2014年11月7日(金)15:00~
宝塚大劇場に宙組公演初日のため、遠征して参りました。
TOPスター凰稀かなめの退団公演。大劇場では12月15日が千秋楽、そして東京宝塚劇場で2015年2月15日に卒業してしまう・・・。
いつも楽しみな初日が今回は終わりの始まりでちょっと楽しみな気持ちだけではないほろ苦さも。
花の道ももう秋です。
大劇場手前の100周年大階段写真スポット。ここに設置される作品ポスターもこのグスタフが最後。
100周年、「時を奏でるスミレの花たち」豪華OG総出演のあの夢のような夜から大運動会から本当に楽しいイベントが盛りだくさんで。と、観る前から思い出走馬灯状態。
グスタフIII世 凰稀 かなめ
ソフィア・マグダレーナ・ア・ダンマルク(デンマークから御輿入れの王妃) 実咲 凜音
カール・ポンタス・リリホルン (近衛隊長) 朝夏 まなと
*~*~*
ヤコブ・ヨハン・アンカーストレム(軍務大臣・グスタフの幼馴染) 緒月 遠麻
イザベル・エグモント伯爵夫人(パリ時代のグスタフの愛人) 伶美 うらら
テッシン(グスタフの撫育官) 汝鳥 伶
ロビーサ・ウルリカ(母大后) 美風 舞良
クランツ(親ロシア派の大臣) 寿 つかさ
エカテリーナ・アレクセーエヴナ(ロシア女帝) 純矢 ちとせ
ニルス(山賊) 七海 ひろき
ヴァーサ王・オロフ 留依 蒔世
柵・演出 原田諒 ということで、あの先代TOP大空祐飛さんのさよなら公演「華やかなりし日々」、凰稀さんの2番手時代のバウ作品「ロバート・キャパ」など良作で記憶に残るご縁も深い作家ゆえ期待していたのですが・・・。
なんだか既視感がすごくて・・・^^;
《解 説》
ロココの寵児として、北欧史にその名を残すスウェーデン国王・グスタフIII世の波乱に満ちた生涯を描くミュージカル。
腐敗した貴族政治からの脱却を図り、内政を改革。ロシアとの戦いでは歴史的な大勝利を収めた名将として知られる一方、民衆を愛し、華やかな北欧文化を開花させたグスタフIII世。権謀術数渦巻く宮廷社会、激動のうねりを見せる18世紀のヨーロッパで、ひたむきに生きた一人の男の愛と友情、そして信念を貫いた勇気ある戦いを、多彩な登場人物を絡ませながら壮大なスケールで謳い上げる一大叙事詩。
以上公式HPより。以下、観ての感想とネタばれありのあらすじです。
幼い頃、撫育官テッシンから偉大なヴァ―サ王伝説を聴かされて、将来偉大な王たることを誓う、から始まり青年となった王が身分を隠してパリ遊学中、社交界でその美しさで人目を惹くが、心許したのは教養豊かなエグモント公爵夫人のみ、というのが冒頭。この子供時代の親友2人を演じるのがグスタフ100期生研1の星風まどかちゃん。アンカーストレムは97期の花菱りずちゃん。ふたりとも娘役。背景で踊る白い雲の12人口に100期生で故夏目雅子さんの姪御さん?風間柚乃ちゃんが。研1で本役がつくなんてスゴイですね。
伶美うららちゃん演じる美貌の公爵夫人、春・星組で上演された「太陽王」で綺崎愛理ちゃんが演じた最初の恋人と同じような役どころ。歌が不安視されているうららちゃんにソロがありますが、とてもきれいに歌っていました。短くて音域が合った宛書きで歌えるのよ!とアピールしているなと^^
父王崩御で急ぎスウェーデンに戻る道中 山賊に襲われる。
