星組台湾公演ライブビューイングの六本木から急遽五反田へ・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/38.gif)
間に合いました!
2013年4月17日(水)6:30 p.m. / 会場:ゆうぽうとホール
《マニュエル・ルグリの新しき世界III》Aプロ
◆「カルメン」 より
振付:ダヴィデ・ボンバナ 音楽:ジョルジュ・ビゼーほか
ニーナ・ポラコワ、キリル・クルラーエフ
金髪薄口の美丈夫クルラ―エフの端正なホセと、黒髪長身美女のポラコワ。
基本クラシックメソッドで踊っているクルラ―エフと、姿勢も背を丸めたり、どちらかというとモダン寄りのポラコワの踊りのタイプの違いが丁度ホセとカルメンのキャラクターに合っているような気がしないでもなかったのですが・・・。
「カルメン」と言えばローラン・プティの粋な振付でフェリとイレールが踊った奇跡のドラマや、妖艶そのもののシアラヴォラの真っ白な美脚が基本になってしまっているので、なんだか薄口な「カルメン」だと思ってしまいました。
とはいえ、ウィーンのダンサーたちは美しいですね^^
◆「ウィンド・アンド・クラウド」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:カイハン・カルホール、アリ・バーラミ・ファード
パトリック・ド・バナ
タトゥーの入った上半身をむき出しに、オ―ガンジーを重ねたようなブルー~グリーングラデのプリーツロングスカートの衣装で、エキゾチックな音楽に合わせてド・バナさんの旋回舞踊が・・・・
・・・・寝落ちしてしまいました。
悪かったのではなく、暗い照明、瞑想的な音楽、旋回するスパイラルの残像のコンビネーションで、安らいでしまったかと思われます^^;
前から5列目センターブロックの観客として失礼極まりないことと反省![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/135.gif)
◆「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マリア・ヤコヴレワ、デニス・チェリェヴィチコ
ヤコブレワは可愛らしくも美しく、チェリェヴィチコも・・・いや、わたくしは彼の良さがあまり分からず^^;
体幹にみっちりと筋肉のついている手足の小さい体型がダメなのかもしれませんが・・・。
パートナリングが今一つで、おっとアブナイ的な瞬間が多かったように思います。
今回は、確か、デヴィッド・ホールバーグが踊るはずが故障が治らず急遽の代役だったという事情を加味して仕方がないのかなとは思いますが・・・。
頭上にリフトされたヤコヴレワがリフトされた体制ですでに起き上がり始めてしまっているタイミングのズレが気にかかって仕方なく・・・最後のリフトしたまま掃けるところ、ヤコヴレワがずり落ちそうになっていました。
とはいえ、チェリェヴィチコもソロでのフェッテの安定感は抜群で、別人のよう。
もしかすると、この二人は普段は組んでいないのかもしれませんね。
あと、この演目はバレフェスの定番なので、今までにみたダンサーが、ルグリ先生を始め、マラーホフ、コレ―ラ、コボーなど錚々たる面々だったというのが邪魔しているのかもしれません^^;
◆「スプリング・アンド・フォール」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:アントニン・ドヴォルザーク
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
小出領子、後藤晴雄、東京バレエ団
東バは小出さんに貫録が出てきたな・・・というのと、こういう場面の群舞で芯を取るのがちょっと前なら松下さんや長瀬くんなど安定した実力者が固めていたはずなのに、今は宮本さんや梅澤さん、森川さんクラスなんだ・・とテンションが下がりました。以前の緊張感や統一された美しさがなく、振りを覚えたばかりです、という感じが漂っていたのは残念。
それだけに、リアブコ・アッツォー二の素晴らしさが![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/27.gif)
もう、別次元の出来事のように光り輝いていました。
特にリアブコ!彼を初めてバレフェスで観た時の驚きと感動が今そのまま蘇る若々しさで・・・。
彼ももう30代のベテランですが、その揺るぎないムーブメントとノイマイヤー作品の理解度の高さは変わらず。
一挙手一投足にも詩情が香り立つような、豊かさを湛えた踊りに心から感動し、あぁ、今日はこのリアブコを観た、というだけで、この場にいる意味がある、とまで思ったことでした。
アッツォー二もたゆたうような踊りと情緒豊かな表現で、素晴らしいパートナーシップを見せてくれました。
観終わった後も、何日もドヴォルザークの「弦楽セレナード」が脳裏によみがえり、切ないまでに美しい舞台を思いおこさせてくれました。
ノイマイヤー作品をノイマイヤーダンサーが踊る、ということの意味をしっかりと見せてくれた彼らが、今回このガラに参加してくれたことを感謝します。
◆「こうもり」 より
振付:ローラン・プティ 音楽:ヨハン・シュトラウス2世
マリア・ヤコヴレワ、マニュエル・ルグリ
矢島まい
![](https://img.yaplog.jp/img/18/pc/m/a/r/maria-pon/1/1375.jpg)
そして、なんてチャーミングなルグリ!
