いつの頃からだろう。
おじさんにプレゼントした高級お洒落サンダルが、
ベランダ用のスリッパと化してしまったのは・・・
おはようございます。
我が家のおじさんは、嘘のない人だから、
時々、そりゃないぜって事も言ったりやったりする。
せっかく買ってきた高級ブランドのサンダルだって、
気に入らなければ、ベランダ用にしちゃうんだ。
吹きっさらしのベランダで高級サンダルは何年も耐えていた。
さすが、高級サンダルだ。
私の記憶が正しければ、7年は耐えていた。
しかし、さすがに、靴底が取れてしまい、買い替えの時がきた。
高級お洒落サンダルよ。
すまない事をしたな。
お前と一緒に、お洒落スポットへ行けなかった事は、
今でも悔やまれるよ。
別れを告げ、新しいベランダ用のサンダルを探しに出かけたが、
どういう訳か、適当な物が見つからない。
中底が、畳。
メッシュの布製スリッパ。
トイレ用ビニールスリッパ。
風呂洗い用スリッポン。
攻撃的な突起の付いた健康サンダル。
「なんか違うんだよな~」
そう呟くと、店員のお姉さんが声を掛けてくれた。
「なにか、お探しですか?」
これは助かると思い、私のイメージを伝えた。
ベランダに置きっぱなすから、濡れても大丈夫な
普通の何でもないスリッパをと。
すると、お姉さんは
「では・・・このタイプはいかがでしょうか?」と
黒いシックなスリッパを薦めてくれた。
中底には、「男のサンダル」と書かれていて、
その、一筆書きの勢いを感じる文字を見て、
我が家のお洒落高級サンダルを彷彿とさせたから、
「これは候補として、他にないですかねぇ?」と難色を示した。
そうして、購入したのが、
これだ。
なんていうのかな?
他になかったのかな?
高級お洒落サンダルに慣れてしまった私は、
しっくりこないまま、家に持ち帰ったのであった。
おい、おたま!
綺麗な足裏だな。
おばちゃんなんか、足裏ガサガサだぞ。
おっ、難色を示した顔か?
やめろ~って事か?
うん、どうしたの?
抵抗するのも諦めちゃったの?
不屈の精神のあやさんは?
なんか、しっくり来ないわ~。
気持ち悪いわ~。