maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

K-Ballet「The Nutcracker」③

2006-12-27 08:08:04 | BALLET
熊川哲也のKバレエ、「くるみ割り人形」長々とレポしていますが、お待たせしました、第2幕です!

人形王国のディベルティスマン。

花のワルツは男性二人が熊川と日替わりで主役を分け合う輪島拓也と芳賀望。こうして男女2ペアの踊りで見比べるとそれぞれの持ち味の違いが良くわかりますね。
輪島くんは全体に男らしい感じですが踊り自体は荒いかな?
芳賀くんは細身ですが、ひとつひとつのパを省略せず、きれいに細部まで正確、かつ伸びやかに踊っていて好感が持てました。
多分これからのKバレエの公演、熊川と都さんが同じ舞台で主役を務めることは早々ないでしょうから、都さんの相手役が芳賀くんの日、が正解かしら、と算段。

アラビア人形は松岡さん。この妖艶な踊りは、大抵どのバレエ団でも美人ダンサーを当てることが多いので、この配役は正解でしょう

スペイン人形のあとは中国人形。
熊川お得意の早いパの厳しい振付を白石あゆ美さんとアレクサンドル・ブーベルくんがきれいに踊っていました。ブーベルくんは9月入団の期待の新人だそう。秋公演の「2羽の鳩」でもジプシーの少年役で目立っていたそうです。

男性二人のコサックダンスのようなロシア人形の後は期待のフランス人形。
荒井祐子さんをセンターに、副智美さんとカワイイお顔で人気の神部里奈さん。なにを隠そう、わたくしは東バ時代から荒井さんのファン。引き締まった筋肉が美しい、小柄ながら存在感のある踊りは外国からのゲストダンサーを迎えた舞台でも決して見劣りすることがなく、見るなり、あぁ、荒井さんだ、とわかる輪郭のはっきりした張り詰めたしなやかさがある動き。今回も期待通りで、久しぶりに見て安心&満足。

そして大詰め、巨大なくるみを盛大なスモークの中で割り(ゆえに割った瞬間は見られない)呪いを解いたクララのおかげで姫の姿に戻ったマリー姫と王子に戻ったくるみ割り人形のグラン・パ・ド・ドゥ。

マリー姫の吉田都さん、銀髪の鬘がパウダーピンクと白のコンペイトウ衣装に映えてお似合い。チークが茶系なので、始めはくるみ?の演出??と思ってしまったのですが、もしかして小顔メークのおつもりだったのでしょうか・・・?比較的ナチュラルな舞台化粧が主流の日本人の中では浮いてしまいますので、今後ご調整願うとして・・・。
熊川氏は、吉田さんと並ぶと今度は銀の鬘も、王子だからなのねと納得。
ソロで決めのポーズを引き伸ばしたり、拍手のための間を取ったりする仕草が品なく見えてしまったのは都さんの正当派ノーブルな踊りと見比べてしまうから・・・。普段はそういう「俺様」振りもチャーミングな持ち味として場を盛り上げる隠し味になるのですけど。持ち味の違い、相性の問題なのでしょうね。

いつもバーミンガムロイヤルバレエの10年前のイレク・ムハメドフとの15分間のGPDDを映像で見ては涙していた(素晴らしすぎて感涙)あの!都さんのコンペイトウが今目の前で・・と感慨深かったです。
一つ一つのパが指先、足先まで神経が行き届き、正確で小気味よいテンポ。しかも幸せな姫オーラ満開で、オペグラなしでも表情がわかるほど・・・(あ、決してチークが気になるからオペグラをしまったわけでは・・・)。フェッテの後のキメポーズを宮本さんがいみじくも「くるくるぴた」と表現してくださいましたが、全くその通り!
それまで見たK-Balletダンサーのどの踊り手とも違う、全く次元の違う感動を呼び起こす、都さんのパフォーマンスに心豊かに満たされて、府中を後にしたことでした。



新宿でお茶にしましょう、とパークハイアットまで西口からタクシー。
シャンパーニュ片手に熱く語ってしまいました
クリスマス近くということで、ピーク・ラウンジでも、ブラックフォーマルに身を包んだ(黒人女性の黒ドレスにダイヤモンドが映えていたこと!)外国人男女カルテットによるクリスマスソングのアカペラがあり、気分が盛り上がったことでした。
宮本さんも華やかな白大島にグリーンの帯、赤の帯締め、ラインストーンの帯留で素敵なクリスマスカラーの和装。わたくしはビンテージものの全刺繍のタンクドレス、グレーのフォックスに黒革ロングコートでした


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5 コメント

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Unknown (スハース)
2006-12-27 21:28:35
座席からきょろきょろ辺りを見回したのですが、目が悪くて
mariaさんを見つけられませんでした。
宮本さんもいらしたとは…残念無念。。。

熊川さんの舞台を見たのは初めてでしたが
都さんとのペアでは、どうにもかすんで見えるので、不思議に思い
ここへ来て、あれが彼の俺様っぷりだったのかということに
気づかされ、なるほどと納得した次第です。鋭い!
都さんは細部まで神経の行き届いた、
まるで見たことのない素晴らしい踊りで
くるくるぴたっ!にも本当に感動いたしました。
今でも思い出せるほど、都さんの金平糖の精の踊りは
私を幸せにしてくれるものでした。

