ルグリガラ、最終日、ゆうぽうとに行って参りました。
4月も下旬だと言うのに1月のような寒さ!
軽井沢から来た友人は15cmくらいの積雪で車が出せなかったとか・・・
と、時ならぬ寒さに凍えましたが、会場内は熱く盛り上がったGALAでした
2013年4月21日(日)3:00 p.m. / 会場:ゆうぽうとホール
《マニュエル・ルグリの新しき世界III》Bプロ
■「クリアチュア」 より
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ
ダークレッドのコルセットキャミの秋山さん、キリ―ロフ・ミレフは上半身には衣装を着けず、お二人とも袴のような黒のロングスカート?を。
この衣装のパターンがド・バナさんのお好みなのでしょうか?
音楽がトルコの伝統音楽、ということも相まって、旋回舞踊系でまたもやトリップしそうに・・・
■「ノクターン」 ("Songs of the Night"より)
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
白い長そでのシンプルなワンピースのアッツォー二が踊る舞台に、上手の奥からメガネ男子が・・・。
本を手に読みながら歩いてきますリアブコが。
シャツにネクタイ、グレーのニットベスト。彼と彼女の出会いと別れ。
ノイマイヤーらしい、男女の細やかな心の機微を雄弁に語らせる振りを完全に自分の言語として表現することのできる2人が織りなす短編小説のような一幕でした。
■「アルルの女」 より
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョルジュ・ビゼー
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ
これはルグリ先生&イザベル・ゲランのお手本のようなパフォーマンスがつい蘇ってしまう演目ですが・・・。
ルグリ先生直伝であろうプティの世界、幻影の中のアルルの女に魅了されて破滅(というか、文字通りあちら側の世界に行ってしまう主人公)をクルラ―エフがどう見せるか・・・。
うーん、長身で手足が長いことが邪魔をしているのか、彼の踊りの持ち味が違うのか。
どこが悪い、というわけではないのですが、音楽が高まりアップテンポになる終盤の盛り上がりはもっと踊りに音を先取りしていくような狂熱的な早さときびきびとしたリズム感が欲しいのですけれども・・・終始流麗な踊り、で盛り上がりに欠けるような・・とはハードル高め設定で、彼に気の毒でしょうかしら。
ヤコヴレワの白いぺザント衣装の恋人役は優しく柔らかな空気感で素敵でした。
■「ファクタム」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:フェルナンダ・アンド・ベルナルダ・デ・ウトレーラ/ルイス・ミゲル・コボ
ヘレナ・マーティン、パトリック・ド・バナ
黒い衣装で現代音楽に乗せて踊るフラメンコ?モダンダンス?
面白い音楽の使い方だなと。大人な2人の演技でした。
■「ル・パルク」 より
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ 音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ
「解放のパ・ド・ドゥ」です。
2人とも髪を後ろにまとめて黒いリボンをつけたヘアスタイルで、白いゆったりとしたぺザントシャツのようなナイトシャツ姿で、艶やかなオーレリ―のしっとりとした表現力にモーツァルトの音楽とともに酔いしれました。
ルグリ先生は・・・どうしたことでしょうか・・・。
踊りそのものには勿論破綻のあろうはずはないのですが、このPDDに不可欠な情熱の高まりが感じられず、あの口づけをしたままフリーハンドで旋回するリフトも、情熱や愛の高まりの末に・・という高揚感が今一つで、あまつさえ、リフトが終ったあとルグリ先生が肩で息をしていらしたような・・いえ、ほんの数秒のことですが・・・。
キャリア終盤の余裕感のあるイレールのそして、前回の来日時のルグリ先生の完璧なパフォーマンスがデフォルトになっているので、ついついそれを求めてしまう自分が欲深いだけだと思うのですが。
もう、この演目には、向いていないということではなく、生身のダンサーですからその日の体調やテンションが影響するのかもしれません。
【 休 憩 】
■「エイムレス」
振付:ディモ・キリーロフ・ミレフ 音楽:マーク・リボー
