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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚宙組大劇場公演「風と共に去りぬ」 Aパターン

2013-10-15 16:36:07 | TAKARAZUKA
2013年9月27日に初日を迎えた 宝塚宙組 宝塚大劇場公演、
「風と共に去りぬ」
出来れば初日に賭けつけたかったのですが、今回、A/Bの役替り公演とあって、両パターンを見比べたく、日時調整を慎重に検討し、東上しないバウ・コメディ「第2章」も観賞できる日程、ということで、
10月11日(金)13:00公演、Aパターン前半最終回と、Bパターン初日の2回目15:00公演を観て参りました。



遠征すると大劇場内のレストランフェリエの公演メニューや、大劇場ならではの雰囲気など色々と東京とは違う趣を味わえて、本当に楽しいですね^^
デザートのパンプキンムースには綿あめが!タラの綿花を表しているそうです・・・。さすがだわ・・・シェフの発想力に感嘆。


9年前に宙組の全国ツアー公演で上演されてから再演が途絶えていた「風と共に去りぬ」は1977年の初演以来、錚々たるスターによって再演されてきたという歴史ある大作。
=ちょっと古臭い、組子の大半はモブというのは仕方がないとして^^;
わたくしにとっては初「風共」。
和央ようかさんのバトラー、花總まりさんのスカーレットによるその9年前のDVDは観て予習はしているものの、生の舞台で観るのは初めてで・・無駄にドキドキしながら着席すると!
ざわめきと拍手に振りむくと3列目センターに星組TOPスター柚希礼音さんと同期で元・宙組のスター十輝いりすさん!その後ろに月組TOPコンビ、龍真咲さんと愛希れいかさんが!!
あの・・・1週間以内にあなたたちの東京公演見ていました!と言いたくなりましたが
これは舞台上の生徒さんたちも張り切るでしょうね!
更に無駄なドキドキを高めてしまった開幕前

宝塚グランドロマン
『風と共に去りぬ』

Based on
GONE WITH THE WIND by Margaret Mitchell
Copyright © by GWTW Partners LLC
原作/マーガレット・ミッチェル
脚本・演出/植田 紳爾 演出/谷 正純

[解 説]
 今なお世界中で多くの人に愛されているベストセラー小説であり、映画版の大ヒットでも有名な名作「風と共に去りぬ」を、宝塚歌劇がミュージカル化したのが1977年。南北戦争を舞台に繰り広げられるドラマティックでスケールの大きい舞台は好評を頂き、以来、これまでに幾度も再演を重ねてきました。公演回数1216回、観客動員数272万人を誇る宝塚歌劇の代表作の一つです。この大作が、99周年の記念すべき年に甦ります。(以上、公式HPより)


第一幕、銀橋をバトラー凰稀さんが渡る・・・「さよならは夕映えの中に」シュッとしてカッコいいバトラー。
憂いを秘め、黒塗りに髭にキレイに描いた濃い眉に横線で書き込まれたもみあげ、そしてさりげなく顎を割るラインも・・・。セリ下がる姿を惜しんでいる間もなく、紗幕の向こうにスカーレットの大きな(笑)ドレスが。
朝夏スカーレットは大きくてキレイで明朗な印象。南部の青年たちを引き連れての歌と踊り。スカーレットを挟んであっきー(澄輝さやと)ちー(蓮見ゆうや)。美青年揃いで華やか。

ここから、場面はメラニーとピティパット叔母さんがチャ―ルズ・ハミルトン未亡人となったスカーレットを迎えに行き、そこでレット・バトラーを迎えに来た彼の情婦ベル・ワトリングと役者が揃うアトランタ駅の場面に。
バトラーとメラニーが旧知でベルをメラニーが分け隔てなく遇し、スカーレットのアシュレ―への告白をレットが立ち聞いた、というところまでのあらましがわかるようになっています。
ここはベルのきたさん(緒月遠麻)が汽車の次に大きいこと(CSの番組で本人談)を確認できるシーン。

