。今日の目標だけは達成した。あとは予定通りに、この先から派生する、大ナラキ沢左岸尾根に抜ける小尾根を西に登り、大ナラキ沢の左岸尾根から下ることにしよう。左岸尾根は上りで使ったこともある。
(岩場の上から。1456mピークが正面に見える)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/04/14fe4710ecf4b1eebbc1da870983dda7.jpg)
(小足沢左俣の流れ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/5b/1325fc541a50f8599e85134bd690f630.jpg)
(正面中央が三俣山か)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/20/85496def6d995f56fb7fe3b210bdee35.jpg)
一旦下る。灌木の中の気持ちの良い歩きだ。目の前に壁のような岩場が現れた。もろい岩場だった。登ってみる。北側の風景を見渡せた。前に見えるのが1456mピーク。左奥には1828mの釜五峰。右奥は1847mピークと三俣山か。真下には沢が流れている。これが小足沢の左俣だろう。ということは、この歩いている尾根、沢を越えれば、なるほど「小足沢中尾根」ということになる。Yoshiさんは「中尾根」とされている。この左俣、地形図ではさして標高差はないが、この岩場から覗く限り50mほどはありそうだ。水の勢いはある。音が聞こえる。下りに問題はないようだ。ちなみに、地形図では、この手前にリンゴだかサクランボみたいな形の等高線が入り込んでいるが、これはどこなのか確認できなかった。
(岩場から一旦、下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/92/2af2a71ee37f39405f443b9dd3613748.jpg)
(また岩場があって登った)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/82/979c4cc2a42205f96154eacb61d6f50f.jpg)
(失礼ながら笑ってしまった。ちょっと崩れかけ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/7f/47d12b1272e53b80667a45e88b395cae.jpg)
ここでコンパスを西にセットして岩場から離れる。下は若干の凹凸のある広い緩斜面で、尾根筋も見えず、方向も定めづらく、ただコンパスに合わせて歩く。水の溜まったヌタ場のようなところも見える。ここでテントを張れば気持ちがいいだろう。木からは葉がすべて落ち、紅葉の風情はまったくない。これがまたいい。
ようやく、目指す小尾根らしきものが見えてきた。歩く方向は合っている。小高いところが見えてきた。ちょっとした岩場に立ち寄る。瞬間、笑ってしまった。こんなところにまでRRさんの足跡があった。どう考えても、2年に1人か2人、気まぐれで歩くような小尾根だ。
(大ナラキ沢左岸尾根に向かう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/97/bc9fae7fa356d5cb3a916db5738077f0.jpg)
(1390m地点)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/da/93b7bb708311ea5f503d9a13abcbb748.jpg)
ここもまた二重、三重の稜線斜面になってはいるが、間違えそうなところはない。高い所に向かって歩けばいい。1390mのピークで大ナラキ沢左岸尾根に合流。釜五峰が見えている。また休憩。
小足沢右岸尾根(中尾根)があの先どういう尾根になっているかは知らないが、この大ナラキ沢左岸尾根もまた快適ではあった。危ういところもない。この逆ルートで右岸尾根に取り付くことも可能であろうが、そんな七面倒くさいことをするよりも、小足沢左俣の遡行はどんなものだろう。ネット記事には見あたらない。つまり、沢屋さんにはおもしろくもない沢なのだろう。『足尾山塊の沢』によると、岡田氏が下りで使ったところ、右俣(本流)の合流まで滝がなかったそうな。あるいは、自分のような沢屋ではないハイカーでも歩けるかもしれない。
(大ナラキ沢左岸尾根を下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/35/df1d698dae6630322638ab1f05f9bcd8.jpg)
大ナラキ沢左岸尾根を下る。途中から急斜面になった。ここは尾根が広くて、適当なところを下ってしまうと、松木川にすんなりと下りられなくなる。コンパスに合わせて忠実に下った。途中にボサボサの荷造りテープが1本。おそらく、RRさんの掃除見落としかと思う。回収。傾斜がさらに急になる。気持ちのよい雑木の中の下りとはいえ応える。
(傾斜が緩むと小沢が出てきた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/a9/c5e4a6efb4c7597e3fcd46e987e17d3d.jpg)
(そして、左からも小沢が合流する)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/6d/9972508e61fca56e83016d05a28c3a58.jpg)
