この土日は、
我が家の猫ら全頭が、病院へ行った。
あやは、猫風邪治療の経過、
白族おたまとのん太は、健診だ。
白族は、初診となる。
おはようございます。
サイコパス先生に、
今後、我が家の猫らを診てもらおうと決めたキッカケは、たれ蔵だった。
たれ蔵の悪性リンパ腫の始まりは、
ちょっとした食欲不振だったが、あるんだ。
この勘の鈍い私でも、「これ、ただ事じゃない気がする」という予感。
今までの病院では、おそらく検査が困難だと思い、
急いで、設備の整った病院を検索し、口コミをチェックし、獣医師の顔写真を確認して、
「よし、ここだ!」
と決めたのが、サイコパス先生だった。
「この面構えは、出来る!」そう踏んだ。
結果、たれ蔵を救うことは出来なかったが、
たれ蔵の痛い苦しいに対しては、出来る限り抑えられたと思っている。
あやは、血液検査の結果が出た。
先週の採血の時は、
「来週、結果が出てるから、その時お話ししましょう」
と言っていたのに、
突然、水曜日にサイコパス先生から電話があった。
私は、いやな汗が一気に溢れた。
いやいや、わざわざ電話が来るってことは、なんか見つかったってこと?
そうでしょう?
そういうことでしょう?
震える手でスマホを持つことは困難だった。
それくらい狼狽えながら、電話に出た。
「ああ、おかっぱさん?あやちゃんの検査の結果なんですが・・・」
ちょっと待って。覚悟する時間が欲しい。
「おおむね、まったく問題ないですねぇ。
むしろ、年齢にしては、凄くいいですよぉ。それじゃまた、土曜日にねぇ。」
と電話が切れた。
ばーかばーか・・・お知らせくださり、ありがとうございます、ばーか!
さすが、サイコパスと呼ぶだけあって、
サイコパス先生は、人の心を弄ぶ術を知り尽くしている。
さて、おたまもサイコパス先生のとこへ行くぞ。
おたま「おら、こんな狭い箱で行くだか?」
違う違う、それは、のんちゃんのキャリーケースだから。
おたまには、健診ついでに診てもらう箇所があった。
これ。
頭のてっぺんのど真ん中に出来た、これだ。
以前、前かかりつけ医にも診てもらったが、検査はしていなかった。
サイコパス先生は、これを見るなり、期待通りの反応を示した。
「ああ、これかぁ。針、刺しちゃおうか。」
と、ギラついた視線を私に送った。
サイコパス先生は、こういう時、最も活き活きする。
針を刺して細胞の一部を顕微鏡で確認する検査だ。
「この子、おっとりしてそうだから、すぐこの場で刺せるから。」
そう軽く言うサイコパス先生に、私は戸惑った。
あんたに、おたまの何が分かるってんだ?
まだ触ってもいねえのに?!
暴れるかも知れないじゃん?それ、あたしが丸腰で押さえろっていうの?
ここで、サイコパス先生の特徴を説明しておく。
彼は、まず、患畜を「可愛い」と形容しない。
そして、無駄に触らない。治療以外で、撫ぜるなど愛撫は一切しない。
これは、たとえ子猫であろうと、子犬であろうとだ。
挨拶代わりのおべっちゃらを言わないのだ。
戸惑う子羊のように狼狽える私を確認して、サイコパス先生は、
「ちょっと一人来て!」
と、実に偉そうにバックヤードに声を掛けた。
すかさず看護師のお姉さんが来て、
「あら、可愛い~大きい~可愛い~」
と、和ませてくれた。
私も、おたまも、看護師さんのおかげで和み癒され、救われた。
検査も知らん間に刺されて終わっていた。
そして結果も、シロ。
「これは皮脂だね。いわゆるニキビみたいなものだから、
心配いらない。ただ潰れる事あるから、その時は診せてね。」
それを聞いて、私はホっとした。
そして、おたまは、お姉さんに撫ぜられまくりながら、
うーーーっとりしていた。
実はその後、帰宅してからも、
おたまはしばらく、玄関で鳴いていた。
「おら、行かねば。おらを待ってるから戻らなければ」
と、多分、そう言っていた。
どうやら、お姉さんに恋をしてしまったようだ。
君達、通院お疲れ様でしたね。
次の回は、『のん太ギャン泣きの巻』でございます。