オペレッタ「こうもり」の、地味な奥様べラを誘いに来たウルリックのくどきに負けて、控え目な白のロングワンピから、美脚を見せつけるような黒のコルセットドレスにフワリと黒マントをまとって、さぁ、夜の社交場にいざ繰り出さん!という場面。
小顔で楚々としたヤコヴレワが妖艶でコケティッシュな変身を遂げるのと、くるくる変わる表情のCUTEさにも心躍りましたがなんといっても口髭タキシードで軽妙に粋に踊るルグリ先生の魅力的なことといったら!!
いや~王子様は無理としても、こういう年齢に合ったダンディな役を見つけて、まだまだ踊り続けていただきたいものです。
前回の来日時には、最上のお席をNBSさんから割り振っていただいたにも関わらず(祭典会員)、仕事で行かれなくなり、泣く泣く友人にプレゼントした・・・というわけで、「こうもり」のルグリ先生を観たのが初見だったのですが、一層全幕を見逃したことが惜しまれます^^;
【 休 憩 】
◆「トリアーナ」
振付:ヘレナ・マーティン 音楽:イサーク・アルベニス
ヘレナ・マーティン
フラメンコダンサー、ヘレナ・マーティンの貫録の舞。
黒いストレッチのピッタリとしたシ―スル―ニットを脱いで、アイボリーベージュのレオタードにアシンメトリーにフリルのあしらわれたスリット入りのレースのマーメイドドレスの衣装で自在に踊る彼女は確か前回のルグリの新しき世界公演でも出演されていたような・・・。
常連組ですね。
◆「バッハ組曲第3番」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ
ヤコヴレワとクルラ―エフによるノイマイヤー。足首までのユニタード姿の2人、とても長身で美しく、ウィーンの女性は髪をまとめるときに端正な夜会巻きにするアレンジが多く、それも整った容姿の彼女たちによく似合っていると思います。
◆「赤い涙」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:カイハン・カルホール、アリ・バーラミ・ファード
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ、パトリック・ド・バナ
赤と青のグラデーション衣装の3人。あまり馴染みのないメンバーですが、ここでもわたくしの緊張が解けてしまい・・・。伸び伸びとしたダンスでしたが、彼らのダンスの方向性がわたくしが舞台に求めるものと異なるのだと思います。
◆「ハムレット」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:マイケル・ティペット
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
これはバレフェスで観たことのある、三つ編みの少女オフィーリアに別れを告げに来る、スーツケースを下げた少年ハムレット、という場面ですね。
バタバタとあわただしく登場するハムレットはチルデンセーターの下のシャツが半分外に出てしまっている慌てっぷりで、急なことに驚き別れを惜しむオフィーリアと、心動かされつつも出立の時に心急くハムレット・・・という感じで、表現力たっぷりの2人に、一度全幕で観てみたいものだと思う反面、GALAでの限られた出演作なら、この2人で観たい演目は他にありそうだなと^^;
ちょっともったいない気がしてしまうのでした・・・。
◆「ルートヴィヒ2世‐白鳥の王」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:リヒャルト・ワーグナー
マリア・ヤコヴレワ、ニーナ・ポラコワ、マニュエル・ルグリ
これも以前、見たことのある演目。
