「Nova Bossa Nova」東京公演順調に始まりましたね!
6月3日の初日に大感動しましたが、昨日、6月7日(火)18:30からの公演は、今回最高のSS席。
6列目センターでの観劇は大迫力。
東京公演、役替りはこのような日程になっているのですが・・・
A.(6/3~10) 夢乃聖夏オ―ロ、真風マール、紅メール夫人
B.6/11~24) 真風涼帆オ―ロ、紅マール、夢乃メール
C.6/25~7/3) 紅ゆずるオ―ロ、夢乃マール、真風メール
ちなみに、同じ日程で地味に(?)クラブ・バ―バの歌姫、マダム・ガードにも星の歌姫3名が役替りをします。
A.毬乃 ゆい(6/3~10)、B.音花 ゆり(6/11~24)、C.花愛 瑞穂(6/25~7/3)
それにプラス、中日公演も行くつもりなのですが、これは、バウホール主演のため、真風くんが抜けるので、
マール役を 壱城あずささんと美弥るりかさんが役変わり。これは今、美弥さんの本役のボールソとの交代になります。
9/17(土)~9/20(火) 紅オ―ロ、 壱城マール、 夢乃メール夫人、美弥ボールソ、音花マダムガ―ド
9/22(木)~9/25(日) 夢乃オ―ロ、美弥マール、紅メール夫人、 壱城ボールソ、 毬乃マダムガ―ド
うーん、わたくしが観に行くつもりなのは美弥マールなので、オ―ロとメール夫人は今回のAプロと同じになる、ということですね^^
熱いオ―ロ、ファンキーなメール夫人にはもう一度会える、ということで。
でも真風マールにはこれでさようなら・・・と、役変わりで観ると、気持ちが忙しいです^^;
以下はネタばれありのあらすじです。
最初と最後は砂浜・・・
目覚め、そして余所からのバカンス客、メール夫人とエストレ―ラの登場から始まり、
義賊のソール(子分はみなしごボーロ)と銀行強盗オ―ロ(子分はスリのボールソ)の対決。
最初は銀行強盗の場面で、キザり合い、人々に分け前を与えるソールの勝ち、という感じ。
そしてエストレ―ラのダイヤのネックレスを巡るばかし合い・・・。
これには、まずタンゴ・クラブでのオ―ロのお色気攻撃(エストレ―ラをエスコートしつつ、ネックレスを狙う)とボールソの素早い身のこなしで、まずはオ―ロ組の手に。
それが女だけのクラブ・バ―バのマダムXの手に渡ったことが分かって、女装で潜入する二人のこれまた対決。
ここで奪い返したソール、その時には恋仲になっていたエストレ―ラの首につけてあげます。
同時進行で、もう一つのカップルが・・・。
地元の若者、物売りのマールとブリーザは相思相愛、婚約中です。
タンゴ・クラブの争いで倒れたソールを運ぶ助けをボーロに求められて、マールはブリーザにちょっと行ってくるよ、と。
そこに、ネックレスを手に逃走中のオ―ロ通りかかり、警官隊の目をやり過ごすためにブリーザにキス。
そんな強引なオ―ロに惹かれてしまうブリーザ。ブリーザの野生的な美しさに惹かれるオーロ。
祭りの夜、華やかなパレード、妖しいクラブ、などなど、怒濤のレビューのあと、
踊る人々の群れにブリーザを捜すマールの姿が現れます。
オ―ロとマールの間で引き裂かれるブリーザ。嫉妬に狂う男二人。
祭りの夜に悲劇がおこります。
一方、ソールとエストレ―ラは砂浜で眠りこんでいます。
目覚めて、帰らなくてはと別れを切り出すエストレ―ラ。迎えに来た母親、メール夫人はそっと上着を肩にかけてあげますが、二人の邪魔をしないよう、そっと離れてボーロと海を眺めています。
生きる場所の違う二人、惹かれあう心はそのままに・・・の切ない別れ。
ネックレスをメール夫人に返すソール。
袖に掃けたはずのメール夫人・・・からボールソがネックレスを奪った?
