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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚 宙組公演 「Passion 愛の旅」

2008-04-24 21:55:39 | TAKARAZUKA
宝塚といえば、レビュー。
後半は2人の主役の個性をたくみに場面ごとに使い分けたゴージャスなレビュー。



轟さんが主題歌を歌い上げて幕開き。バックはエンビの男役。
宙は男役の平均身長が高く170cmでは小さいほうに入るくらいなので群舞に見ごたえあり。
続いて宙組の大和悠河や蘭寿とむ、北翔海莉が登場し、豪華に主役級が勢ぞろい。



このあとは、大和悠河を中心としたフレッシュだったり、明るく賑やかだったりするシーンと
轟悠を主役に据えたシックでミステリアスだったりエキゾチックだったりするシーンが交互に現れます。

気に入ったのは「砂漠の薔薇」というアラビアンナイトの世界にストレンジャーが迷い込み。。。というパート。
ここで誘惑者となるオダリスクを踊るのが通常は男役らしい陽月華の代役の凪七瑠海。
ほっそりとしたしなやかな長い手足とうなじがバレリーナのルシア・ラカッラみたい。
男役としてはさほど長身ではない轟さんがリフトするのは微妙なバランスですが、とてもキレイで気に入りました。このまま娘役として踊ってくれればいいのに~。
夢から覚めた轟さんの手には枯れた薔薇が一輪・・・。
ちなみにこういういう幻想的なシーンが演出の酒井澄夫の持ち味だとか。。。



続く「カルナバル」は極彩色のブラジリアンダンス。
ゴクラクチョウのような難易度の高いカラフルな衣装も難なく着こなせるのが大和悠河の魅力というかアドヴァンテージ。
でもなぜかラスト近くの見せ場、シャンパンベージュのタキシードの轟さんと黒のシックなレースのロングドレスの悠河ちゃんが踊る「帰り来ぬ青春」での彼女は・・・。カ-ルの効いた金髪ショートボブの鬘がいけないのか、どこか不自然・・・。華奢な体型で可愛らしい顔立ちなのだからもっと娘役が似合いそうなものなのに・・・。疑問です(笑)



ラストのお約束、階級に比例した量の羽を背負って大階段からご挨拶のシーンではこのW主役をどう裁くかに注目していたのですが、とても自然に並び立ち、その分普段は小ぶりな羽を背負っている皆さんが片方の方に羽のストールをかけるにとどめるなど、舞台上の羽量(?)はたくみにコントロールされていました

美しいけど歌と踊りが今ひとつ。。。とされてきた大和悠河に、主役らしいゆったりとした感じが出てきたのと、脇を固める2、3番手のダンサー蘭寿とむには表現力が、歌い手北翔海莉には今までなかった華と余裕感が生まれてきたみたいで、男役に関していえば中々バランスのとれたいい組になってきたなぁというのが感想。
娘役で背が高く踊りの上手い陽月華ちゃんの復帰が待たれます


宝塚 宙組公演 「黎明の風」

2008-04-24 20:58:34 | TAKARAZUKA
すっかり更新をさぼっていました・・・
なので観たのは13日の日曜日、なのですが、今更の観劇記録です。

会社のヅカファンとそのお友達総勢6名での賑やかな鑑賞・・・。
宙組のTOP男役が大和悠河さんになってから、ここしばらく心が離れていた(?)宝塚に急遽リターンしてくれたファン歴最長(大地真央サン始まり)を誇るOさんにいつもお誘いいただいて・・・結構観ているかも?

今回は大和悠河ファンには残念なことらしいのですが、一年に一度、どこかの組に客演(勿論主役)するというMr.(?)Takarazuka,専科の轟悠さんとのW主役男役ということで、どんなバランスの舞台になるのかを楽しみにしていました



『黎明の風-侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦-』

戦後、マッカーサー率いるGHQの支配下に置かれた敗戦国日本で、唯一国際感覚を持った交渉人として、時の吉田茂内閣を影でサポートした白洲次郎が主役。
で、対するマッカーサーも、フィリピンなどアジアの駐屯地でもその土地の文化を尊重し、日本でも天皇の扱いに相応の尊厳を認めるなど、志の高い教養人としての資質を持った魅力的な人物として描かれます。
主役2人がその日米のカッコいい男たちを演じる・・・ということでなんとか華やかさが醸し出されるものの、いかにも、タカラヅカらしくない第二次世界停戦後の日本というテーマ。

石田昌也の脚本は、戦前戦中の流れも暗くなりすぎずに世相を伝え、観客の気をそらさない巧みな舞台づくり。
脇を支える、白洲次郎に心酔する辰美英次役の蘭寿とむがいつもの達者なダンサー振りを封印して誠実な軍人役をきっちりと演じていたり、吉田茂役の汝鳥伶がとても女性が演じているようには見えない(誉めてます)ゆったりと大きな人物像を自然に演じていてストレートプレイとして味わえる作品。
最後のサンフランシスコ講和会議で当時の白黒映像が流されたときに講和に調印する実在の人物たちと舞台上のタカラヅカ乙女たちにあまりGapを感じさせないでくれたのはこの方の功績でしょう。
惜しむらくは娘役TOPの陽月華ちゃんが稽古中の怪我で出演できず、次郎の妻、白洲正子を演じた和音美桜さんに陽月さんほどの華がなかったこと。白洲正子は彼女自身、一種のカリスマなので、妻役にとどまらない個性が欲しかったのですが・・・こればかりは仕方がありませんね。

わたくし自身はW男役のそれぞれの個性(悠河ちゃんはアメリカ人役に違和感がありませんね!)を堪能しました!
ストーリーも東京ローズやブギなど当時の世相を映す場面を上手に取り入れて説得力があり、楽しめたのですが、このしっかりとしたストーリ-構成がコアなタカラヅカファンには、繰り返しの鑑賞に向かない・・・とやや不評だったりするのがまた面白く思われたことでした。