跳ねた口髭センターパーツの髪で、ルートヴィヒ2世を演じる簡素な白の衣装のルグリを巡り、彼を心配するエリザベートを演じるヤコヴレワは重厚な臙脂系のドレス、一方王座に腰掛け、彼を誘って翻弄し、異次元に連れ出す「湖の貴婦人」役のポラコワは白のユニタード。クラシカルなヤコヴレワ、モダンよりのポラコワ、それぞれの持ち味に合った配役・・なのかもしれませんが、どうも、ルートヴィヒというとヴィスコンティの映画の印象が刷り込まれているせいか、エリザベートにもっと独立自尊の精神と言うか自由な風を感じたいと思ってしまい、ちょっと優しげで気遣いのあるヤコヴレワの役作りが歯がゆく思えてしまいます。
ルグリ先生は心揺れる、精神世界に惹かれてあちらに行ってしまいそうな王を的確に演じていらっしゃるとは思うのですが・・・彼の踊りの素晴らしさを堪能するにはもっと適した演目があるのではないかとこれまた歯がゆい感じがしてしまいました。
ド・バナさんと初めて組まれたときには、それまでソロと言えば「エンジェル」一辺倒だったルグリ先生にあたらしいレパートリーが!と、とても新鮮に感じて歓迎していたのですが、今となっては、また、他のGALA向けのソロを考えていただきたいという・・・。
ファンとは欲深いものですね^^;
ピアノ:髙橋 望(「トリアーナ」)
※音楽は特別録音による音源を使用します。(「トリアーナ」のみピアノ伴奏)
◇上演時間◇
第1部 18:30 - 19:50 <休憩 20分> 第2部 20:10 - 21:20
予定されていたデヴィッド・ホールバーグが足の指?の骨折で休演。
急遽デニス・チェリェヴィチコが入ったり、ルグリの新作が間に合わず、AプロとBプロで作品を入れ替えたり・・の
変更はありましたが、なんといってもハンブルグの2人!リアブコとアッツォー二の次元の違うパフォーマンスが素晴らしく・・・・・。
それだけで来た甲斐のあるGALAでした。
個々の感想はまた改めて・・・
(4月21日、UPしました
)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/38.gif)
間に合いました!
2013年4月17日(水)6:30 p.m. / 会場:ゆうぽうとホール
《マニュエル・ルグリの新しき世界III》Aプロ
◆「カルメン」 より
振付:ダヴィデ・ボンバナ 音楽:ジョルジュ・ビゼーほか
ニーナ・ポラコワ、キリル・クルラーエフ
金髪薄口の美丈夫クルラ―エフの端正なホセと、黒髪長身美女のポラコワ。
基本クラシックメソッドで踊っているクルラ―エフと、姿勢も背を丸めたり、どちらかというとモダン寄りのポラコワの踊りのタイプの違いが丁度ホセとカルメンのキャラクターに合っているような気がしないでもなかったのですが・・・。
「カルメン」と言えばローラン・プティの粋な振付でフェリとイレールが踊った奇跡のドラマや、妖艶そのもののシアラヴォラの真っ白な美脚が基本になってしまっているので、なんだか薄口な「カルメン」だと思ってしまいました。
とはいえ、ウィーンのダンサーたちは美しいですね^^
◆「ウィンド・アンド・クラウド」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:カイハン・カルホール、アリ・バーラミ・ファード
パトリック・ド・バナ
タトゥーの入った上半身をむき出しに、オ―ガンジーを重ねたようなブルー~グリーングラデのプリーツロングスカートの衣装で、エキゾチックな音楽に合わせてド・バナさんの旋回舞踊が・・・・
・・・・寝落ちしてしまいました。
悪かったのではなく、暗い照明、瞑想的な音楽、旋回するスパイラルの残像のコンビネーションで、安らいでしまったかと思われます^^;
前から5列目センターブロックの観客として失礼極まりないことと反省
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/135.gif)
◆「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マリア・ヤコヴレワ、デニス・チェリェヴィチコ