ボールソが勢いよく飛び出し、彼を追うメール夫人・・・ですがその先には・・・
ずっと狂言回し的に舞台を眺めてきたシスター・マーマとルーア神父の募金箱が・・・
ボーロとソールだけが静かな浜辺に残されました。
あ、あれを見なよ、さぁ、行って来い。
札束を渡されたボーロの向かった方に、連行中のマールの姿が。警官二人に札束を渡すボーロ。
手錠が外され、生きていること自由の身になったことを歓び感謝する踊りを踊るマール。
最後はあの手をはたきながら次々と人々が現れ、歌うソールを中心に、全員で頭と腕を上下に振りながらジャンプを繰り返す、単純で熱狂的な怒濤のダンスに・・・。
これは、原作の力、が凄いですね。
それは、その配役に魅せる力のあるスターが入る、という余地を残していて、そこを埋められるスターがおさまることで
グッと光を放つ作品かと。
今観ると、銀行強盗の場面で、非常線のロープの向こうで人々が見守る中を金の袋を子分に背負わせた強盗二人がキザりあったり・・・のシーンとか、ネックレスをエストレ―ラから、オ―ロ、オ―ロからソール、ソールからボールソ、と次々に奪っていく流れ・・・などのテンポは悠長すぎるように感じないでもありませんが、そこはそれぞれのスターの見せ場、ということで問題解決。
その表情、間合いを楽しむための間、と思うとその間は良い緊張を高めこそすれ、決して流れを滞らせるものにはなっていない、と思われますし。
踊りやパワーに組子の勢いを感じるとともに、ソール役者、柚希礼音の圧倒的な存在感に感動。
タンゴ・クラブに繰り出そう、とセンターでサッと脚をあげて踊り出すのデスが、耳の横に上がったその脚と踊りだそうと力をためたボディの作るスペースの大きさと安定感にタメ息が・・・。
ソールって歌が多くて踊りが少ない役という、イメージがありましたが、魅せますね。ちえちゃん(柚希) は。
続きます^^
続きです^^ポイント毎に・・・
■ 恋するソール
今回のノバボサで感じたのは、雪の映像では割合とさらりと描かれていた感のあるソールとエストレ―ラの恋模様が、メインと言って良いほど存在感があった、ということ。
これはちえねねコンビの持ち味と、ねねちゃんの上流階級のお嬢さんにしてはやや奔放な役作りによるのかしら。
オ―ロに誘われて、大人のエスコートにドキドキしてるときにはまだまだお嬢ちゃまでしたが、彼の興味が自分になくてネックレスにあったとわかって一度プチ失恋。その後、車で浜辺にママと到着した時に眼と眼があってちょっと気になっていたソールから誘われてタンゴを踊るシーンでは、すっかり相思相愛でバカンスの恋を満喫。
そう、この踊るシーン、白いロングドレスなのですが、夢咲ねね仕様で深いスリットが入っていて美脚を堪能できる演出に変更
この場面、下手にエストレ―ラ&ソール、上手にブリーザ&オ―ロがカップルでそれぞれ踊っているのですが、エストレ―ラ&ソールは洗練の中に燃え上がる恋が、ブリーザ&オ―ロはもともと血が熱い二人がそのパッションを全開にしている感じが素晴らしくて、一度に両方観なくては・・と忙しい場面です。
多分、役変わりの3人の中で一番踊れるのが夢乃さんなので、このバージョンならではの見どころかも?
そんなラブラブ度が高い二人だからこそ、浜辺の別れのシーンの切なさが沁みます。
目覚めたときのエストレ―ラが淡いピンクのパンツスーツ姿なのに一瞬アレ?と思いましたが、女子度の高い夢咲さんゆえ、横たわる姿などが生々しくならないバランス、ということなのでしょうね。
1人残された柚希さんソールの「エストレ―ラ!」の叫びが、低くてちょっと鼻にかかったハスキ―な声の甘さも手伝って大変切なかったです。
■ 夢乃オ―ロ
えーと、うさんくさいです、登場から^^;いい意味で。
普段から一生懸命で熱くて、真っすぐで、というキャラが持ち味の夢乃聖夏ちゃん。
今回それに「ワルイ」が加わり、味わい深いオ―ロを作り上げてくれました。
真風くんのマールがおっとり青年なので、余計に生粋ラティーナのブリーザれみちゃんが、オ―ロにうっかりなびいてしまった気持ちが、わかります^^;
■ 紅メール夫人
この人のスッとした美しさと、裏腹なこてこてのコメディセンスがこれほど活きる役もそうないのでは?
