「おたまが、私の膝に入ってきたの。」
そう言ったから、
アイツは躍起になっている。
おはようございます。
あれ以来、コイツは暇さえあれば、おたまを捕まえて抱いている。
これは、モラハラですか?
いずれにせよ、何某かのハラスメントだ!
こうして気付けば抱かれるおたまも大変だが、
やる気と根気で抱いている男は、実は元気ではない。
おじさんは、コロナに感染して以来、どうも鼻の調子が治らず、
最近では、
「なんか、鼻の奥が痛い」
と言い出した。
「それは、蓄膿症では?」
と伝え、私はそのまま耳鼻科を検索し、最寄りの病院へ予約してやった。
そして、昨日行った病院での診断は、やはり蓄膿症だった。
コロナの後遺症という訳ではないが、
風邪やインフルエンザなどのウイルス感染をきっかけに、
蓄膿症になるということは、よくあることだそうだ。
私は、正直私は、私は・・・ウヒヒヒっと思った。
思ってしまった。
日曜の夕方、『サザエさん』では、ワカメちゃんが相変わらず優しい娘さんだった。
「お姉ちゃんやお母さんみたいに人を助けられる人になりたいのに」
と悩んでいた。
若干9歳にして、そんな悩みを抱えるワカメに、サザエとフネは真剣に向い合い
ワカメを励ます。
なんという、美しい家族愛だろうか。
私は、一緒に観ていた男に、呟くように問いかけた。
「こういう家族の元で育つと、どんな大人になるのだろう?
さぞや、心根の美しい大人になれるのかしら?」
問いかけられた男は、不思議そうに私の顔を覗き込んできた。
けれど、何も答えてはくれない。
「なんか、言ってよ」
私は、そう言いたかった。
何でもいいから、何か言って欲しかったのだ。
去年末、コロナに感染して以来、私は釈然としないモヤモヤを感じていた。
男は、私の発熱と同時に、さっさとホテルへ避難した。
そのくせ、ホテル滞在中に自身が発熱したと分かると、今度はすぐに帰宅して寝込んだ。
私は、自分が飲むはずの解熱剤を男に飲ませ、
買い物へ行けない中、限られた食材で男に食事を作り続けた。
その間に、会えない両親に何度も電話をしたり、
母の腕の怪我のケアだけは避けられないと判断し、私は全身に消毒液をふりかけ、
実家の玄関先まで行き、怪我のケアだけは続けていた。
コロナ自粛中、私は高熱を出したせいで体が疲弊していたが、
男は解熱剤のおかげか、さほど高熱は出さずに済み、
それでも私から受ける看病に、何の疑問ももたない様子で、じっくり1週間ゴロゴロしていた。
「いや、私だって具合良くないのに!」
私は、そう叫びたかった。
だからだ。
だから昨日、蓄膿症だと判明した男に、
なんていうか、なんというのかな~?
ウヒヒヒ、ウ~ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ~って思っちゃったわけだ。
ああ、サザエさん一家みたいな家庭で育っていたら、
こんな気持ちにならないのだろうか・・・。
卑しい私め!
そんな我が家のあやさんは、圧が凄い。
あや「おばちゃん、あたしを撫ぜて」
うんいや、ちょっと待ってね。
急いでパソコンをねって・・・
あや「だめ、今撫ぜて!」
すぐ終わるから、ちょっとだけ待ってって・・・
あや「はい、ガード!カード!!」
凄いですね
あや「どっからでも、かかってこいってばよ!」
どんな家庭で育ったんだよ?!
って、我が家だった。