この半生で、
もっとも多くの涙を排出したのは、
おそらく、うんことの闘病期間だっただろう。
おはようございます。
これでもかってくらい泣いた。
でも、不思議なもので、居なくなってもっとも辛かったのは、
実はきくが死んだ後だった。
あれを、ペットロスと呼ぶのかは分からないが、
とにかく精神が不安定になり、何かせねばと思い、
どういう訳か、婚活をしていた。
かなり、いかれていた。
婚活サイトに登録しただけでも、いかれていたが、
プロフィールに、1歳サバを読むという、いかれぶりだった。
そのくせ、『同居している男性が一人おります』っということは、はっきりと明記した。
まるで、子供が一人いますといったノリで、書いた。
かなり、いかれちゃっていた。
じゃあ、今は正常なのかと問われれば、
それは今では分からない。
過ぎてみないと分からないってことがあると思うのだ。
だって、きくの亡き後のいかれっぷりも、
その時には、普通に当たり前のように、いかれていたから。
とにかく、もがいていたんだ。
きくが居なくなった日から、酷くもがいていた。
今も、もがいている。
もがいて、いっそアラブの石油王に嫁げないか企んでいるわけでは無く、
きくみたいな婆さんとの日々に、もがいている。
でも、私はきくとの15年間のおかげで、
きくとの別れの経験のおかげで、
きくみたいな婆さんのことが、許せるようになっていた。
癖の強い手の掛かる婆さんが、きくみたいに愛おしくなるのだから、
やっぱり私は、今もいかれているのかもしれない。
たれ蔵「祖母ちゃん、また家出してきたの?」
かずこさんも、もがいているんだよ。
たれ蔵「大丈夫、僕がついてるよ」
猫は優しい猛獣だ。
そして、たれ蔵の被毛は、ポメラニアンの触り心地だ。
犬好きな私にも、優しい。