三井住友VISAカード ミュージカル
『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』
脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ
音楽/シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション/ウィーン劇場協会
潤色・演出/小池 修一郎
[解 説]
上演回数799回、観客動員数192万3千人――今や、宝塚歌劇を代表する人気ミュージカルとなった『エリザベート』を、宝塚歌劇100周年を記念し上演します。一人の少女がオーストリア皇后になったことから辿る数奇な運命に、黄泉の帝王という抽象的な役を配した独創的なストーリーから成り、美しい旋律で彩られたミュージカル・ナンバーは高い音楽性を持ち、多くの人々を魅了してきました。世界各地での海外上演に先駆け、1996年に宝塚で初演されてから、今回で8度目の上演となります。花組新トップスター明日海りおがトート役を演じる大劇場お披露目公演です。
「エリザベート」、東京公演が昨日、2014年10月11日(土)に初日を迎えました。
翌日の10月12日(日)15:30公演に行って参りました。
ムラでは8月26日に観ており、大劇場での公演を終えての東京公演、どう変化したか、興味駸々での観劇です。
2階席からの観劇で、全体の構図や銀橋と本舞台での人の配置など、幻想と現実が行きかうミステリアスな舞台の雰囲気が色濃く感じられ、トートダンサーたちの顔もひとりひとり見分けることが出来、お席自体は一階席前方の前回の方が良かったのに、作品を味わうという意味では、今回の方が深く入り込めたようにも思います。
そう、トートダンサーを見分けられるようになった結果、衝撃的なマデレ―ネ配役でしか認識していなかった95期の若手スター水美舞斗くんが黒天使で好ポジションにいることを確認。
今まで花の95期スターといえば柚香光くんで、ちょっと目に入っていなかった観のある彼女、今回、クールなトートダンサーがなんともステキで、目を惹きつけられてしまいました。
あのシャープな鼻筋、頬骨、涼やかな目元、筋肉質な身体の安定したアティチュードのポーズ…
並み居る黒天使ダンサーズの中にあって一際、シャープで立体的な美貌と存在感に目を離せず。
人魚で登場のマデレーネに身をやつして^^;いる時も、みっちゃん(北翔海莉)フランツの回りをパドブレで余裕で一周する姿が眩しくて
何だか皆さん大劇場の一カ月、役として過ごしたことで色々深まっていて・・・
・みりお(明日海りお)トートには風格が。
・蘭ちゃん(蘭乃ハナ)エリザベートには成長してからの大人のエリザの年月が。
夫フランツ・ヨーゼフを一度拒絶してから条件を呑ませて彼の前に再び姿を現す白いドレスで神々しく登場する場面、必死で仕上げた観のあった前回観劇時とは違い、自信を深めて威厳すら漂う大人の女性として成長した姿にちゃんと見えました!歌唱と演技が馴染んできたかと。娘時代の軽快さ(得に乗馬の真似をしてみせる足運びの快活な若さ!)はお手の物ですが、大人になってからの孤独が表現出来るようになってぐっと良くなりました。
・いちかちゃん(桜一花)ゾフィー様には一層の威厳と説得力が。
それでいてフィナーレの娘役群舞ではだれよりも未だに可憐で。歌踊り姿演技、一花ちゃんが娘役TOPになるタイミングを逸して今回退団することが本当に惜しいと改めて。
・ハンガリーの貴族であり革命家の長であるエルマー役あきらくん(瀬戸かずや)、エリザベート同様、青年期から老年期までを見せますが、髭をつけた美中年、美熟年いずれもますますカッコ良い。
・ユズカレーちゃん(柚香光)ルドルフの登場時から運命にそして黄泉の帝王ト―トに絡め取られて自殺するまでの清冽な輝きがきっちりとオールバックにした金髪とクールな美貌で唯一無二の皇太子ぶりたるや。