ヤコブレワは可愛らしくも美しく、チェリェヴィチコも・・・いや、わたくしは彼の良さがあまり分からず^^;
体幹にみっちりと筋肉のついている手足の小さい体型がダメなのかもしれませんが・・・。
パートナリングが今一つで、おっとアブナイ的な瞬間が多かったように思います。
今回は、確か、デヴィッド・ホールバーグが踊るはずが故障が治らず急遽の代役だったという事情を加味して仕方がないのかなとは思いますが・・・。
頭上にリフトされたヤコヴレワがリフトされた体制ですでに起き上がり始めてしまっているタイミングのズレが気にかかって仕方なく・・・最後のリフトしたまま掃けるところ、ヤコヴレワがずり落ちそうになっていました。
とはいえ、チェリェヴィチコもソロでのフェッテの安定感は抜群で、別人のよう。
もしかすると、この二人は普段は組んでいないのかもしれませんね。
あと、この演目はバレフェスの定番なので、今までにみたダンサーが、ルグリ先生を始め、マラーホフ、コレ―ラ、コボーなど錚々たる面々だったというのが邪魔しているのかもしれません^^;
◆「スプリング・アンド・フォール」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:アントニン・ドヴォルザーク
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
小出領子、後藤晴雄、東京バレエ団
東バは小出さんに貫録が出てきたな・・・というのと、こういう場面の群舞で芯を取るのがちょっと前なら松下さんや長瀬くんなど安定した実力者が固めていたはずなのに、今は宮本さんや梅澤さん、森川さんクラスなんだ・・とテンションが下がりました。以前の緊張感や統一された美しさがなく、振りを覚えたばかりです、という感じが漂っていたのは残念。
それだけに、リアブコ・アッツォー二の素晴らしさが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/27.gif)
もう、別次元の出来事のように光り輝いていました。
特にリアブコ!彼を初めてバレフェスで観た時の驚きと感動が今そのまま蘇る若々しさで・・・。
彼ももう30代のベテランですが、その揺るぎないムーブメントとノイマイヤー作品の理解度の高さは変わらず。
一挙手一投足にも詩情が香り立つような、豊かさを湛えた踊りに心から感動し、あぁ、今日はこのリアブコを観た、というだけで、この場にいる意味がある、とまで思ったことでした。
アッツォー二もたゆたうような踊りと情緒豊かな表現で、素晴らしいパートナーシップを見せてくれました。
観終わった後も、何日もドヴォルザークの「弦楽セレナード」が脳裏によみがえり、切ないまでに美しい舞台を思いおこさせてくれました。
ノイマイヤー作品をノイマイヤーダンサーが踊る、ということの意味をしっかりと見せてくれた彼らが、今回このガラに参加してくれたことを感謝します。
◆「こうもり」 より
振付:ローラン・プティ 音楽:ヨハン・シュトラウス2世
マリア・ヤコヴレワ、マニュエル・ルグリ
矢島まい
![](https://img.yaplog.jp/img/18/pc/m/a/r/maria-pon/1/1375.jpg)
そして、なんてチャーミングなルグリ!
オペレッタ「こうもり」の、地味な奥様べラを誘いに来たウルリックのくどきに負けて、控え目な白のロングワンピから、美脚を見せつけるような黒のコルセットドレスにフワリと黒マントをまとって、さぁ、夜の社交場にいざ繰り出さん!という場面。
小顔で楚々としたヤコヴレワが妖艶でコケティッシュな変身を遂げるのと、くるくる変わる表情のCUTEさにも心躍りましたがなんといっても口髭タキシードで軽妙に粋に踊るルグリ先生の魅力的なことといったら!!
