我が母、78歳・・・いや77歳か?
とにかく、人間は歳を重ねるごとに、
面白くなっていくのだなぁ、
そう思う今日このごろなのです。
おはようございます。
母さんったら、こんな事を言う。
「おい、これ変な臭いやろ?
腐っとると思うんやけど・・・お前、食え。」
こら、母さん!
母さんったら、こんな事も言う。
「お前の免許証の写真、ウソこいとるやろ。
お前の眼は、もっとほっそーいもん。」
ちょっと待て、母さん!
母さんったら、
「お前の顔、ものすごいデカいな。」
私だって知ってるよ、母さん!
母さんったら、
「お前・・・結構、出っ歯やな。」
だから知ってるよ、母さん!
身体的欠点を言ってはダメだ、母さん!
母さんったら、
「お前の腹の中は、きっと真っ黒や。」
見透かされたよ、母さん!
全部、当たってるよ、母さん!
母さんったら、
「あそこの息子が、また結婚したんや。
前の嫁さんの方が、美人やったで。」
黙ってろよ、母さん!
母さんったら、
「うちのジジィったら、言ったらいかん事ばっか言うんや。」
ババァもだよ、母さん!
我が家のよねは、15年前 知人の家の軒下で産まれた。
母ネコが現れんようになって、知人が貰い手を探していたんだ。
小さくて、がりがりで、とても汚れた子猫だった。
拭いても拭いても、顔の汚れが取れなくて、
よーく見たら、鼻クソみたいな柄だった。
数日間、憑りつかれた様に、ご飯を食べた。
その後、憑りつかれた様に、壁を登った。
子猫の成せる技とは思えん程に、
家の壁紙が上から下まで四方八方ズタズタとなった。
私は当時よねを、悪魔の申し子と呼んでいた。
悪の限りを尽くした1年後、
よねは、憑き物が取れたように大人しいネコとなる。
新入りが来ようとも、引っ越しをしようとも、どんな時でも、
よねは、いつでも仏像のようにただ佇んでいた。
私は、時々、よねの存在を忘れてた。
それほど、大人しいネコだった。
そんなネコも、15歳。
テト・テト・テト・・・・
よね:「ん?」
テト・テト・テト・・・・
よね:「おもいだした なでなされ」
あっ、はいはい。
よね:「もちょっと なでなされ」
最近、自己主張をするようになってきた、よね。
もしかすると、
私とのこんな時間を、
ずっと長いこと寝て待っていたのかもしれない。
よねの時間は、ゆっくりと流れているんだ。