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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

ユジャ・ワン ピアノリサイタル@サントリーホール

2013-04-22 05:34:50 | MUSIC
このところ劇場のはしごが休日の定番と化していますが・・・^^;
五反田から六本木1丁目に・・・。

2013年4月21日(日)19:00スタートのユジャ・ワン ピアノ・リサイタル
サントリーホールの大ホールにて。

スクリャービン: ピアノ・ソナタ第2番 嬰ト短調 op.19 「幻想ソナタ」
プロコフィエフ: ピアノ・ソナタ第6番 イ長調 op.82

休憩

リーバーマン: ガーゴイル op.29
ラフマニノフ: ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.36(1931年改訂版)


アンコール曲

シューベルト(リスト編): 糸を紡ぐグレートヒェン

ビゼー(ホロヴィッツ編): 「カルメン」の主題による変奏曲

グルック(ズガンバーティ編):メロディ

プロコフィエフ: トッカータ

ショパン: ワルツ 嬰ハ短調 op.64-2

ロッシーニ(ホロヴィッツ編): フィガロのアリア「私は街の何でも屋」(セヴィリアの理髪師より)



(写真は梶本音楽事務所のHPからお借りした、トッパンホールのもの)

16日に水戸芸術館でスタートしたJapanTourの最終日。
スケジュールを観ると連日なんですよね・・・。さすがは1987年生まれ。若いって素晴らしい。

さてさて、アルゲリッチをして「すごい才能を発見」と言わしめたChineseLady、ユジャですが、
この日の演奏も圧巻でした。
中国系のピアニストにありがちなのですが、とにかくテクニックが素晴らしく、叩きつけるかのように強いタッチの演奏を得意とする・・・が抒情的な表現は苦手?というイメージ、でしたが、ユジャの場合は正確すぎるまでにクリアなタッチ、早弾きでも決して乱れることのない音、そしてメロディラインを明確に打ち出すコンセプトの明確さが際立っている感じ。
それに加えて、こんなのも弾けるのよ、的なアンコールでのショパンは、情緒に流されることのない端正なフレージングと余裕感溢れる強弱のアクセントで、アカデミックにまとめて。
プログラムで読むと、作曲家自身の演奏にヒントを得、余計なものをそぎ落とした本質的な演奏を心がけているご様子。

「ハリケーン・ユジャ」と呼ばれている彼女のスタイル、演奏自体は疾風怒濤の如しでとにかく圧倒されるのですが、ステージ衣装も彼女独特。
スレンダーで伸びやかに筋肉質な身体をタイトなミニドレスに包み、13cmのハイヒールエナメル黒パンプス・・・という出で立ち。
この日はプログラム前半はワンショルダーの黒のミニドレス。
休憩をはさんだ後半は朱赤のビスチェミニドレスでともに身体にピッタリしたタイトなもの。
サンフランシスコのツアー初日では「ボンドガールのような」と新聞評で紹介されたという彼女独特のステージ衣装が相まって、なかなかシャープでセンシュアルでアグレッシブかつアカデミックな演奏を堪能しました。

プロフィールに「スタンウェイ・アーティスト」とあるのですが、これはあのピアノのスタンウェイ社から
サポートを受けている、ということでしょうか。
それも納得かも。
彼女の演奏からは、ピアノという楽器の可能性を極限まで追及するとこうなるのか・・とタメ息をつかせるものがありますもの。
アンコール最後の「セヴィリアの理髪師」などはオペラの多重唱の盛り上がりを彷彿とさせる複雑なハーモニーがそのまま崩れることなくどこまでも加速していき・・・
アクセル全開だけれども、冷静なレーサーのような彼女でした。


「マニュエル・ルグリの新しき世界Ⅲ」 Bプロ

2013-04-22 05:23:50 | BALLET
ルグリガラ、最終日、ゆうぽうとに行って参りました。
4月も下旬だと言うのに1月のような寒さ!
軽井沢から来た友人は15cmくらいの積雪で車が出せなかったとか・・・
と、時ならぬ寒さに凍えましたが、会場内は熱く盛り上がったGALAでした


2013年4月21日(日)3:00 p.m. / 会場:ゆうぽうとホール

《マニュエル・ルグリの新しき世界III》Bプロ


■「クリアチュア」 より
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ

ダークレッドのコルセットキャミの秋山さん、キリ―ロフ・ミレフは上半身には衣装を着けず、お二人とも袴のような黒のロングスカート?を。
この衣装のパターンがド・バナさんのお好みなのでしょうか?
音楽がトルコの伝統音楽、ということも相まって、旋回舞踊系でまたもやトリップしそうに・・・