ルドルフの自殺に胸蓋がれるハプスブルク家よりもフィナーレまで観られないのね、とわたくしが悲しむ・・・
・仙名彩世さんの自分がエリザだと思っている精神病院の患者ヴィンディッシュ嬢、万華鏡の如くの表情の変化と存在感が孤独と自由を歌う蘭はなエリザの歌の深さを引き立てて…☆
・だいもん(望海風斗)のイケズなルキーニもますますシニカルに。この日のアドリブは「世の中は3連休なんだって?俺も花組のエリザベートッて云うのを観に行ってみたいなぁ」でしたv
・唯一、大劇場の方が良かったxxxと思ったのはマダム・ヴォルフのがりんちゃん(大河凛)。
ムラではどのコレクション嬢よりも艶やかでコケティッシュな美女だったガリンヴォルフが世間の垢を身につけてしまったこと(笑) いえ、役作りとしては正解なのですが^^;
・難を言えば、花乃まりあちゃんのエトワールだけはやっぱり音域があっていない苦しさがありますね・・・。
・喜ばしいのはエリザの母役、何公演もの間休演続きだった花野じゅりあちゃんが復帰してくれたこと。久しぶりに観る彼女はやはりしっとりゴージャスな大人っぽい美人ですね。リヒテンシュタインの芽吹幸奈ちゃんが上品なクールビューティ、姉のヘレネ華耀きらりちゃんがかわいい系、一花ちゃんが小柄で可愛らしい役から黒いパワフルな役までなんでもござれな万能タイプと上級生花娘の充実度が舞台を豊かにしてくれます。
・専科のみっちゃん(北翔海莉)フランツ、2番手役にわざわざお越しいただく意味のある美声と演技の説得力たるや。わたしの目で見てくれたなら…の言葉に深くうなずく「夜のボート」は本当に説得力がありました!
若いころから老年まで、一貫して誠実で深く国と妻を想い、エリザベートやルドルフには耐えられなかった重圧を静かに引き受けて生を全うする国王の姿・・・
役と役者がピタリとかみあい、耳と目が喜ぶ至福の時間を約束された舞台はそうそうないもの。
チケット難は仕方ないですねと納得の価値ある「エリザベート」だと思います。
『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』
脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ
音楽/シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション/ウィーン劇場協会
潤色・演出/小池 修一郎
[解 説]
上演回数799回、観客動員数192万3千人――今や、宝塚歌劇を代表する人気ミュージカルとなった『エリザベート』を、宝塚歌劇100周年を記念し上演します。一人の少女がオーストリア皇后になったことから辿る数奇な運命に、黄泉の帝王という抽象的な役を配した独創的なストーリーから成り、美しい旋律で彩られたミュージカル・ナンバーは高い音楽性を持ち、多くの人々を魅了してきました。世界各地での海外上演に先駆け、1996年に宝塚で初演されてから、今回で8度目の上演となります。花組新トップスター明日海りおがトート役を演じる大劇場お披露目公演です。
「エリザベート」、東京公演が昨日、2014年10月11日(土)に初日を迎えました。
翌日の10月12日(日)15:30公演に行って参りました。
ムラでは8月26日に観ており、大劇場での公演を終えての東京公演、どう変化したか、興味駸々での観劇です。
2階席からの観劇で、全体の構図や銀橋と本舞台での人の配置など、幻想と現実が行きかうミステリアスな舞台の雰囲気が色濃く感じられ、トートダンサーたちの顔もひとりひとり見分けることが出来、お席自体は一階席前方の前回の方が良かったのに、作品を味わうという意味では、今回の方が深く入り込めたようにも思います。
そう、トートダンサーを見分けられるようになった結果、衝撃的なマデレ―ネ配役でしか認識していなかった95期の若手スター水美舞斗くんが黒天使で好ポジションにいることを確認。