時は南北戦争中、まだ勝敗がハッキリしていない段階で、どこかのんきな南部の上流階級。
バザーで資金集めをしていますが、ここに行きたくてたまらないのが、蟄居すべき立場の未亡人スカーレット。
幕前で、スカーレットの分身、(スカーレットⅡ)が登場。
スカーレットが悩むと本心で行動するようにけしかけるこの無責任なアルタ―エゴを演じる純矢ちとせさん、朝夏さんとお顔立ちの系統が似ていて歌唱力が抜群なので、「私とあなたは裏表♪」と歌い踊るシーンも息がピッタリ。
素直でコケティッシュな朝夏スカーレットに天真爛漫な純矢スカーレットⅡは芸風も合っていますね。
南部のうるさ方の夫人たちに男役が2人。美人ですっかり上流マダムなエルシング夫人役の風羽玲亜さん、「これぞxx」という型台詞の力強さが流石演技派の天玲美音さん。そして、どの男役マダムよりも性格のきつそうな(ほめてます)大海亜呼さんの台詞回しの明確さに、婦人連の場面の古臭さがあまり気になりませんでした^^;
音楽が流れて袖でノリのりに腰を振るスカーレットを見ながら、夫人たちがあきれ果てる場面、朝夏スカーレットが活き活きとしていてカワイく思えるほど。
そう、まぁくんスカのキーワードは可愛さですね。強い眼力の美女なのに案外と単純で陽性で憎めないところが魅力です。

令嬢たちと踊る権利を青年たちに落札させるという趣向はひんしゅくを買いながらもメラニーの口添えで実行される運びとなり・・・。一番人気のメイベル嬢(伶美うらら)を競り落としたのはルネ(七海ひろき)。この2人、爽やかで麗しい美男美女カップルで、すなわちBパターンのスカⅠスカⅡという興味が人目を集めます。
続いてのファニー(すみれ乃麗)は恋人チャ―リ―(愛月ひかる)が63ドルで。
そこに響く声。「金貨で150ドル!」レット・バトラーの鮮烈な登場場面。
次は風共か・・・と話題になった当初、作品を知るヅカ友がこぞって、「かなめちゃんが、金貨で150ドル!って言うのね」とワクワクしていた理由がようやくわかりました^^
カッコいいです

休暇で戻った兵士たちを迎え旅立つ兵士を見送る人々。
ミ―ド博士(寿つかさ)のまだ幼い息子フィル(星吹彩翔)も。かわいいけれども優等生のもんち(星吹)ハリのある声のボーイソプラノで、ここミ―ド博士の親心が泣かせます。
アシュレ―も出征。
ただ一人気丈なスカーレットが広間で待ちかまえ、手作りの黄色いサッシュを彼の腰に巻きながらまたしても愛の告白。アシュレ―はスカーレットにメラニーを託し、彼女はその約束を忠実に守ります。

そして、後日。
病院の勤労奉仕に嫌気がさしたスカーレットのもとにレットが贈り物を携えての訪問。
美しい羽飾りのついた帽子に心浮き立つスカーレットの無邪気な様子を笑顔でながめるレットだが、結婚をめぐる価値観の相違がスカーレットを怒らせてしまう。一度は退散したレットが戻ってくると、調子よく鼻歌交じりに帽子を手にとり鏡に向かうスカーレットが。
このあたりの呼吸とテンポがとても良く、自然と笑いが。

資金集めの募金活動をする夫人たちに酒場のマダム・ベルがお金を渡そうとしますが、けがらわしいと相手にされず。プライドをかけてのひと悶着の末、道を譲らされ、屈辱のベル。
改めて、メラニーを訪ね、快く感謝と共に受け取ってもらえて愛国心を満足させることが出来て溜飲を下げるベル。
と同時にメラニーに対する絶大な信頼と尊敬が芽生えます。

メラニーが倒れ、アトランタに北軍が。ピティパット叔母(美風舞良)が恐慌状態に陥り、避難。
あおいさん(美風)のピティパットはとても上手。ただキャーキャーとヒステリックな老女ではなく、おろおろする様がなんともチャーミング。
メラニーのために呼びにやらせたミード博士(寿)が手術で手が離せない、と夫人を派遣。その火事場状態の博士、ワイシャツの腕まくりがなんともカッコよくさすが宙組組長さんと思いました^^
メラニーはおめでた。その事実に呆然とするスカーレット。タラにメラニーを連れて帰ろう。