■「ノクターン」 ("Songs of the Night"より)
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

白い長そでのシンプルなワンピースのアッツォー二が踊る舞台に、上手の奥からメガネ男子が・・・。
本を手に読みながら歩いてきますリアブコが。
シャツにネクタイ、グレーのニットベスト。彼と彼女の出会いと別れ。
ノイマイヤーらしい、男女の細やかな心の機微を雄弁に語らせる振りを完全に自分の言語として表現することのできる2人が織りなす短編小説のような一幕でした。




■「アルルの女」 より
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョルジュ・ビゼー
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ

これはルグリ先生&イザベル・ゲランのお手本のようなパフォーマンスがつい蘇ってしまう演目ですが・・・。
ルグリ先生直伝であろうプティの世界、幻影の中のアルルの女に魅了されて破滅(というか、文字通りあちら側の世界に行ってしまう主人公)をクルラ―エフがどう見せるか・・・。
うーん、長身で手足が長いことが邪魔をしているのか、彼の踊りの持ち味が違うのか。
どこが悪い、というわけではないのですが、音楽が高まりアップテンポになる終盤の盛り上がりはもっと踊りに音を先取りしていくような狂熱的な早さときびきびとしたリズム感が欲しいのですけれども・・・終始流麗な踊り、で盛り上がりに欠けるような・・とはハードル高め設定で、彼に気の毒でしょうかしら。
ヤコヴレワの白いぺザント衣装の恋人役は優しく柔らかな空気感で素敵でした。

■「ファクタム」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:フェルナンダ・アンド・ベルナルダ・デ・ウトレーラ/ルイス・ミゲル・コボ
ヘレナ・マーティン、パトリック・ド・バナ

黒い衣装で現代音楽に乗せて踊るフラメンコ?モダンダンス?
面白い音楽の使い方だなと。大人な2人の演技でした。

■「ル・パルク」 より
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ 音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ

「解放のパ・ド・ドゥ」です。
2人とも髪を後ろにまとめて黒いリボンをつけたヘアスタイルで、白いゆったりとしたぺザントシャツのようなナイトシャツ姿で、艶やかなオーレリ―のしっとりとした表現力にモーツァルトの音楽とともに酔いしれました。
ルグリ先生は・・・どうしたことでしょうか・・・。
踊りそのものには勿論破綻のあろうはずはないのですが、このPDDに不可欠な情熱の高まりが感じられず、あの口づけをしたままフリーハンドで旋回するリフトも、情熱や愛の高まりの末に・・という高揚感が今一つで、あまつさえ、リフトが終ったあとルグリ先生が肩で息をしていらしたような・・いえ、ほんの数秒のことですが・・・。
キャリア終盤の余裕感のあるイレールのそして、前回の来日時のルグリ先生の完璧なパフォーマンスがデフォルトになっているので、ついついそれを求めてしまう自分が欲深いだけだと思うのですが。
もう、この演目には、向いていないということではなく、生身のダンサーですからその日の体調やテンションが影響するのかもしれません。


【 休 憩 】


■「エイムレス」
振付:ディモ・キリーロフ・ミレフ 音楽:マーク・リボー
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ

お二人ともカラフルでカジュアルなカラ―パンツに裾出しの着こなしの半袖柄シャツ姿。
シンクロするように踊りますがどこか飄々とした味があり、このお二人には、ド・バナさんの作品よりもしっくりくる感じがあるな・・と思ったら、ディモ・キリ―ロフ・ミレフさんご自身の振付なのですね。


■「テーマとヴァリエーション」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ、デニス・チェリェヴィチコ
東京バレエ団

ゆるぎないクラシック・スキルを持つコノヴァロワのための演目。
水色のクラシックチュチュでの華やかなバランシン・バレエ。
チェリェヴィチコは、Aプロでも思ったのですが、ソロ(特に回転技系)は素晴らしいのですが、女性をリフトしたりサポートしたりするのがあまりお得意ではないような・・・^^;
コノヴァロワは自力で立つことのできる人なので、リフトの危うさも、自ら降りるタイミングをはかったり自己解決されているご様子でしたが・・・。
東バの面々、4組のカップルにソリストが配されていましたが女性の4人の上手に吉川留衣さん、下手に乾友子さんがいらして、お二人が好きなわたくしとしては楽しかったです。
男性は上手から2人目に松野乃知くんが。一際美しいラインの踊りでノーブルでした。
彼は王子様役にぴったりですね。今後主演を観たいダンサーです。