ムラではちょっとやりすぎ・・・の声も聞こえてきましたが、東京公演で上手く調整してきてくれたのか、やりすぎではありますが、それが不快の域には達せず、充分にその芸を楽しませていただきました。
登場時からソールに色眼を使って「もう、ママったら!」と娘にたしなめられ、クラブでオ―ロを見つけると思わずガン見(笑)
ボールソに対してはもう非道なまでに(笑)振りまわします^^;
酔っぱらって「べサメ・ムーチョ」を歌う場面、ごみ箱から登場、靴を抜いてマイクに見立てて・・・の歌の間合いが絶妙。
歌いながらワンフレーズ口パクになるところで場内爆笑。
でも、最後、エストレ―ラを迎えに行くところでは、しっとりと、人生の先輩なママでした。
上品な外見とハチャメチャな行動のGAPが実に魅力的だったと思います
■ 真風マール
この人の存在感はホントに素晴らしいですね。
下級生ながらも新公の主演を何度も経験してきた、未来のTOP候補。
実際にタッパもありますが、小顔なモデル体型ではなく、全てが大きな舞台人タイプ。
歌舞伎をやっても似合いそうなヴィジュアルです。(ほめてます)
で、どこかおっとりと落ち着いた風情が、個性なのだなぁと。「水さん2世」とその外見で注目されてきた彼女ですが、最近、持ち味がはっきりと出てきた気がします。
マールとしては、ブリーザ一筋の好青年。
ボーロに助けを求められて、快諾するも、ブリーザにちょっと行ってくるね、と目で語るところなど、いかにも頼まれごとをされそうないい人。
・・・で、カーニバルの人ごみの中、必死でブリーザを捜して、見つけたときにはオ―ロと一緒、という場面にキレるところ、大げさな演技なしで、内心のショック、真面目ゆえに慣れないことして悲劇を生む・・・という展開がスムースでした。
最後の解放のダンスはまだ向上の余地はありますが、苦手とされてきた歌も随分上達して(本人比)、バウ主演も張れる器になってきたなと頼もしい限りです^^
■ れみブリーザ
正直、配役発表で、雪組のときはとうこさん、コムちゃんと美しき男役が演じてきたこの大地の女、悲劇のヒロインブリーザを白華れみちゃんが全日通しで・・・と見たときには、役変わりじゃないんだ、なぁんだ、という感じだったのですが^^;
いや、素晴らしい存在感です。
男役の身長分の伸びやかさ充分、黒塗りが似合う白い歯をしっかりと見せた笑顔。
細身なのに筋肉質のどこまでも力強いダンス。
で、しっかりとラテン女の香りが。
マールとカップルのときには、全開の笑顔で彼に視線釘付け、甘えてしなだれかかる様も、微笑ましいお似合いの様子。
でも、オ―ロにキスされて、パッと離れて見つめ合う間に、最初警戒していた野生動物のような表情が、次第に女の媚態に変わる様など、ゾクッとさせられました。
正直、ちょうど1年前の「リラ壁」ヒロインで凰稀さんの相手役として楚々とした薄幸のポーラを演じたときには、これほど幅と奥行きのある女優だとは夢にも思わず・・・。節穴でしたね、わたくしの眼は。
その後、「ロミオとジュリエット」の乳母で泣かせ、「愛と青春の旅立ち」のリネットでちゃっかりとした現実的な婚活娘を共感を得られるキャラとして見せ、「メイちゃんの執事」では現実離れしたルチア様をけれん味たっぷりに演じ・・・・。
男役の2番手にも匹敵する存在感の娘2です。
■ るりかボールソ
凰稀さんが去った後の星組で、つい目が行ってしまうのは、美弥るりかさん。
今回、オ―ロの子分のボールソか・・・メール夫人に絡まれる役ね、とあまり期待もしていなかったのですが、流石の存在感。ネックレスを奪取する流れで、ソールから脅し取る場面の高飛車な顔、風のような身のこなし、メール夫人に絡まれるときの困り顔・・・
そうそう、ちょっとルキーニっぽい、白黒ボ-ダ―のインナーに黒のスーツ、黄色のポケットチーフの衣装が、彼女のシャープな持ち味と黒塗りに映えていましたv
あ、結局ファン目線で何も語っていませんね^^;
まぁ、いちいち何をしても可愛い、ということで・・・^^;
■ クラブ・バ―バ