進退きわまったスカーレットが頼るのはレット。
馬車を駆るレットが下手、上手に護身用のピストルをまかされたスカーレットとぐったりするメラニーそしてプリシ―が上手と分散し、それぞれがセルフで揺れて馬車の動きを表現する真ん中舞台上では、炎上するアトランタと逃げ惑う市民を厚みのあるコーラスと真に迫った演技とスピーディな動きで表現。
映画での見どころの一つを見事な緊迫感で描いた演出に拍手。
ここからタラまでは一本道だ。
スカーレットに馬車を任せ、南軍に参加するレット。
ここからは白いドレスシャツに白いベストとパンツ姿のレットが黒いリボンタイをゆるめ(レットが本気になるシーンでは必ずこのアクションが^^)軍隊の踊りに。
ベルばらのバスティーユのシーン同様、真剣な視線で身を低くしての動きに緊迫感が。見どころが続きます。
タラについたスカーレット。十字架の粗末な墓を守るのは・・・懐かしい乳母、マミー(汝鳥伶)です。
やはり汝鳥さんの存在感は物語に厚みを持たせてくれますね。

南北戦争が終わり、南軍は敗れる。
「南部魂」「ニュージェネレーション」と”南部の青年・令嬢たちの見せ場が続きます^^
パステルカラーのスーツ、ドレスに身を包んだ、北部と手を結んで復興の波に乗ろうと未来に輝く青年たちと、茶系の落ち着いた服装で、足を引きずり、盲目の眼で恋人に支えられ、昔を懐古する戦場の傷癒えぬ人々や価値観の違いに憤る年配者たちと。
それぞれの主張・思いが交錯する、ちょっとせつなくも若手スターがふんだんに投入されてワクワクもする場面です。
あの75ドル落札、出征の際には戻ったら結婚よと母親に言われていたルネとメイベルのカップルも、OLDジェネレーション組に。ルネ(七海)の視線が見えていない、いえ、記憶の南部の美しさしか見えていないということを登場時から表現できており、足を負傷した演技派のりんきら(凛城きら)、安定した演技の蓮見さんら、この青年たちの嘆きも見どころ。
一方若手はダンサー蒼羽りくちゃんをセンターに、若々しいダンスで眼を惹きます。新公では主演ですものね。がんばって、と心で声援(笑)

スカーレットはタラへ掛けられた重税を工面できずにアシュレ―に相談。
退役した彼は財産を失い、メラニーとともにタラに身を寄せていたのです。
スカーレットの度重なる愛の告白に心乱しながらも踏みとどまり、薪割りの手を休めて話を聴くも、具体的な解決策なく、ただただ戦争を悔やむ彼に失望するスカーレット。
ここ、出演者の誰よりも立派な体格を持つ悠未さんが不慣れな力仕事をさせてすまないと思わせるにはかなりの力技を必要とする場面。
悠未さんアシュレ―は頼りがいをみせてはなるまじと終始眼から力を抜いてふぬけた様子を見せていましたが、同時にスカーレットの憧れを掻き立てる貴公子風味も漂わせなくてはならない・・という難場面ですよね。
歌になると、俄然その歌声の良さで場面をしめてくれるのですが、見た目と役どころがピッタリ、ではないのが難しいなと思ったところでした。

今、お金持ちと言えば・・・レット!ひらめいたスカーレット。
で、急転直下、ヨーロッパへの新婚旅行から帰ったバトラー夫妻のお披露目設定。
ミード博士をはじめとするOLDジェネレーションの面々は儀礼上出席するが、北部からの新興勢力との同席に耐えられず中座。礼儀正しく見送り、その後の客あしらいも堂に入ったバトラーの大人の対応がステキ。

子供っぽいけれど目的を達成するバイタリティに富んだスカーレットはレットの資金で商売にも成功。
アシュレ―は彼女の店で働かせてもらっています。
ミード博士の誕生日プレゼントを選びにきた夫人に「博士はお洒落だから・・・」とオーデコロンをすすめ、器用に美しくリボン掛け。アシュレ―の繊細さを表す場面ですが、そうか、あのダンディーなミード博士、やっぱりお洒落な紳士認定なのねと(←そこ?)。
見回りに来たスカーレットに思い出話をするうちに盛りあがって手を取り合う姿をもっともうるさ型のご婦人連が目撃。
コミカルなナンバー「お聞きになった?」で町中に噂が尾ひれをつけて広がります。