二ルスとその仲間たち。ここ、3番手の七海さんが頬に傷で荒くれていますが、なんとなく「モンテクリスト伯」の海賊「忘レモン」を彷彿とさせる役どころ。手下たちはこれからの若手男役スターの卵たち。をモンチ(星吹彩翔)が引き締めます。ここで新公2番手がついた留依蒔世くんが茶髪になってちょっと垢ぬけた感じになっているのを発見。入団時にいかにもバレエダンサーな細身で首の長い容姿でダンサーだ!と楽しみにしていた潤奈すばるちゃんもここに編入されています。立ち回りがあり、2対8なのに(笑)王様と側近チームが圧勝。時期国王と知っても悪態をつくことをやめない二ルス。グスタフは国民の窮状を知らされます。
宮廷に戻り即位。親ロシア派大臣の差し金で、勝手に縁談がまとめられ、ロシア大使が大きな顔をし、グスタフは牙を抜かれた状態に。デンマークから輿入れの王妃はかつての属国スウェーデンに上から目線。グスタフはエグモント公爵夫人に心を残しつつの婚姻で、仮面夫婦の出来あがり。
大臣の周囲を固める面々に中堅脇男役を揃え、グスタフの側近には澄輝さやと、愛月ひかる、蒼羽りく、そして今回の新公主役予定の桜木みなと、前回ベルばら新公主役の和希そらと路線若手男役を配するわかりやすいチーム陣容。一人ひとりの個性を描くには至らず、ヒトことずつ台詞があるくらいの軽い役どころですが並びが流石宙男スターたち”と軍服姿の美しさに嬉しくなりますv
クーデターを企てるグスタフ一派。しかしなぜか大臣に筒抜けで、未然に阻止・投獄。
実は近衛隊長リリホルンが親兄弟の保身のためのスパイだったため。彼はそのことで悩み苦しむがついに大臣を裏切ることを決意。ロシアに貢ぐための税と通常の国内税と2重年貢を課していた事実も明らかになり大臣を罷免することに成功。
これからはわたしが指揮を執る!(どこのオスカル様?)民に優しくロシアに毅然とした態度で宣戦するグスタフ。
ここで流れるような大道具転換があり、迫力のダンスでの海戦場面に。
幼馴染のアンカーストレムの戦術に飽き足らず自ら指揮を執るグスタフの斬新な戦術のおかげで勝利を収めるが、アンカーストレムの心に黒いものが芽生える。この海戦場面指揮を執るグスタフについ「銀英伝」のラインハルトの声が重なってしまいます・・・^^;そしてわたくしは観ていないのですが宙担に言わせると「トラファルガー」の海戦場面ともそっくりだとか^^;
一方王妃は次第にグスタフの人柄に惹かれ始め、海戦の頃には夫の無事を祈る日々。
撫育官テッシンがその王妃の心をグスタフに伝え、夫婦の溝も埋まります。
ここで、停戦会議のためスウェーデンを訪れたエカテリーナ女帝と王妃の心の交流が描かれ、歌ウマ娘役2人のお歌が。
平和が訪れたスウェーデン。
ロシアとの停戦合意後は文化事業に邁進したいと考えるグスタフと軍拡を主張するアンカーストレムの間に対立が。
そこにフランス革命勃発。エグモント公爵夫人を救ってほしいとリリホルンに頼むグスタフ。主君になり代わってフランスに急ぐリリホルンまぁさま(朝夏)にフェルゼンの幻が(笑)
エグモント公爵夫人は王妃の存在を知っているのでひたすらに感謝と恐縮を。王妃は王妃でパリ時代に良き導き手として御世話になったと感謝。対立のない妻と愛人。
しかしアンカーストレムは非常識だと怒り心頭。不穏な動きを察知したリリホルンの忠義な制止を無視して、オペラ座のオープニング舞踏会に出席。これがあの「仮面舞踏会」の場面なのですが。
華やかな場で突如刃を向けるアンカーストレム。
刺されて王妃の腕の中で息絶える直前にふところから取り出したのは幼き日にアンカーストレムからもらったヴァ―サ王の剣のおもちゃ。あの頃を思い出し、愛称「グスティ~~~!」と叫ぶ緒月さんの声が、リアルテルキタ、オヅキさんだけが呼ぶ凰稀さんの愛称「ぐっちゃん」に聴こえたのは空耳?宙耳(笑)?