女だけのクラブ、ということで、女装したソールとオ―ロが潜入する・・・というのが見どころですが、オ―ロともみんのスタイルの良さが確認できる衣装の他、マダムXを演じた万里柚美副組長の変わらぬ美しさと妖艶さも魅力。
紫の蝶の歌姫3人、白妙なつ、優香りこ、妃海風の珍しいメンバーが美声でこの妖しい場面を盛り上げていました^^
■ 怒涛のボーアス・カルナバル
ルーア神父、メール夫人、ラービオスとボールソ、マール、ビーナス、エストレ―ラが次々と羽を背負ったカーニバル衣装でセンターを取ります。
それに合わせてバックも中世の美女、真珠の精、人魚、ドラゴン、サンバダンサーズと入れ替わり立ち替わり、現れて・・という怒濤の中詰が圧巻。
ここではショッキングピンクのビキニ姿で登場し、筋肉質のボディで素晴らしいサンバを踊る裸足のビーナス、ダンサー礼真琴くんに注目です。激しい踊りで目をさらった後は180度開脚で高々とリフトされて掃けますが、礼くんって幕開けの歌いだしでも美声を聞かせてくれましたが、下級生離れした実力派ですね。
お顔は可愛らしいのですが、全てにそつなく、かといって優等生の無味無臭でもない味をしっかりとつけてくるあたり、大物感があります
ホントに楽しいショーでした。
お芝居「めぐり会いは再び」も佳品で、可愛らしくて楽しくて・・・
なのですが、それは追々、後日の観劇後にでも語りたいと思います
6月3日の初日に大感動しましたが、昨日、6月7日(火)18:30からの公演は、今回最高のSS席。
6列目センターでの観劇は大迫力。
東京公演、役替りはこのような日程になっているのですが・・・
A.(6/3~10) 夢乃聖夏オ―ロ、真風マール、紅メール夫人
B.6/11~24) 真風涼帆オ―ロ、紅マール、夢乃メール
C.6/25~7/3) 紅ゆずるオ―ロ、夢乃マール、真風メール
ちなみに、同じ日程で地味に(?)クラブ・バ―バの歌姫、マダム・ガードにも星の歌姫3名が役替りをします。
A.毬乃 ゆい(6/3~10)、B.音花 ゆり(6/11~24)、C.花愛 瑞穂(6/25~7/3)
それにプラス、中日公演も行くつもりなのですが、これは、バウホール主演のため、真風くんが抜けるので、
マール役を 壱城あずささんと美弥るりかさんが役変わり。これは今、美弥さんの本役のボールソとの交代になります。
9/17(土)~9/20(火) 紅オ―ロ、 壱城マール、 夢乃メール夫人、美弥ボールソ、音花マダムガ―ド
9/22(木)~9/25(日) 夢乃オ―ロ、美弥マール、紅メール夫人、 壱城ボールソ、 毬乃マダムガ―ド
うーん、わたくしが観に行くつもりなのは美弥マールなので、オ―ロとメール夫人は今回のAプロと同じになる、ということですね^^
熱いオ―ロ、ファンキーなメール夫人にはもう一度会える、ということで。
でも真風マールにはこれでさようなら・・・と、役変わりで観ると、気持ちが忙しいです^^;
以下はネタばれありのあらすじです。
最初と最後は砂浜・・・
目覚め、そして余所からのバカンス客、メール夫人とエストレ―ラの登場から始まり、
義賊のソール(子分はみなしごボーロ)と銀行強盗オ―ロ(子分はスリのボールソ)の対決。
最初は銀行強盗の場面で、キザり合い、人々に分け前を与えるソールの勝ち、という感じ。
そしてエストレ―ラのダイヤのネックレスを巡るばかし合い・・・。
これには、まずタンゴ・クラブでのオ―ロのお色気攻撃(エストレ―ラをエスコートしつつ、ネックレスを狙う)とボールソの素早い身のこなしで、まずはオ―ロ組の手に。
それが女だけのクラブ・バ―バのマダムXの手に渡ったことが分かって、女装で潜入する二人のこれまた対決。
ここで奪い返したソール、その時には恋仲になっていたエストレ―ラの首につけてあげます。
同時進行で、もう一つのカップルが・・・。
地元の若者、物売りのマールとブリーザは相思相愛、婚約中です。
タンゴ・クラブの争いで倒れたソールを運ぶ助けをボーロに求められて、マールはブリーザにちょっと行ってくるよ、と。
そこに、ネックレスを手に逃走中のオ―ロ通りかかり、警官隊の目をやり過ごすためにブリーザにキス。
