会社のトイレは、
どこからか、水漏れがしていたんだ。
おはようございます。
しとしとと漏れていた水は、
滴り落ちて、とうとう、屋根に氷柱を作った。
出勤してすぐ、朝日に輝く氷柱を観察するのが、
私の密やかな日課となった。
そして、昨日、
ついに工事業者さんが来たんだ。
来るからねって、聞いていたのに、
私は、今年の抱負でもあるように、
鼻をほじるまいと我慢していたからか、
前もって、トイレに行っておく事を忘れてしまった。
そうなると、俄然、行きたくなるんだ。
今は使っちゃダメ!
そう思えば思う程、行きたくなるんだよ。
「トイレ、行きたい」
まるで幼児のようにモジモジしている45歳の私に、
隣の熟女は、真剣な面持ちで、教えてくれた。
「コンビニ、行っておいで。早く行きなさい」と。
「すまないね、熟女さん。後は、お願いします。」
心で、そう、お辞儀をしながら、私はコンビニへ走った。
いや、走ると漏れるから、
衝撃を与えないように、静かに早歩きした。
そうやって、無表情で、心を無にして、
ようやくたどり着いたコンビニのトイレは、
掃除中だったって訳だ。
嘘だろう?
そりゃないぜ・・・
本当は、店員さんに縋り付きたかったが、
私は、まず堪えたんだ。
じっと堪えた。
そして、心の中で叫んだ。
そして、心の中で、泣いた。
そして、
また静かに、そーっと、社へ戻って行った。
うんこーーー!
うんこ「ん?」
母さん、漏らさなかったぞ。
頑張った母さんを労っておくれよ。
うんこ「んじゃ、起きよう・・・か・・しら」
うんこ「ふぅぅ、無理」
諦めんな!
うんこ、諦めちゃだめだ!
うんこ「下品がダダ漏れな母さんね。」
どうも、すみませんでした。