■「ノット・ウィズアウト・マイ・ヘッド」
振付:ナタリヤ・ホレツナ 音楽:テリー・ライリー
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

男女のドラマ。2012年にこの2人のために振りつけられたという新しい作品。
赤い衣装のアッツォー二と黒い衣装のリアブコ。いきなり2人の意味を持たない台詞による叫び声から始まるアバンギャルドな作品ですが、アクロバティックなリフトの数々もものともせずに感情の流れの中に取り込む2人のポテンシャルと振付にこめられた感情を織りなす表現力はしっかりと堪能出来ました。
作品として好きかどうかは別として、やはりこの2人のダンサーの力量は素晴らしい。
こうなるとハンブルク・バレエ団の全幕の来日公演が待たれますね。


■「モシュコフスキー・ワルツ」
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:モーリツ・モシュコフスキー
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ

ヤコヴレワの衣装はAプロの「チャイコフスキーPDD」のときと同じ、軽やかなシフォンのサーモンピンク。
白シャツ黒パンツのシンプルなクルラ―エフとのコンビネーションは、長身で美しいふたりの流れるようなワルツのリズムに乗った伸びやかな踊りで心地よく、今のウィーン国立バレエ団の良さはこういうところにあるのだろうな、と感じさせてくれた演目でした。


■「シルヴィア」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:レオ・ドリーブ
オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ



この作品はルグリがオペラ座の大エトワール、デュポンがそのパートナーとして組むことになって間もないころのバレフェスで上演されたような記憶があります。
何年前になるのかしら・・・。
女性が旅立とうとトランクを手に下手に現れるところから始まり、男性と手に手を取って、2人の過去を振り返り、そしてまた行こうとする彼女の足元に、彼がまた滑り込むようにして寄り添い引きとめる・・・
衣装を含め華やかさをあえて排除した大人の男女の私小説のような関係性を描いたドラマで、あの頃の若くてキラキラとお人形のように美しいオーレリ―にはあまりそぐわない感じがしたのですが、今のしっとりとした情感がただよう彼女にはぴったりな演目だと思ったことでした。


ピアノ:髙橋 望 (「ノクターン」)

※音楽は特別録音によるテープを使用します。(「ノクターン」のみピアノ伴奏)



◆上演時間

第1部 15:00 - 16:10

休憩 20分

第2部 16:30 - 17:35

今回のBプロは、リアルでもパートナーであるダンサーのPDDが多かったせいか、男女の関係性の様々なバリエーションを短編集を読むように繰り広げてくれた演目が多く、こじんまりとしたゆうぽうとという会場の空間も相まって、どこか親密な感じのするガラでした


宝塚花組「オーシャンズ11」

2013-04-22 03:13:18 | TAKARAZUKA
2013年4月18日(木)18:30の夜公演で、宝塚花組公演「オーシャンズ11」を東京宝塚劇場で観て参りました。

組替えで星組が大量に中堅スターを他組に放出する前に、小池修一郎潤色で上演されたときには、通ったものですが・・・。
当時の小池先生が引っ張りだこのスケジュールの中ギリギリで仕上げた脚本を追い掛けるようにして組子がお稽古をし、自分たちの役作りを自主的に行ったという星組公演。
今回の花組は、より緻密に演出も仕上がり、花組特有の濃い男役芸もあいまって、星とはまた異なる味わいの作品に仕上がっておりました^^




主な配役 * 右の( )内は星組公演時の配役です


ダニエル・オーシャン    蘭寿とむ(柚希 礼音)
テス              蘭乃はな(夢咲 ねね)

ラスティー・ライアン    北翔海莉(涼紫央)
クイーン・ダイアナ    桜一花(白華れみ)
フランク・カットン    瀬戸 かずや(夢乃 聖夏)
バシャー・ター     春風弥里(壱城 あずさ)
バージル・モロイ     水美 舞斗(如月 蓮)
ターク・モロイ      柚香 光(天寿 光希)
イエン     華形ひかる(鶴美舞夕)
リヴィングストン・デル    鳳 真由(美弥 るりか)
ルーベン・ティシュコフ    紫峰 七海(美城 れん)
ソール・ブルーム     悠真 倫(未沙のえる)
ライナス・コールドウェル  芹香斗亜(真風 涼帆)
テリー・ベネティクト   望海風斗(紅 ゆずる)
ポーラ   花野じゅりあ→華雅りりか(音波 みのり)
マイク             大河凛(礼真琴)
3ジュエルズ         芽吹幸奈(花愛瑞穂)
                 菜奈くらら(毬乃ゆい?白妙なつ?)
                 仙名彩世(音花ゆり)