そんな強引なオ―ロに惹かれてしまうブリーザ。ブリーザの野生的な美しさに惹かれるオーロ。
祭りの夜、華やかなパレード、妖しいクラブ、などなど、怒濤のレビューのあと、
踊る人々の群れにブリーザを捜すマールの姿が現れます。
オ―ロとマールの間で引き裂かれるブリーザ。嫉妬に狂う男二人。
祭りの夜に悲劇がおこります。
一方、ソールとエストレ―ラは砂浜で眠りこんでいます。
目覚めて、帰らなくてはと別れを切り出すエストレ―ラ。迎えに来た母親、メール夫人はそっと上着を肩にかけてあげますが、二人の邪魔をしないよう、そっと離れてボーロと海を眺めています。
生きる場所の違う二人、惹かれあう心はそのままに・・・の切ない別れ。
ネックレスをメール夫人に返すソール。
袖に掃けたはずのメール夫人・・・からボールソがネックレスを奪った?
ボールソが勢いよく飛び出し、彼を追うメール夫人・・・ですがその先には・・・
ずっと狂言回し的に舞台を眺めてきたシスター・マーマとルーア神父の募金箱が・・・
ボーロとソールだけが静かな浜辺に残されました。
あ、あれを見なよ、さぁ、行って来い。
札束を渡されたボーロの向かった方に、連行中のマールの姿が。警官二人に札束を渡すボーロ。
手錠が外され、生きていること自由の身になったことを歓び感謝する踊りを踊るマール。
最後はあの手をはたきながら次々と人々が現れ、歌うソールを中心に、全員で頭と腕を上下に振りながらジャンプを繰り返す、単純で熱狂的な怒濤のダンスに・・・。
これは、原作の力、が凄いですね。
それは、その配役に魅せる力のあるスターが入る、という余地を残していて、そこを埋められるスターがおさまることで
グッと光を放つ作品かと。
今観ると、銀行強盗の場面で、非常線のロープの向こうで人々が見守る中を金の袋を子分に背負わせた強盗二人がキザりあったり・・・のシーンとか、ネックレスをエストレ―ラから、オ―ロ、オ―ロからソール、ソールからボールソ、と次々に奪っていく流れ・・・などのテンポは悠長すぎるように感じないでもありませんが、そこはそれぞれのスターの見せ場、ということで問題解決。
その表情、間合いを楽しむための間、と思うとその間は良い緊張を高めこそすれ、決して流れを滞らせるものにはなっていない、と思われますし。
踊りやパワーに組子の勢いを感じるとともに、ソール役者、柚希礼音の圧倒的な存在感に感動。
タンゴ・クラブに繰り出そう、とセンターでサッと脚をあげて踊り出すのデスが、耳の横に上がったその脚と踊りだそうと力をためたボディの作るスペースの大きさと安定感にタメ息が・・・。
ソールって歌が多くて踊りが少ない役という、イメージがありましたが、魅せますね。ちえちゃん(柚希) は。
続きます^^
続きです^^ポイント毎に・・・

■ 恋するソール
今回のノバボサで感じたのは、雪の映像では割合とさらりと描かれていた感のあるソールとエストレ―ラの恋模様が、メインと言って良いほど存在感があった、ということ。
これはちえねねコンビの持ち味と、ねねちゃんの上流階級のお嬢さんにしてはやや奔放な役作りによるのかしら。
オ―ロに誘われて、大人のエスコートにドキドキしてるときにはまだまだお嬢ちゃまでしたが、彼の興味が自分になくてネックレスにあったとわかって一度プチ失恋。その後、車で浜辺にママと到着した時に眼と眼があってちょっと気になっていたソールから誘われてタンゴを踊るシーンでは、すっかり相思相愛でバカンスの恋を満喫。
そう、この踊るシーン、白いロングドレスなのですが、夢咲ねね仕様で深いスリットが入っていて美脚を堪能できる演出に変更

この場面、下手にエストレ―ラ&ソール、上手にブリーザ&オ―ロがカップルでそれぞれ踊っているのですが、エストレ―ラ&ソールは洗練の中に燃え上がる恋が、ブリーザ&オ―ロはもともと血が熱い二人がそのパッションを全開にしている感じが素晴らしくて、一度に両方観なくては・・と忙しい場面です。
多分、役変わりの3人の中で一番踊れるのが夢乃さんなので、このバージョンならではの見どころかも?
