猫の日、
この地方はめっぽう寒かった。
おはようございます。
雪もちらほら降る中、外で暮らす猫達にとっては、
耐え凌ぐ日だったろう。
私は月曜日からおじさんを丑三つ時に起こすという大役のせいで、
夢をよく見る。
しかも3夜続けて、同じシチュエーションの夢を見ていた。
「早く行かなくっちゃ、遅れてしまうわ。」
そう言って急ぐ私に、菅田将暉は頷いた。
「お化粧、まずお化粧をぉぉぉ」
急げば急ぐほど、手がおぼつかず、
ついにパウダーケースを落としてしまった。
絨毯にパウダーが散らばり、私はそのパウダーを掌に擦り付け、
パウダーまみれの掌で、顔を擦って化粧を施す。
「もう、これでいいよね?」
私がはにかみながら言うと、菅田将暉は頷いた。
「さぁ、行きましょう」
家を飛び出し、車へ乗り込むのではなく、
私達はエレベーターへ乗り込んだ。
「屋上よね?」
これで間に合うと安堵する私と、頷く菅田将暉。
私がエレベーターのボタンを押そうと手を伸ばすと、
地下2Fを押そうとする高橋一生に気付く。
私は、まずいと、また焦り始めた。
「でも、ちょっと待って。あたし、トイレ行きたい。」
もはや支離滅裂な私に、ついに菅田将暉は声を発した。
「早く行かなきゃ、遅刻しちゃうよぉ。
シャドーボクシング選手権に!」
そこで、私は思った。
シャドーボクシング選手権って、なんなのだ?!
こうして私は、「なんなのだ?なんなの?」とブツブツ言いながら
3夜連続して、丑三つ時に起きている。
ちなみに、月曜は菅田将暉だったが、
火曜日は、
あの地下へ行こうと阻む高橋一生と選手権を目指して
高速道路を走り、
今日は、独りでひたすら、シャドーボクシングに励んでいた。
ただ、シャドーボクシングをしていた。
あの夢は、
ついに選手権に出られたと、そういう事だったのだろうか?
さて、我が家の猫の日は、
普段通り、夜のシャドーからボクシングだ。
たれ蔵「ジャラシ、どこ?どこ?」
こっちこっち
たれ蔵「これだね、母ちゃん?」
あえて、影から捕らえる!
たれ蔵「ここ、だな。ここにあるんだな?」
確認してぇ
隠れたテイで、手探り!
のん太「ん~、これは3点加点らな」
そうなの?どういうことなの?