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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

デンマーク・ロイヤル・バレエ 「ナポリ」 ②

2009-05-25 00:53:13 | BALLET
すみません、すっかり途中で放置してしまいました
実は健康診断の結果、ひどい貧血、ということで色々と対処をとらなくてはならず・・・
ようやく方向が決まりましたので復活です

このバレエは18世紀を生きたデンマーク・バレエの祖、オーギュスト・ブルノンヴィルがその長いキャリアの中で一年だけ、デンマークを離れてイタリアで過ごしたときの印象と、
パリでジゼルを観た影響から作られた、とされる3幕ものの作品。



活気溢れるナポリの港で、恋人通しが恋のさやあて、、、の1幕から
嵐の夜の遭難。
幻想的な青の洞窟で海神に心を寄せられるが、迎えに来た恋人の持つ
聖母マリアの守護メダルを見て記憶が戻るまでの第2幕、
そして港に戻ってお祭り・祝福・喜びの総踊り、の第3幕、という構成です。



この時代の芸術作品はオペラもそうですが、まだ見ぬ遠方の風物を
エキゾチックに魅力的に描いて人々のロマンを掻き立てる・・・というのが
ひとつの特色で、北国デンマークの人々の目に、明るい活気に満ちた南イタリアの風俗、
青の洞窟の幻想シーンでの海の精の踊りなどがどんなに
新鮮に映ったか、ということを想像しながら観るといっそう味わい深いもの。
また、故郷を離れて、外の世界で経験を積み、また故郷に戻る、という3部構成も
ドイツロマン主義の作品のひとつの形で、才能・感性に恵まれたブルノンヴィルが
その時代の空気をいかに吸収しながら作品を作ったかと考えさせられます。



とはいえ、お話はシンプル、得意の足技をふんだんに盛り込んだスピーディな展開での
怒涛の舞踏は、活気に満ちた街の光景、大げさなパントマイムで繰り広げられる明るい雰囲気に
思わず笑みが浮んでしまう、文句なしに楽しめる舞台で、9年前のデンマーク・ロイヤル・バレエの
来日公演でも見たし・・・とあまり期待していなかった分、改めて新鮮な気持ちで楽しめたのが嬉しかったです。