バトラー邸にて。1人酔い潰れるレットとやめさせようとするマミーの攻防戦。
今や彼の良き理解者マミーの思いやりと、酔いながら嫉妬に苦しむ凰稀バトラーの鬼気迫る演技が見どころ。
居心地悪げにツンツンとするスカーレットと彼女に絡むレット。
アシュレ―を忘れさせてやると、2階の寝室へスカーレットを引きずるようにぐいぐい上がっていく彼ですが、あらがったはずみで階段を転げ落ちる彼女。
この場面DVものですが、全ての所作がベルばらの今宵一夜よろしく、一つ一つのポーズが決まって型として美しく、乱れる場面なのに姿は一瞬も乱れないという凰稀バトラーの矜持を観ました。

スカーレットの無事をメラニーから聞き、神に感謝するレット。
逆にその背後で崩れ落ちるメラニー。
町中の人がメラニーの無事を祈ります。
1人でも多くアシュレ―の子供が欲しかったのでしょう。弱い身体でもう子供は望めないはずだったのに・・・。
ベルも娼館の娘たち(花音舞ちゃんがモンテの酒場の女主人に引き続き酒場マスターになりつつありますね^^;)に冷やかされながらも、真摯に神に祈ります。
オヅキさんのベル、確かに軍艦のように大きくて、色っぽさも足りないけれど、嘘のない凛とした精神と情の深い思いやりに溢れた人間味が感じられ、レットが通い、女の子たちが慕うマダムとしてしっかりと成り立っています。
その彼女が上手で祈り、下手でスカーレットに看取られながら、バトラー船長に優しくしてあげて、アシュレ―を頼んだわと臨終の言葉を残してメラニーは言切れます。

控えの間で知らせを待つ男2人。
スカーレットがふらふらと姿を現すと、抱きとめようと一瞬踏み出し、そのまま前を素通りされてアシュレ―にすがるスカーレットを背後になんともいえない表情でスッと立ち去るバトラーが・・・切なすぎます。
そのアシュレ―はメラニーを亡くして抜けがら状態。

わたしが愛した凛々しい白馬の騎士アシュレ―はどうしたの?そんなのもとから自分で作り上げた虚像だったのよ。
スカⅡとの問答。本当に愛してくれたのは、そして自分が愛したのはレット。スカⅠ・Ⅱの意見が合って、スカⅡはスカⅠに吸収されます。

レットに告げなくては!心満たされ、心急きつつ邸に戻ると浮かない顔でスーツケースを運ぶマミーが。
レット!ぼくは出て行くよ。
聞いて!君の言いたいことは顔に書いてある。
ウィルクスくんの虚像に気付いて僕の魅力を発見したということだろうが・・・もう遅い。
ごめんなさいと言えばもとに戻ると思っている子供の君にはわからないだろうが・・・壊れたものは戻らない。

ツンデレカップルの破局。重い言葉ですね。
スカーレットは直感で、今、自分にとって一番必要な男を選び、手に入れる。
レットはスカーレットをその美貌と生命力とピュアな正直さゆえに愛している。
スカーレットは自分に夢中な男を軽く見る傾向があることを見抜いたレットは素直に愛情表現をしない。
スカーレットはそもそも愛というものを真摯に考えたり味わったりすることがまだできていない。
・・・破局は来るべくして来たのでしょうか。

マミー止めて!言われてドアに立ちふさがるが、レットに見送らなくていい、と言われて道を譲るマミーのなんともいえない表情が・・・・。
ここで、初めて、舞台機構の活用が行われます。
盆が・・・・回った!!
もう、子供が初めて立って2~3歩歩いたくらいの感動?(笑)
それまで幕が上がって幕が下りて幕前の芝居があって・・・と紙芝居演出でしたから、3Dに驚きました^^;
玄関挟んで外にでたバトラーが「さよならは夕映えの中に」を。
冒頭に戻る、というわけですね。

宝塚には珍しくハッピーエンドではないこの作品ですが、
ここから怒濤のフィナーレ・ショー・タイム!

長くなりすぎたので別記事にしようと思います


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