うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

この世は、美女だらけだ

2017年06月11日 | 真面目な日記

子供の頃から、

不思議と、私は、いつも美女に囲まれていた。

小4の頃の写真の再現だ。

美女は、なぜか顔も小さいのだ。

 

 おはようございます。

6・3・3で12年、

仲のいい友達数人、みんな学校内外に轟くほどの美女揃いだった。

ついでに、専門学校へ進んでも、

最初に仲良くなったのは、眼を見張るほどの美女だった。

なんなら整体師だった頃も、

私の顧客は、すべて美女。

恐ろしい程、美女ばかりだった。

隣近所の人々が、私の店にやってきては、

「ここは、モデルのプロダクションなんですか?」と

お問い合わせを頂いた。

 

これは、幸運なのか。

それとも、不運なのだろうか。

確かに、いつも美しいモノを見て育ってきた事は、幸運だったが、

不運とも隣合わせだった。

 

学生の頃も、モテすぎる美女達は、だいたい苦悩していた。

美女は「ねえ、おかっぱ。相談があるの」と泣きそうな顔で話してくれたっけ。

「A先輩、B君、あとC君に告白されていて、困ってるの」と。

わかる~すごくわかる~。

 

「私、誰とも付き合う気なんて無いの。だから・・・」

分かるわ~、そういう時じゃないよね、今って。

 

とまぁ、分かるはずがない私が、分かる気になってしまう。

告白された事もない私が、未知の領域「3人から告白」という場面など、

妄想でも、しりごむレベルだ。

それを、分った気になってしまうのは、

この、美女にありがちな苦悩に、

立ち会う事が多い環境での勘違いが引き起こす不運だ。

 

卒業式になれば、決まって

「おい、おかっぱ。オレさぁ、

ツーショット写真撮って欲しいんだ」

えっえっえっ?

 

「お前、あの子と仲いいだろ?頼んでくれないか?」

やーだねー!いやぁーーーだねーーーー!!

 

とまぁ、己の嫌な部分を垣間見てしまうのも、

美女に囲まれる不運でもあった。

 

恋に悩む美女からは

「彼が別れたいのに、別れてくれないの。

おかっぱ、彼を説得してくれない?」と頼まれた事も、

過去、2回ほどあった。

美女達は、頼みながらも、私を心配してくれたものだ。

「でも、今度は、おかっぱが言い寄られたりしたら、

おかっぱに迷惑かけちゃうかも」との事だ。

やります!二つ返事で、やります!

 

とまぁ、出来うる限りのオシャレをして、

男をバーかなんかに誘い、酒を飲ませて慰めながら説得をして、

彼女と別れる事を納得してもらった。

一切、言い寄られないままに、成功を果たした。

これは・・・幸運か?

 

ここまで書くと、

人は顔だけで運を図れるわけじゃないと思う方も居られるでしょう。

私も、そう思います。

そんな私は、昔、顔を患った事がある。

25歳の頃、顔面神経麻痺という病に襲われた。

顔の右半分の顔面神経が麻痺を起こす事で、

私の顔は、あり得ない程、歪んでしまった。

当時は、今より治療が確立されていなかったせいか、

私の症状は、改善はしたものの、完治はしなかった。

1年以上リハビリを続けた後、ある日、主治医が、

「おかっぱさん、これ以上は治る見込みがありません」

と、言いにくそうに言った言葉は、今でも忘れない。

 

もともと大した顔じゃあるまいし、

これくらいなら、日常生活に支障ないし、全然平気です。

と、笑った私の右顔は、笑顔を作る事ができなかった。

 

それ以来、私は平気な様子で過ごしたが、

本当は鏡なんて、見るのも嫌だった。

笑う時は、必ず口元を手で隠す癖が付いた。

不意に向けられるカメラのレンズを避けて、下を向いた。

 

私さ、ちょっと麻痺が残ってるから、写真に写るのが苦手なんだよね。

そう明るく人に伝えると、決まって、

「全然わかんないよ。言われてもわかんない位、平気だよ」

と励ましてくれたが、それが一番恥ずかしかった。

 

ある時は、

友人とうどんを食べに行った時、

私さ、うどんがすすれないんだと言ったら、

「そっかそっか。じゃ、ストローもなんじゃない?」

と言われて、口笛も吹けないぜっと

吹いて見せながら笑い合った時、

なぜか、ホッとする自分が居た。

 

整体師をしていた頃、一人の美しい女性が来店した。

主訴は、肩こりだった。

子育てに奮闘中で、とても疲れているとの事だった。

定期的に通うようになり、ある日、彼女は私に言った。

「私、子供の前と、ここでしか笑えないの。

ここでは、ずっと、うつ伏せだから、気兼ねなく笑えるわ。

以前やった顎の病気のせいで、口元に、麻痺が残ってしまってね。

笑うと顔が歪むのが嫌で、人前では笑えなくなっちゃったの。」と。

 

私は、不覚にも、その話を聞くまで、彼女の麻痺に気づかなかった。

整体師として失格だと恥ずかしく思ったが、

それに気づかれないよう、すぐに返答をした。

 

お顔、マッサージなど、していますか?

何かしていないと、更に筋肉が硬くなって、

お顔が、動かし辛くなりませんか?

分かるんです。

だって私も、顔に麻痺があるものですから。

 

そう言うと、彼女は驚いたように、私の顔をじっと見た。

そして、「全然、気づかなかったわ。ごめんなさい。」と、

申し訳なさそうに謝る彼女の眼が潤んだのに気づき、

私は、ここぞとばかりに言い訳をした。

 

実は、私も、お客様の麻痺、ぜーんぜん気づかなかったんです。

いえね、美しい人だな~としか。

整体師、失格です。こちらこそ、申し訳ありません。

そんなモノなんですよね。

でも、嫌なモノは、嫌なんです。

私も、もともと大した顔じゃないくせに、

麻痺した自分の顔、さらに嫌んなっちゃいます。

だから無理してまで、笑う事なんて、ないです。

でも、筋肉を柔らく保つだけでも、結構違うの。

これ、やってみてください。おすすめー!

 

そう言って、2人でセルフマッサージを始めた。

にらめっこ状態で、自分の顔をマッサージしている私を見て、

彼女は、何度も吹き出して笑っていた。

その時の彼女は、やっぱり美しかった。

美女は、どんな時も美女なのだ。

 

悩みながら、懸命に生きる姿は、誰だって美しい。

心から楽しんで笑う姿は、誰だって美しい。

優しく眼を潤ませる姿は、誰だって美しい。

心に愛を抱いて生きる、その姿は、

誰だって、美しいのだ。

 

その事に、気づいた私は、幸運なのかもしれない。

 

あやさん、うううう美しいあやさん。

あや「おばちゃん、いつも大きな口で笑ってるじゃない?」

そうだね。

大きな口で笑ってるよね。

 

あや「恥ずかしくないの?」

うん、全然、恥かしくなくなったよ。

 

あや「すごい顔で、寝てる姿も?」

ああ、全然、恥かししくないね。

 

あや「おじさんが複雑な心境で見つめてる姿、あたし、何度も見たけど」

ん?

あんまり酷い時は、起してやってって、おじさんに伝えて!