(松木川にすんなりと降下できた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/47/6bd79ff943130f5bac90541dd740f5f5.jpg)
傾斜が緩み、右手に小沢が出てくる。小沢に沿って左側を下る。そして、左からも小沢が流れて合流。ここも左側を沿って下る。ようやく松木川が見えてきた。シカ道だかの踏み跡を左に辿った。沢は松木川に注ぎ込む。石垣を通過して、すんなりと松木川の河原に下りることができた。大ナラキ沢の左岸尾根を上りで使い、国境平からはモミジ尾根を使わずに東南東の尾根をここに下った際には、どん詰まりで往生してしまっていた。今日は大成功だ。
(対岸の吊り橋基礎の石垣)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/fa/8a36836dc84c7ad2082736199062c07d.jpg)
さて、ここの石垣、RRさんによれば、吊り橋の基礎とのことだ。これまで意識して見たことはなかったが、対岸を見上げると、確かに石垣があった。その先を眺める。尾根状になっている。地形図を見る。えっ、もしかしてあそこ、例のところに行けるんじゃないの。ストレートに。課題にしておこう。危険がいっぱいかもしれないが。
(左岸を見ながらの帰り道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/a9/ea776340ed9f09052ed877fac8d80175.jpg)
(尾根末端に近づくに連れて切り立った断崖になる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/4f/54a682c1dfd89502d99e61d92da3957d.jpg)
一休みして帰途に就く。帰りも靴は濡らしたくはない。気を遣いながら歩いては行くが、やはり気になるのが、左岸側の斜面だ。「緩いルンゼ」がどうしても気にかかる。遠回りして、戻る形で小足沢右岸尾根に出るのは可能だろう。もしかして、「緩いルンゼ」は、この辺の上流まで来たのだろうか。さらに下るに連れ、どこを見ても、安全そうに小足沢右岸尾根にトラバースして行けそうなところはなくなっていく。緩そうに見えても、その上は岩まじりでガレている。こと左岸側は「緩い」と形容できるような斜面は見あたらない。大滝の滝見だけが目的なら、じっくりと時間もかけて行けるだろうが。
(改めて取り付き場所。写真で傾斜が反映されない分、見た目は楽そうだ。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/0b/1ba66406db6a56b7c4097bb21c62d268.jpg)
今朝の取り付きポイントを過ぎ、小足沢出合いに着く。やはり、安全そうな取り付きは見あたらなかった。自分が途中で「緩いルンゼ」と思ったところはどこから入っていけるのだろうか…。今日のことなのに、気分はすでに過去のことになっている。とりあえず、取り付くという課題だけは達成した。こちら側から、また厳しい思いをして登ることは、おそらくはないだろう。RRさんの2本足ルートにしても、果たして自分にはどんなものなのか。恐怖との一体は避けたい。
(ウメコバ沢。趣向が違うので行くことはないが、外面を眺めているだけでも飽きない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/76/5471ac041df2a98599a4cb08ac2c6c5e.jpg)
6号堰堤を過ぎ、ウメコバ沢前の河原に出た。靴を濡らさずに済んでほっとした。5号堰堤の方を見ると、2人のヘルメット姿の方が休んでいる。近づくと、一人は白赤のポールを持っている。測量の方のようだ。しばらく行くと、作業衣を来たお2人が弁当を食べていた。ともにお仕事ご苦労さま。仕事とはいえ、こんなところまでは来たくもないだろうな。
(高台の墓地)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/24/1c3d3401fc8e5b2412180a09f3d33842.jpg)
(遅いランチにするか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/dc/1b57c61d105e1d484c7abba2fd84bc60.jpg)
林道ゲートの手前、左の高台に何かの観測所らしき施設が見え、これは以前から気にもなっていたのではあるが、上がってみた。何の施設か確認はしなかったが、高台に登るとすぐのところに墓地のようなものがあった。ここに集めたといった形だが、墓石が6基ほどあった。年代を見ると、天保とか宝永の字を確認できた。ご先祖様がここに祀らわれていることを知っているご子孫はだれもいないだろうな。
ゲートの先には車が2台。いずれも、先ほどの作業の方々のだろう。「みちくさ」のベンチで昼食とする。今日は「みちくさ」も営業はしていない。
(機械音が近づいてくる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/0d/6cb9f9fd3dc5ddf078c41c8688c8accb.jpg)
(遠回りして銀山平の紅葉を見がてら帰った。もう終わりかけ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/3f/5017c4e4126c234aa4faa1a3399cbc7e.jpg)