そんなラブラブ度が高い二人だからこそ、浜辺の別れのシーンの切なさが沁みます。
目覚めたときのエストレ―ラが淡いピンクのパンツスーツ姿なのに一瞬アレ?と思いましたが、女子度の高い夢咲さんゆえ、横たわる姿などが生々しくならないバランス、ということなのでしょうね。
1人残された柚希さんソールの「エストレ―ラ!」の叫びが、低くてちょっと鼻にかかったハスキ―な声の甘さも手伝って大変切なかったです。
■ 夢乃オ―ロ
えーと、うさんくさいです、登場から^^;いい意味で。
普段から一生懸命で熱くて、真っすぐで、というキャラが持ち味の夢乃聖夏ちゃん。
今回それに「ワルイ」が加わり、味わい深いオ―ロを作り上げてくれました。
真風くんのマールがおっとり青年なので、余計に生粋ラティーナのブリーザれみちゃんが、オ―ロにうっかりなびいてしまった気持ちが、わかります^^;
■ 紅メール夫人
この人のスッとした美しさと、裏腹なこてこてのコメディセンスがこれほど活きる役もそうないのでは?
ムラではちょっとやりすぎ・・・の声も聞こえてきましたが、東京公演で上手く調整してきてくれたのか、やりすぎではありますが、それが不快の域には達せず、充分にその芸を楽しませていただきました。
登場時からソールに色眼を使って「もう、ママったら!」と娘にたしなめられ、クラブでオ―ロを見つけると思わずガン見(笑)
ボールソに対してはもう非道なまでに(笑)振りまわします^^;
酔っぱらって「べサメ・ムーチョ」を歌う場面、ごみ箱から登場、靴を抜いてマイクに見立てて・・・の歌の間合いが絶妙。
歌いながらワンフレーズ口パクになるところで場内爆笑。
でも、最後、エストレ―ラを迎えに行くところでは、しっとりと、人生の先輩なママでした。
上品な外見とハチャメチャな行動のGAPが実に魅力的だったと思います

■ 真風マール
この人の存在感はホントに素晴らしいですね。
下級生ながらも新公の主演を何度も経験してきた、未来のTOP候補。
実際にタッパもありますが、小顔なモデル体型ではなく、全てが大きな舞台人タイプ。
歌舞伎をやっても似合いそうなヴィジュアルです。(ほめてます)
で、どこかおっとりと落ち着いた風情が、個性なのだなぁと。「水さん2世」とその外見で注目されてきた彼女ですが、最近、持ち味がはっきりと出てきた気がします。
マールとしては、ブリーザ一筋の好青年。
ボーロに助けを求められて、快諾するも、ブリーザにちょっと行ってくるね、と目で語るところなど、いかにも頼まれごとをされそうないい人。
・・・で、カーニバルの人ごみの中、必死でブリーザを捜して、見つけたときにはオ―ロと一緒、という場面にキレるところ、大げさな演技なしで、内心のショック、真面目ゆえに慣れないことして悲劇を生む・・・という展開がスムースでした。
最後の解放のダンスはまだ向上の余地はありますが、苦手とされてきた歌も随分上達して(本人比)、バウ主演も張れる器になってきたなと頼もしい限りです^^
■ れみブリーザ
正直、配役発表で、雪組のときはとうこさん、コムちゃんと美しき男役が演じてきたこの大地の女、悲劇のヒロインブリーザを白華れみちゃんが全日通しで・・・と見たときには、役変わりじゃないんだ、なぁんだ、という感じだったのですが^^;