ザ・男役まつり!という雰囲気の花組版オーシャンズ。
星のキラキラした若い路線スターたちがひしめいている楽しさとはまた異なる、思い思いにキザなカッコよさをアピールする男役たちの濃い熱気と全編これラスベガスのゴージャスなショータイム?!という雰囲気が非・日常的な楽しさに満ち満ちている公演です
観た人は皆、「楽しい~」と満面の笑顔。・・・若干お肌も艶々しているような・・・

お話は・・・
ムショをでた詐欺師のダニー・オ―シャン。
親友ラスティーと一緒に、ホテル王ベネディクトにひと泡吹かせる計画を立てる。
エコロジー運動に関心を持つ歌手である妻テスを巡ってライバル関係にあるダニーとベネディクト。
一方ラスティーの恋人ポ―ラの一家が経営するショー・パブ?「エル・チョクロ」はベネディクトの新ホテルのために地上げの危機に瀕している。
ベネディクトのカジノとホテル1日分の売り上げをだまし取り、一泡吹かせようじゃないか。
そのために必要な異能集団をスカウトしてチームを作り、計画が着々と進められていく・・・。
テスはベネディクトの新・プロジェクト「エコ・ホテル」のミューズとして、プロモーションの顔「エコ・プリンセス」に抜擢。
ホテルのマジック・ショーのクイーンとしてベネディクトの寵愛を欲しいままにしてきたダイアナはテスを陥れるために暗躍。
ダニーに離婚を迫るテス。テスに求婚するベネディクト、復縁を図るダニー。
11人の仲間の計画は?3人の愛の行方は?

というわけで、ラスベガスを舞台に繰り広げられるコン・ゲーム。
詐欺師だけれど一途な愛を捧げてくれるダニーと、成功者で非の打ちどころのないホテル王だけれど裏の顔がありそうなベネディクトの間で揺れるテスの女心と男たちの混成チームの友情が見どころ。

物語を進めるのは色っぽい歌ウマの3人娘と黒塗りキラキラのマイク。
星で礼真琴くんが艶っぽく歌いまくって歌姫なお姉さまたちを従えて圧倒した役ですが、花組若手スター大河凛ちゃんも女の子っぽい可愛らしさを封印して華と押し出しのある歌手っぷり。
そして、気になる娘役さん、仙名さんがやはり上手くてキレイ^^
成績が良くて、キレイな娘役さんなのだけど、ちょっとアゴが出ている(失礼!)のと同期の実咲凛音ちゃんが押されている陰に隠れていたけれど、最近輪郭もお化粧が上手になったのか気にならなくなり、凛音ちゃんが宙のTOP娘役として組替えした今、次のバウヒロインにも抜擢されて・・・^^頑張ってほしいです

では役ごとに一言ずつ・・・

■ダニー・オーシャン
蘭寿さんにやって欲しいと皆が思っていた大人の男のスーツもの、遂に来ましたね!お披露目のファントム以来、どうして現代ものでスーツものが来ないんだろう・・とじりじりしていたのでようやく!と思いました。
はい、期待通り、ハリウッドゴージャスな大人のキザなイイ男を余裕綽々で演じていらっしゃいます。
スーツも、ボタン3つくらいはずしたグレーのシャツにグレーのスーツ、ジャケットの襟に添わせるようにワインの小紋柄の入ったグレーのスカーフをあしらって・・というような、詐欺師だからギャングのようなボールドストライプ、というのではなく、シックなお洒落が粋で素敵でした。

■ラスティー・ライアン
大人の蘭寿さんの親友には北翔さんくらいの格が必要なのかも・・・。ということで、専科からの特出です。
お二人バランスがとても良く、そういえば、大空祐飛さんTOPの初期、2番手3番手で同じ舞台に立っていたお二人ですから・・・。
そして、北翔さんと言えば、魅惑のクリ―ミィVOICE。言うまでもなく歌が素晴らしいので、ご出演ありがとうございました!と言う感じ。
テラテラっとしたカーキ色?のサテンスーツで、ベージュ系で本当にイタリアンスーツ、という高級感のあった涼さんのブラピを意識したラスティとはちょっと違った、ショービズ界で地道にやってそうなラスティ。
何よりの功積?は、目くらましのために登場する、偽医者ジョンソン医師の場面。
毎回異なるアドリブを無尽蔵に繰り広げると、スタッフさんやオケピの中まで全員舞台に注目してしまうらしい面白すぎ、自由すぎのお医者さん。
観劇した回にはSMAPの香取慎吾さんが観にいらしていたようで、カラオケ好きのおじいちゃん設定でSMAPの曲に絡めたアドリブ連発&もれなくひとくさり歌うという・・・思わず笑いをこらえきれなくなったベネディクト=だいもんに「あんたね、笑ってるけどね、」と突っ込んで、ステキな暴走っぷりでした。