銅親水公園に戻る。今朝あった車2台ともになくなっている。山歩きではなかったのかもしれない。人影は見なかったが、車の脇にアウトドアテーブルを出し、ランプを置いて、星空を楽しんでいた気配ではあったが。
風呂にでも入ってから帰りたいが、用事もあるので、着替えもせずに帰る。今日の興奮、しばらくは覚めることがなかった。邪道の荒っぽいルートをとったとはいえ、小足沢右岸尾根に上がれた、それだけで十二分に満足だ。
つり橋の石垣のところから北の大地ですか。
距離としては最短かもしれませんね。
地図を見てニンマリしているたそがれさんの姿を想像してしまいますよ(笑)
足尾歩きの思いはまだまだ果てなそうですね(^^)
「例のところ」、バレちゃいましたね。まさにそうなんですよ。地形図では明瞭な尾根ではないのですが、いずれ歩いてみようと思っております。どうも、RRさんは、ここからも大地に行ったようですから。
足尾の歩きの思いとはいいましても、冬に入ると、足尾の山も厳しいですね。
今回の尾根取り付きをシーズンオフにしようかなと思ってもおります。少なくとも松木川方面に関してはのことですが。
なるほど,記事を拝見し,状況が良く飲み込めましたヨ。
「緩いルンゼ」の記事を読んでないのでナントモですが,更に上流に良い取りつきが無いとすれば,此処からなんでしょうネ。
地形図で見る限りは,1050m位から沢型が現れて1080mで二俣になっているように見えますが,このガレルンゼのことなんでしょう。
小足沢大滝 滝の展望台は,尾根の突端に近い1100m辺りだから,上からでは見えないでしょう。
それに,滝見しても,戻らなきゃならないから,下りも考えなきゃいけませんネ。
1455mの中尾根への取り付きも,地形図とは違うようですが,左岸尾根の1199mピーク先の鞍部のキレットも全く別物で,四足の方々は良く歩けるもんだと感心してしまいましたヨ。
次回は中尾根ですか?そこは自分も行った事がないので興味はあるのですが、何時になることやら。
つり橋跡から北の大地、たそがれオヤジさんの趣向に合うかは?ですよ。
ということで、ウソっぽいルートで何とか辿り着きましたよ。先の末端と合わせ、もう結構ですといったところです。
滝見をするなら、さらに下降ですか。そりゃ、自分には無理ですわ。後は、瀑泉さんによろしくお願いしますよ。
中尾根への取り付きですが、上から覗いた限りはちょっとばかりややこしい感じがいたします。この辺、地形図はあまり役に立たないようです。
左俣に下降しさえすれば、取り付きまでどうにかなるような気がしますけど。石垣があるようですね。
左岸尾根は、現に見て、論外となりました。
「緩いルンゼ」のネタ元はここですよ。
http://water-landscape.com/wp/archives/13427
「そこ」から入って、「そこ」から下ったようです。
リベンジして成功したとはいえ、何だかなぁといった思いが強いですよ。野生の勘で、2本足で行ってみたいものです。
まさか、あの左岸尾根のキレットも2本足で通過したのではないでしょうね。私なら、取り付きすらままならないでしょう。
RRさんは、中尾根、まだでした。ちょっと驚きですね。Yoshiさんによれば、1700mの張り出しに岩峰があるようですね。巻けるらしいのですが…。4つ足の方々の弁は、そのまま自分に適用しないことにいたします。むしろ、ここまで来たら、1847mから下降してみた方がいいのではと思ったりもしております。
吊り橋跡からは「?」ですか。趣向に合わない可能性があるとすれば、岩場、ガレガレ、ザレザレということなのでしょうね。考え直しますわ。
私は岩場が苦手でして、岩剥きだしの尾根突端に取付いたなんて記録を拝見しただけでケツがムズムズします。私が好むのは下から上まで等高線幅が比較的広くて且つ一定なルートで、松木沢から小足沢右岸尾根に上がろうとすると、地形図上でその条件に合致する場所は一ヶ所のみです。
決して安全とは言い難いので私の記録上は場所を特定できる情報を伏せています。今年、そのルートを利用して小足沢大滝を観瀑したグループがいたことは知っていました(「緩いルンゼ」のネタ元)。「緩い」の表現が妥当か疑問ですが、ガレたルンゼっぽい場所を辿り、道なりというか登った先の地形に導かれて(次第に落ち着いてくる)の写真の辺りにすんなり抜けられます。
中尾根に危険個所はありません。2か所でRRさんのようにケルンを積もうとしたのですが、うまくいきませんでした。出来損ないがまだ残っているかもしれません。
終わりなきリベンジとは聞こえはいいですが、当初から2回で終わり有りにするつもりでおりました。
2回目で何とか成功してしまったので、その先が一気に広がったと言いたいところですが、ここをまた通過して、先に行く気はありませんので、別の算段を考えないといけないでしょう。
そうなんです。三俣経由で周回しようと思えば、日帰りはどの時期でもきついでしょう。それほど俊足でもありませんから。
となると、その先はテントでしょうね。これは、以前からの、仕方なしの懸案ですよ。みー猫さん、この件、来年でも正式に乗ってくださいな。
Yoshiさんが岩場を苦にされていることは存じております。
なのに、何でこの右岸尾根をとも思ってはおったのですよ。
やはり緩いルンゼでしたか。「道なり」となると、やはり、私が左に見下ろしたところのようですね。上から見ると、道というか回廊のようになっていましたし。
そこを辿ってみることはないでしょうが、やはり気にはなりますので、松木奥に行った際に、改めて観察だけはして来るつもりです。そうとなれば、観察の仕方も変わってきますし。
中尾根はYoshiさんの記事が動機ですよ。来年以降やってみます。
ありがとうございました。