いや、素晴らしい存在感です。
男役の身長分の伸びやかさ充分、黒塗りが似合う白い歯をしっかりと見せた笑顔。
細身なのに筋肉質のどこまでも力強いダンス。
で、しっかりとラテン女の香りが。
マールとカップルのときには、全開の笑顔で彼に視線釘付け、甘えてしなだれかかる様も、微笑ましいお似合いの様子。
でも、オ―ロにキスされて、パッと離れて見つめ合う間に、最初警戒していた野生動物のような表情が、次第に女の媚態に変わる様など、ゾクッとさせられました。
正直、ちょうど1年前の「リラ壁」ヒロインで凰稀さんの相手役として楚々とした薄幸のポーラを演じたときには、これほど幅と奥行きのある女優だとは夢にも思わず・・・。節穴でしたね、わたくしの眼は。
その後、「ロミオとジュリエット」の乳母で泣かせ、「愛と青春の旅立ち」のリネットでちゃっかりとした現実的な婚活娘を共感を得られるキャラとして見せ、「メイちゃんの執事」では現実離れしたルチア様をけれん味たっぷりに演じ・・・・。
男役の2番手にも匹敵する存在感の娘2です。
■ るりかボールソ
凰稀さんが去った後の星組で、つい目が行ってしまうのは、美弥るりかさん。
今回、オ―ロの子分のボールソか・・・メール夫人に絡まれる役ね、とあまり期待もしていなかったのですが、流石の存在感。ネックレスを奪取する流れで、ソールから脅し取る場面の高飛車な顔、風のような身のこなし、メール夫人に絡まれるときの困り顔・・・
そうそう、ちょっとルキーニっぽい、白黒ボ-ダ―のインナーに黒のスーツ、黄色のポケットチーフの衣装が、彼女のシャープな持ち味と黒塗りに映えていましたv
あ、結局ファン目線で何も語っていませんね^^;
まぁ、いちいち何をしても可愛い、ということで・・・^^;
■ クラブ・バ―バ
女だけのクラブ、ということで、女装したソールとオ―ロが潜入する・・・というのが見どころですが、オ―ロともみんのスタイルの良さが確認できる衣装の他、マダムXを演じた万里柚美副組長の変わらぬ美しさと妖艶さも魅力。
紫の蝶の歌姫3人、白妙なつ、優香りこ、妃海風の珍しいメンバーが美声でこの妖しい場面を盛り上げていました^^
■ 怒涛のボーアス・カルナバル
ルーア神父、メール夫人、ラービオスとボールソ、マール、ビーナス、エストレ―ラが次々と羽を背負ったカーニバル衣装でセンターを取ります。
それに合わせてバックも中世の美女、真珠の精、人魚、ドラゴン、サンバダンサーズと入れ替わり立ち替わり、現れて・・という怒濤の中詰が圧巻。
ここではショッキングピンクのビキニ姿で登場し、筋肉質のボディで素晴らしいサンバを踊る裸足のビーナス、ダンサー礼真琴くんに注目です。激しい踊りで目をさらった後は180度開脚で高々とリフトされて掃けますが、礼くんって幕開けの歌いだしでも美声を聞かせてくれましたが、下級生離れした実力派ですね。
お顔は可愛らしいのですが、全てにそつなく、かといって優等生の無味無臭でもない味をしっかりとつけてくるあたり、大物感があります

ホントに楽しいショーでした。
お芝居「めぐり会いは再び」も佳品で、可愛らしくて楽しくて・・・

なのですが、それは追々、後日の観劇後にでも語りたいと思います