いや~王子様は無理としても、こういう年齢に合ったダンディな役を見つけて、まだまだ踊り続けていただきたいものです。
前回の来日時には、最上のお席をNBSさんから割り振っていただいたにも関わらず(祭典会員)、仕事で行かれなくなり、泣く泣く友人にプレゼントした・・・というわけで、「こうもり」のルグリ先生を観たのが初見だったのですが、一層全幕を見逃したことが惜しまれます^^;
【 休 憩 】
◆「トリアーナ」
振付:ヘレナ・マーティン 音楽:イサーク・アルベニス
ヘレナ・マーティン
フラメンコダンサー、ヘレナ・マーティンの貫録の舞。
黒いストレッチのピッタリとしたシ―スル―ニットを脱いで、アイボリーベージュのレオタードにアシンメトリーにフリルのあしらわれたスリット入りのレースのマーメイドドレスの衣装で自在に踊る彼女は確か前回のルグリの新しき世界公演でも出演されていたような・・・。
常連組ですね。
◆「バッハ組曲第3番」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ
ヤコヴレワとクルラ―エフによるノイマイヤー。足首までのユニタード姿の2人、とても長身で美しく、ウィーンの女性は髪をまとめるときに端正な夜会巻きにするアレンジが多く、それも整った容姿の彼女たちによく似合っていると思います。
◆「赤い涙」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:カイハン・カルホール、アリ・バーラミ・ファード
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ、パトリック・ド・バナ
赤と青のグラデーション衣装の3人。あまり馴染みのないメンバーですが、ここでもわたくしの緊張が解けてしまい・・・。伸び伸びとしたダンスでしたが、彼らのダンスの方向性がわたくしが舞台に求めるものと異なるのだと思います。
◆「ハムレット」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:マイケル・ティペット
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
これはバレフェスで観たことのある、三つ編みの少女オフィーリアに別れを告げに来る、スーツケースを下げた少年ハムレット、という場面ですね。
バタバタとあわただしく登場するハムレットはチルデンセーターの下のシャツが半分外に出てしまっている慌てっぷりで、急なことに驚き別れを惜しむオフィーリアと、心動かされつつも出立の時に心急くハムレット・・・という感じで、表現力たっぷりの2人に、一度全幕で観てみたいものだと思う反面、GALAでの限られた出演作なら、この2人で観たい演目は他にありそうだなと^^;
ちょっともったいない気がしてしまうのでした・・・。
◆「ルートヴィヒ2世‐白鳥の王」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:リヒャルト・ワーグナー
マリア・ヤコヴレワ、ニーナ・ポラコワ、マニュエル・ルグリ
これも以前、見たことのある演目。
跳ねた口髭センターパーツの髪で、ルートヴィヒ2世を演じる簡素な白の衣装のルグリを巡り、彼を心配するエリザベートを演じるヤコヴレワは重厚な臙脂系のドレス、一方王座に腰掛け、彼を誘って翻弄し、異次元に連れ出す「湖の貴婦人」役のポラコワは白のユニタード。クラシカルなヤコヴレワ、モダンよりのポラコワ、それぞれの持ち味に合った配役・・なのかもしれませんが、どうも、ルートヴィヒというとヴィスコンティの映画の印象が刷り込まれているせいか、エリザベートにもっと独立自尊の精神と言うか自由な風を感じたいと思ってしまい、ちょっと優しげで気遣いのあるヤコヴレワの役作りが歯がゆく思えてしまいます。
ルグリ先生は心揺れる、精神世界に惹かれてあちらに行ってしまいそうな王を的確に演じていらっしゃるとは思うのですが・・・彼の踊りの素晴らしさを堪能するにはもっと適した演目があるのではないかとこれまた歯がゆい感じがしてしまいました。
ド・バナさんと初めて組まれたときには、それまでソロと言えば「エンジェル」一辺倒だったルグリ先生にあたらしいレパートリーが!と、とても新鮮に感じて歓迎していたのですが、今となっては、また、他のGALA向けのソロを考えていただきたいという・・・。
ファンとは欲深いものですね^^;
ピアノ:髙橋 望(「トリアーナ」)
※音楽は特別録音による音源を使用します。(「トリアーナ」のみピアノ伴奏)
◇上演時間◇
第1部 18:30 - 19:50 <休憩 20分> 第2部 20:10 - 21:20
予定されていたデヴィッド・ホールバーグが足の指?の骨折で休演。
急遽デニス・チェリェヴィチコが入ったり、ルグリの新作が間に合わず、AプロとBプロで作品を入れ替えたり・・の
変更はありましたが、なんといってもハンブルグの2人!リアブコとアッツォー二の次元の違うパフォーマンスが素晴らしく・・・・・。
それだけで来た甲斐のあるGALAでした。
個々の感想はまた改めて・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/252.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/250.gif)