今まで花の95期スターといえば柚香光くんで、ちょっと目に入っていなかった観のある彼女、今回、クールなトートダンサーがなんともステキで、目を惹きつけられてしまいました。
あのシャープな鼻筋、頬骨、涼やかな目元、筋肉質な身体の安定したアティチュードのポーズ…
並み居る黒天使ダンサーズの中にあって一際、シャープで立体的な美貌と存在感に目を離せず。
人魚で登場のマデレーネに身をやつして^^;いる時も、みっちゃん(北翔海莉)フランツの回りをパドブレで余裕で一周する姿が眩しくて
何だか皆さん大劇場の一カ月、役として過ごしたことで色々深まっていて・・・
・みりお(明日海りお)トートには風格が。
・蘭ちゃん(蘭乃ハナ)エリザベートには成長してからの大人のエリザの年月が。
夫フランツ・ヨーゼフを一度拒絶してから条件を呑ませて彼の前に再び姿を現す白いドレスで神々しく登場する場面、必死で仕上げた観のあった前回観劇時とは違い、自信を深めて威厳すら漂う大人の女性として成長した姿にちゃんと見えました!歌唱と演技が馴染んできたかと。娘時代の軽快さ(得に乗馬の真似をしてみせる足運びの快活な若さ!)はお手の物ですが、大人になってからの孤独が表現出来るようになってぐっと良くなりました。
・いちかちゃん(桜一花)ゾフィー様には一層の威厳と説得力が。
それでいてフィナーレの娘役群舞ではだれよりも未だに可憐で。歌踊り姿演技、一花ちゃんが娘役TOPになるタイミングを逸して今回退団することが本当に惜しいと改めて。
・ハンガリーの貴族であり革命家の長であるエルマー役あきらくん(瀬戸かずや)、エリザベート同様、青年期から老年期までを見せますが、髭をつけた美中年、美熟年いずれもますますカッコ良い。
・ユズカレーちゃん(柚香光)ルドルフの登場時から運命にそして黄泉の帝王ト―トに絡め取られて自殺するまでの清冽な輝きがきっちりとオールバックにした金髪とクールな美貌で唯一無二の皇太子ぶりたるや。
ルドルフの自殺に胸蓋がれるハプスブルク家よりもフィナーレまで観られないのね、とわたくしが悲しむ・・・
・仙名彩世さんの自分がエリザだと思っている精神病院の患者ヴィンディッシュ嬢、万華鏡の如くの表情の変化と存在感が孤独と自由を歌う蘭はなエリザの歌の深さを引き立てて…☆
・だいもん(望海風斗)のイケズなルキーニもますますシニカルに。この日のアドリブは「世の中は3連休なんだって?俺も花組のエリザベートッて云うのを観に行ってみたいなぁ」でしたv
・唯一、大劇場の方が良かったxxxと思ったのはマダム・ヴォルフのがりんちゃん(大河凛)。
ムラではどのコレクション嬢よりも艶やかでコケティッシュな美女だったガリンヴォルフが世間の垢を身につけてしまったこと(笑) いえ、役作りとしては正解なのですが^^;
・難を言えば、花乃まりあちゃんのエトワールだけはやっぱり音域があっていない苦しさがありますね・・・。
・喜ばしいのはエリザの母役、何公演もの間休演続きだった花野じゅりあちゃんが復帰してくれたこと。久しぶりに観る彼女はやはりしっとりゴージャスな大人っぽい美人ですね。リヒテンシュタインの芽吹幸奈ちゃんが上品なクールビューティ、姉のヘレネ華耀きらりちゃんがかわいい系、一花ちゃんが小柄で可愛らしい役から黒いパワフルな役までなんでもござれな万能タイプと上級生花娘の充実度が舞台を豊かにしてくれます。
・専科のみっちゃん(北翔海莉)フランツ、2番手役にわざわざお越しいただく意味のある美声と演技の説得力たるや。わたしの目で見てくれたなら…の言葉に深くうなずく「夜のボート」は本当に説得力がありました!
若いころから老年まで、一貫して誠実で深く国と妻を想い、エリザベートやルドルフには耐えられなかった重圧を静かに引き受けて生を全うする国王の姿・・・
役と役者がピタリとかみあい、耳と目が喜ぶ至福の時間を約束された舞台はそうそうないもの。
チケット難は仕方ないですねと納得の価値ある「エリザベート」だと思います。