実咲さんの腕の中、かくッと息絶える凰稀さん、そして「殿下~~」と涙する人々の図はまんまベルばらのロザリーの腕に抱かれて亡くなるオスカルそのもの。。。。
これだけ過去作品を網羅した新作も珍しいかも。いえ、決して駄作というほどひどくないのですけど。
お衣装は「ナポレオン」や「ジャン・ルイ・ファージョン」の使いまわし?も散見されますが美しく、松居るみさんの装置もきれいで、宙組に、凰稀かなめさんに良く似合う寒色系の華やかな宮廷もので、麗しく、彼女の熱い芝居心も楽しめるとなれば、文句を言う必要はないのでしょうが。
難を言えば、場面転換に暗転が多く、植田先生の紙芝居進行っぽく思えないでもないかも・・・。
なんだか、新作を楽しみに来たのに、ここまでさよなら仕様だとは・・・。
しみじみと最後の公演に浸りたい方、逆に今までさほど宙組の作品を観てこなかったという方にはなんの問題もないのかもしれませんが。
まだ、物語をなぞっているだけの感がある脇の若手がもっと自ら役にのめり込んで自分がストーリーを動かしている!という感覚が出てきたらまだまだ進化する余地があるとも言えます。ムラ、東京、ともに1カ月半近くありますので、これからの更なる進化を期待したいと思います
宝塚大劇場に宙組公演初日のため、遠征して参りました。
TOPスター凰稀かなめの退団公演。大劇場では12月15日が千秋楽、そして東京宝塚劇場で2015年2月15日に卒業してしまう・・・。
いつも楽しみな初日が今回は終わりの始まりでちょっと楽しみな気持ちだけではないほろ苦さも。
花の道ももう秋です。
大劇場手前の100周年大階段写真スポット。ここに設置される作品ポスターもこのグスタフが最後。
100周年、「時を奏でるスミレの花たち」豪華OG総出演のあの夢のような夜から大運動会から本当に楽しいイベントが盛りだくさんで。と、観る前から思い出走馬灯状態。
グスタフIII世 凰稀 かなめ
ソフィア・マグダレーナ・ア・ダンマルク(デンマークから御輿入れの王妃) 実咲 凜音
カール・ポンタス・リリホルン (近衛隊長) 朝夏 まなと
*~*~*
ヤコブ・ヨハン・アンカーストレム(軍務大臣・グスタフの幼馴染) 緒月 遠麻
イザベル・エグモント伯爵夫人(パリ時代のグスタフの愛人) 伶美 うらら
テッシン(グスタフの撫育官) 汝鳥 伶
ロビーサ・ウルリカ(母大后) 美風 舞良
クランツ(親ロシア派の大臣) 寿 つかさ
エカテリーナ・アレクセーエヴナ(ロシア女帝) 純矢 ちとせ
ニルス(山賊) 七海 ひろき
ヴァーサ王・オロフ 留依 蒔世
柵・演出 原田諒 ということで、あの先代TOP大空祐飛さんのさよなら公演「華やかなりし日々」、凰稀さんの2番手時代のバウ作品「ロバート・キャパ」など良作で記憶に残るご縁も深い作家ゆえ期待していたのですが・・・。
なんだか既視感がすごくて・・・^^;
《解 説》
ロココの寵児として、北欧史にその名を残すスウェーデン国王・グスタフIII世の波乱に満ちた生涯を描くミュージカル。
腐敗した貴族政治からの脱却を図り、内政を改革。ロシアとの戦いでは歴史的な大勝利を収めた名将として知られる一方、民衆を愛し、華やかな北欧文化を開花させたグスタフIII世。権謀術数渦巻く宮廷社会、激動のうねりを見せる18世紀のヨーロッパで、ひたむきに生きた一人の男の愛と友情、そして信念を貫いた勇気ある戦いを、多彩な登場人物を絡ませながら壮大なスケールで謳い上げる一大叙事詩。
以上公式HPより。以下、観ての感想とネタばれありのあらすじです。
幼い頃、撫育官テッシンから偉大なヴァ―サ王伝説を聴かされて、将来偉大な王たることを誓う、から始まり青年となった王が身分を隠してパリ遊学中、社交界でその美しさで人目を惹くが、心許したのは教養豊かなエグモント公爵夫人のみ、というのが冒頭。この子供時代の親友2人を演じるのがグスタフ100期生研1の星風まどかちゃん。アンカーストレムは97期の花菱りずちゃん。ふたりとも娘役。背景で踊る白い雲の12人口に100期生で故夏目雅子さんの姪御さん?風間柚乃ちゃんが。研1で本役がつくなんてスゴイですね。
伶美うららちゃん演じる美貌の公爵夫人、春・星組で上演された「太陽王」で綺崎愛理ちゃんが演じた最初の恋人と同じような役どころ。歌が不安視されているうららちゃんにソロがありますが、とてもきれいに歌っていました。短くて音域が合った宛書きで歌えるのよ!とアピールしているなと^^
父王崩御で急ぎスウェーデンに戻る道中 山賊に襲われる。