こちらのブログを拝見してからチケットを購入したので
私は前方の右側のブロックしか取れませんでした。
こちらは座席を交互にずらしたばかりに、
mariaさんのいらしたセンターとは異なり
舞台に視線を向けると座席が重なることになって
目の前には人の頭・頭・頭!
前の人が右に左に頭を動かすので、
困ってしまいました。

maria-ponのバレエ・レポート、
いつも知らない世界へ連れていってくださるので
本当に楽しみなんです。これからもどうぞよろしくお願いします。
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Unknown (宮本)
2006-12-28 00:16:59
あら、スハースさんがいらっしゃっていたとは・・・お目にかかれず残念でした。私はmariaちゃんというスーパーガイドと一緒というこの上ない幸せな初バレエでした。

スハースさんにも熊川さんが霞んで見えましたか・・、私も同じくでした。都さんには本当に感動{ロケット} 簡単には涙が出ない私ですが、あまりの素晴らしさに思わず涙でした。

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Unknown (maria)
2006-12-28 01:53:57
◆スハースさん

こんばんは!スハースさんも府中、お取りになれたのですね{ラブ}
府中の良く考えられている、と感心した座席配列、サイドのお席だと逆効果になるとはxxx{ショック}見づらい席で必死に舞台をフォローしようとする難しさも良くわかりますわ~。大変でしたね!

わたくし、実は、後の補助席にいらした、転職してTBSの事業部関連でKバレエのマネジメントをしている後輩から「mariaさん」と声をかけられ、今後のチケット手配をお願いしたいという下心(?)もあり、いそいそと新しい名刺をいただいたり・・・と、思いがけない遭遇運に喜んでいたのですが、スハースさんとすれ違ってしまったとは残念~。

それはともかく、都さんの素晴らしさをご一緒に堪能できて宜しゅうございましたわ!
本当に愛らしくてきちんとしていて淑やかで活き活きとしていて清楚で華やかで・・・と延々賞賛し続けたくなるマリー姫でした{ティアラ}。

熊川さんは・・・。確かに大きなジャンプやフェッテで魅せてくれましたが、数年前のロイヤルの東京公演でのドンキホーテのバジル役で見せてくれた切れと精緻さが今ひとつ甘くなっているようにわたくしには見えてしまい・・・。これも厳密な踊り手である都さんとの比較の問題なのかもしれませんが。ちょっと残念な気も。彼の真価は、他のもっと相性の良い(と思われる)、ヴィヴィアナ・デュランテとか、ロイヤル時代でいえばリャーン・ベンジャミンといったタイプのバレリーナとの共演を見て再確認する必要があるのかもしれませんね。

バレエ話、あまりの反響のなさに時々、ブログで公開することが間違っているのかしら・・(しゅん)と自問自答することもあり、マニアックすぎるといえマニアックすぎるけれども、自分自身の記録としてもこのポイントははずせないし・・・とついつい筆が滑り。
お読みくださっているとのお言葉、ありがたいことです{ハート}
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Unknown (Naoko S)
2006-12-28 20:55:33
maria様

K-Balletのくるみレポ、都さん@金平糖の登場を今か今かとお待ちしておりました!

そうでしたかー やはり完璧でしたか。私も今月初めのロイヤルのくるみ・初日に登場した都さんを見ましたが、一点の曇りもないピカピカのダンス、まさに史上最強のシュガープラムでした!で、彼女以外のダンサーでこの演目を見る自信がいつにもましてなくなってしまい、手持ちのチケットを売り払って、都さんの最終日・1/3にもう一度足を運ぼうか・・・と思案中ですの。(いい席が出るのを待っている状態・・・)

ところで都さんのチーク、maria様も気になりましたか・・・?なぜかここ2年ほどチークが濃いのですよ 都さん。今回のロンドンのくるみでは大きな瞳が黒々しく強調されるアイメークをされていた?お陰で、チークの方はあまり気にならなかったのですが。ご本人いわく、お若い頃には「西洋人化」めざして濃いお化粧を試みていたこともあるという都さんですが、ここ数年はナチュラル・メーク志向で落ち着かれていたようだったんですが。私としては彼女の可憐さを一層引き立てるナチュラル系に戻って頂きたいのですけど・・・

K-Ballet公演は一度も見たことがないもので、くるみ前半のレポも興味津々で拝読いたしました(詳述して頂き感謝です~)。一幕に眠りの音楽が挿入されているとは驚きです!他にも色々と凝った仕掛けがしてあるようで(しっかりお金もかかっているようで)、是非一度見てみたいプロダクションです。K-Ballet、ロンドンに来てくださらないかしら~?
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Unknown (maria)
2006-12-29 00:48:35
◆Naoko S様

正に史上最強のシュガープラム。
見られるものならもう一度見たいものですわ!

>彼女以外のダンサーでこの演目を観る自信を

よくわかります~。
1月3日はNaoko様のもとに良いお席が巡ってくることをお祈りしておりますわ{キラリ}

熊川版のくるみはお話をわかりやすくするために1幕の始めにマリー姫が早速ご登場。きゃ、都さん{ドキドキ}と喜んだのも束の間、あぁ、、もうくるみ頭にされてしまって・・・と思ったらその直後ねずみの呪いでねずみ頭に。・・・?ということは先程のお顔は別にくるみの呪いではなく、バカンス焼けの小麦色都さんってこと?
とあくまでおとぼけモードのわたくしでした・・・。
そうですか、2年ほど前からxxx。
素顔はとても愛らしい方ですし、スパイダーと親しまれている?付け睫もキュートで宜しいと思うのですが、チークだけは再考していただきたいものですよね、勿体無いですもの{ショック}。

Kバレエは、2004年に、ロイヤルバレエ、バーミンガム・ロイヤルバレエ、シカゴのジョフリー・バレエとともに招かれてMETのステージに立った、というのが熊川氏ご自慢の実績の一つなので、ロンドン公演もそう非現実的なお話ではないのかもしれませんね{飛行機}


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