今日は、まずは熊本での地震についてです。
被災された皆さまに、お見舞い申し上げます。
せめて、拡散希望の記事を載せておきます。
「ミルク・おむつ・生理用品の支援」
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おはようございます。
こんな時ですが、
こんな時だから、
うめの事を思い出すのかな・・・
今は極楽に居る、うめは、
生前、たった一度だけ、恋をした。
窓から見える静かな路地が、
うめが知る事のできる、唯一の外の世界だった。
その路地を、様々な生き物が行きかい、
窓越しの挨拶をする知り合いも出来初め、
うめは、なかなかの人気者となった。
そんなある日、
自転車で通り過ぎるだけの郵便屋さんに、
激しく反応をする うめに気付く。
ほとんど鳴く事のない、うめが叫ぶ。
立ち上がり窓を叩きながら、
気付いてと言わんばかりに。
次の日も、その次の日も、
通り過ぎる、その郵便屋さんにだけ、同じ事を繰り返す。
過ぎ去る男の姿が、
路地の先の角を曲がって見えなくなるまで
うめは、窓にへばりついて、ずっと見つめていた。
同じ制服で、同じ自転車に乗った別の男が通っても、
全く見もしない。
あの男だけを、見分けていた事が解った。
うめは、あの男に、恋をしていたんだ。
はじめは、可笑しくて笑っていた私は、
やがて、うめの一途な姿に、
切なさを感じるようになった。
決して叶う事のない、恋。
それ以来、私は、
やたらと通信販売でモノを買うようになった。
もちろん、ゆうパックを指定した。
しかし、うめの運命の王子様がわが家に来る事はなかった。
ゆうパックは、毎回ゆうパック専門の人なのだと悟った。
慰める言葉も掛けられず、
ただ見守るだけの日々が続いた、ある日、
玄関のチャイムが鳴ったのだ。
ドアを開けて、そこに立っていたのは、
書留を持った、郵便屋さん。
ぽっちゃりとした、おじさんだった。
そして、そのぽっちゃりおじさんこそが、
うめの、一途な恋の相手だったのだ。
「ぎゃ~来た~、うめ~来たよ~王子様が~!」
私は思わず叫びながら、うめを抱き上げ、
再び、おじさんに向き合い、こう言った。
「良かったら、あの良かったら、
一度でいいから抱いてください。」
しかし、おじさんは一切、顔を上げることなく、
書留を手渡し、そそくさと出て行ってしまった。
指一本、触ってもらう事も叶わなかった。
それ以来、路地を通る郵便屋さんの中に、
その男が加わる日は、なくなってしまった。
うめの、たった一度の恋が終わった。
今思えば、おそらく
私は・・・
私は・・・
あのおじさんに、どえらい勘違いをさせてしまった・・・かも。
うめ:「あれ以来、恋する暇もなかったわ」
うめ:「ネコばっかり 面倒みてさ」
うめ:「ほんと、ネコばっかり。この子すんごい見てくるし」
うめ:「ネコばっかり 寄ってきてさ」
うめ:「病気しても 寄って来てさ」
うめ:「延々、寄り添ってきてさ。 そこ、どいておくれよ」
うめ:「もう、あたしゃ、いくよっていってるのにさ」
うめ:「手の掛かる子ばっかりで 恋する暇も なかったのさ」
うめさん、すまなんだな。
でも・・・
楽しかったな。