二ルスとその仲間たち。ここ、3番手の七海さんが頬に傷で荒くれていますが、なんとなく「モンテクリスト伯」の海賊「忘レモン」を彷彿とさせる役どころ。手下たちはこれからの若手男役スターの卵たち。をモンチ(星吹彩翔)が引き締めます。ここで新公2番手がついた留依蒔世くんが茶髪になってちょっと垢ぬけた感じになっているのを発見。入団時にいかにもバレエダンサーな細身で首の長い容姿でダンサーだ!と楽しみにしていた潤奈すばるちゃんもここに編入されています。立ち回りがあり、2対8なのに(笑)王様と側近チームが圧勝。時期国王と知っても悪態をつくことをやめない二ルス。グスタフは国民の窮状を知らされます。
宮廷に戻り即位。親ロシア派大臣の差し金で、勝手に縁談がまとめられ、ロシア大使が大きな顔をし、グスタフは牙を抜かれた状態に。デンマークから輿入れの王妃はかつての属国スウェーデンに上から目線。グスタフはエグモント公爵夫人に心を残しつつの婚姻で、仮面夫婦の出来あがり。
大臣の周囲を固める面々に中堅脇男役を揃え、グスタフの側近には澄輝さやと、愛月ひかる、蒼羽りく、そして今回の新公主役予定の桜木みなと、前回ベルばら新公主役の和希そらと路線若手男役を配するわかりやすいチーム陣容。一人ひとりの個性を描くには至らず、ヒトことずつ台詞があるくらいの軽い役どころですが並びが流石宙男スターたち”と軍服姿の美しさに嬉しくなりますv
クーデターを企てるグスタフ一派。しかしなぜか大臣に筒抜けで、未然に阻止・投獄。
実は近衛隊長リリホルンが親兄弟の保身のためのスパイだったため。彼はそのことで悩み苦しむがついに大臣を裏切ることを決意。ロシアに貢ぐための税と通常の国内税と2重年貢を課していた事実も明らかになり大臣を罷免することに成功。
これからはわたしが指揮を執る!(どこのオスカル様?)民に優しくロシアに毅然とした態度で宣戦するグスタフ。
ここで流れるような大道具転換があり、迫力のダンスでの海戦場面に。
幼馴染のアンカーストレムの戦術に飽き足らず自ら指揮を執るグスタフの斬新な戦術のおかげで勝利を収めるが、アンカーストレムの心に黒いものが芽生える。この海戦場面指揮を執るグスタフについ「銀英伝」のラインハルトの声が重なってしまいます・・・^^;そしてわたくしは観ていないのですが宙担に言わせると「トラファルガー」の海戦場面ともそっくりだとか^^;
一方王妃は次第にグスタフの人柄に惹かれ始め、海戦の頃には夫の無事を祈る日々。
撫育官テッシンがその王妃の心をグスタフに伝え、夫婦の溝も埋まります。
ここで、停戦会議のためスウェーデンを訪れたエカテリーナ女帝と王妃の心の交流が描かれ、歌ウマ娘役2人のお歌が。
平和が訪れたスウェーデン。
ロシアとの停戦合意後は文化事業に邁進したいと考えるグスタフと軍拡を主張するアンカーストレムの間に対立が。
そこにフランス革命勃発。エグモント公爵夫人を救ってほしいとリリホルンに頼むグスタフ。主君になり代わってフランスに急ぐリリホルンまぁさま(朝夏)にフェルゼンの幻が(笑)
エグモント公爵夫人は王妃の存在を知っているのでひたすらに感謝と恐縮を。王妃は王妃でパリ時代に良き導き手として御世話になったと感謝。対立のない妻と愛人。
しかしアンカーストレムは非常識だと怒り心頭。不穏な動きを察知したリリホルンの忠義な制止を無視して、オペラ座のオープニング舞踏会に出席。これがあの「仮面舞踏会」の場面なのですが。
華やかな場で突如刃を向けるアンカーストレム。
刺されて王妃の腕の中で息絶える直前にふところから取り出したのは幼き日にアンカーストレムからもらったヴァ―サ王の剣のおもちゃ。あの頃を思い出し、愛称「グスティ~~~!」と叫ぶ緒月さんの声が、リアルテルキタ、オヅキさんだけが呼ぶ凰稀さんの愛称「ぐっちゃん」に聴こえたのは空耳?宙耳(笑)?
実咲さんの腕の中、かくッと息絶える凰稀さん、そして「殿下~~」と涙する人々の図はまんまベルばらのロザリーの腕に抱かれて亡くなるオスカルそのもの。。。。
これだけ過去作品を網羅した新作も珍しいかも。いえ、決して駄作というほどひどくないのですけど。
お衣装は「ナポレオン」や「ジャン・ルイ・ファージョン」の使いまわし?も散見されますが美しく、松居るみさんの装置もきれいで、宙組に、凰稀かなめさんに良く似合う寒色系の華やかな宮廷もので、麗しく、彼女の熱い芝居心も楽しめるとなれば、文句を言う必要はないのでしょうが。
難を言えば、場面転換に暗転が多く、植田先生の紙芝居進行っぽく思えないでもないかも・・・。
なんだか、新作を楽しみに来たのに、ここまでさよなら仕様だとは・・・。
しみじみと最後の公演に浸りたい方、逆に今までさほど宙組の作品を観てこなかったという方にはなんの問題もないのかもしれませんが。
まだ、物語をなぞっているだけの感がある脇の若手がもっと自ら役にのめり込んで自分がストーリーを動かしている!という感覚が出てきたらまだまだ進化する余地があるとも言えます。ムラ、東京、ともに1カ月半近くありますので、これからの更なる進化を期待したいと思います