■テス
ぱっと見は、ゴージャス美女そのものだった星組のねねちゃんに比べると、2人の男が取りあうほどのイイ女・・?かしら??と思ってしまいましたが(蘭ハナちゃんごめんなさい!)
気が強くてポンポン飛び出す憎まれ口の中に、忍びよる不安や心の揺れもしっかり演じていて、芯のしっかりしたテスでした。
ねねちゃんがゴージャスな外見とは裏腹に、意外と柚希ダニーに翻弄されていた感があったのに対して、蘭ちゃんは対等な駆け引きというか、やり取りがカップル感いっぱいで、良い大人のカップルになってきたなぁと、今更のように思いました。フィナーレのダンスも蘭寿さん以上の切れの良さで、ダンサーとしても、彼女のスタイルが確立されてきて良いスターっぷり。蘭蘭コンビ今、とても良いですね

■ベネディクト
だいもん(望海)ですから・・・。この方も、お歌が上手くてどうしようかと^^それにしてもこの花組公演、歌の上手いヒトがガンガン歌うのでとても迫力と広がりがあり、耳に優しい公演っていいなと改めて。
きれいな広がりのある整った丸顔が昭和っぽいとか正義の味方にしか見えないとか言われる彼女ですが、今回はゆがんだ上昇志向を持つ2面性のある男を楽しげに演じていて一皮剝けた感がありました。
にやり、と笑う時に片頬だけで笑うヒトを漫画以外で初めて見たかも(笑)

■ライナス
芹香斗亜ちゃんですね。星にいたときは、小作りの可愛らしいお顔とスラリとした肢体で十碧れいやちゃんと2個イチで使われていましたが、花に来て新公主役など抜擢続きで成長しましたね。メイクもお顔立ちがはっきりする花男仕様で、華やかになってきました。
とはいえ、若々しい持ち味が未熟なライナスにピッタリで、大人の蘭寿ダニーとのコントラストがはっきりしてお芝居的にも適役だったかと。

■バシャー・タ―
春風弥里さん、みーちゃん。同期3人でワンセットだった宙組時代は中ではお芝居上手でちょっともったりした印象だった彼女、花に来て間もなくスッとお痩せになっていきなりカッコよく・・・!
今回更にお痩せになったような・・・前髪がハラリと額にかかって、それがなんともSEXY.
開襟の黒シャツに臙脂色のサテンスーツという出で立ちがなんとも安っぽくてかっこよくて悪くていい男という風情で魅力的です。マジシャン崩れで雑技団のマネージャーのようなことをしている、ちょっと道を外れてしまった感が良く出ている肩の力の抜けた良い芝居。
で、ショータイムには打って変ってキメキメで客席の視線を釣りまくるという・・・。
お顔立ちが美形というのではないのですが、本当に魅力のある男役さんです。

■リヴィングストン
鳳真由ちゃん。この役はサイバーハイパーアーティスト?(笑)星ではみやるりちゃんがはじけて演じていたパソコンオタクのハッカーですよね。彼女はお芝居がとても繊細なイメージがあったのですが、この役もしっかりと作り込んでチャーミングでした。

■モロイ兄弟
遂にキタ!下級生ながら、その個性的な美貌でファンを増やしている柚香光くん。
今までも抜擢はありましたが、なぜか美貌だけを誇示するような踊ったり、スポットで使われたり・・の役で、その芝居心と歌の実力はベールに包まれていたのですが・・・。
今回、双子設定で、同期の成績が良くて一般的な美形の水美舞斗くんとペアで使われていることで、掛け合いや歌にも安定感が生まれ、赤毛のヘアスタイルやシンクロする動きなどで双子感満載のとても可愛くてCUTEな2人を堪能させていただきました^^

■ダイアナ
Queen of Vegas!桜一花ちゃんが小柄ながら整った頭身バランスと達者な芝居心で、我こそが女王と心から信じている傲慢で、でも憎めない、チャーミングで強い女を楽しげに演じています。
それにしても、紫のベロアの身体にぴったりしたジャンプスーツにターバンが普段着って・・・さすがですわ^^

平日の夜公演だったせいか男性のお客さまも多く・・・。
大人が楽しめるタカラヅカ、でした。