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ
お二人ともカラフルでカジュアルなカラ―パンツに裾出しの着こなしの半袖柄シャツ姿。
シンクロするように踊りますがどこか飄々とした味があり、このお二人には、ド・バナさんの作品よりもしっくりくる感じがあるな・・と思ったら、ディモ・キリ―ロフ・ミレフさんご自身の振付なのですね。
■「テーマとヴァリエーション」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ、デニス・チェリェヴィチコ
東京バレエ団
ゆるぎないクラシック・スキルを持つコノヴァロワのための演目。
水色のクラシックチュチュでの華やかなバランシン・バレエ。
チェリェヴィチコは、Aプロでも思ったのですが、ソロ(特に回転技系)は素晴らしいのですが、女性をリフトしたりサポートしたりするのがあまりお得意ではないような・・・^^;
コノヴァロワは自力で立つことのできる人なので、リフトの危うさも、自ら降りるタイミングをはかったり自己解決されているご様子でしたが・・・。
東バの面々、4組のカップルにソリストが配されていましたが女性の4人の上手に吉川留衣さん、下手に乾友子さんがいらして、お二人が好きなわたくしとしては楽しかったです。
男性は上手から2人目に松野乃知くんが。一際美しいラインの踊りでノーブルでした。
彼は王子様役にぴったりですね。今後主演を観たいダンサーです。
■「ノット・ウィズアウト・マイ・ヘッド」
振付:ナタリヤ・ホレツナ 音楽:テリー・ライリー
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
男女のドラマ。2012年にこの2人のために振りつけられたという新しい作品。
赤い衣装のアッツォー二と黒い衣装のリアブコ。いきなり2人の意味を持たない台詞による叫び声から始まるアバンギャルドな作品ですが、アクロバティックなリフトの数々もものともせずに感情の流れの中に取り込む2人のポテンシャルと振付にこめられた感情を織りなす表現力はしっかりと堪能出来ました。
作品として好きかどうかは別として、やはりこの2人のダンサーの力量は素晴らしい。
こうなるとハンブルク・バレエ団の全幕の来日公演が待たれますね。
■「モシュコフスキー・ワルツ」
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:モーリツ・モシュコフスキー
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ
ヤコヴレワの衣装はAプロの「チャイコフスキーPDD」のときと同じ、軽やかなシフォンのサーモンピンク。
白シャツ黒パンツのシンプルなクルラ―エフとのコンビネーションは、長身で美しいふたりの流れるようなワルツのリズムに乗った伸びやかな踊りで心地よく、今のウィーン国立バレエ団の良さはこういうところにあるのだろうな、と感じさせてくれた演目でした。
■「シルヴィア」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:レオ・ドリーブ
オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ
この作品はルグリがオペラ座の大エトワール、デュポンがそのパートナーとして組むことになって間もないころのバレフェスで上演されたような記憶があります。
何年前になるのかしら・・・。
女性が旅立とうとトランクを手に下手に現れるところから始まり、男性と手に手を取って、2人の過去を振り返り、そしてまた行こうとする彼女の足元に、彼がまた滑り込むようにして寄り添い引きとめる・・・
衣装を含め華やかさをあえて排除した大人の男女の私小説のような関係性を描いたドラマで、あの頃の若くてキラキラとお人形のように美しいオーレリ―にはあまりそぐわない感じがしたのですが、今のしっとりとした情感がただよう彼女にはぴったりな演目だと思ったことでした。
ピアノ:髙橋 望 (「ノクターン」)
※音楽は特別録音によるテープを使用します。(「ノクターン」のみピアノ伴奏)
◆上演時間
第1部 15:00 - 16:10
休憩 20分
第2部 16:30 - 17:35
今回のBプロは、リアルでもパートナーであるダンサーのPDDが多かったせいか、男女の関係性の様々なバリエーションを短編集を読むように繰り広げてくれた演目が多く、こじんまりとしたゆうぽうとという会場の空間も相まって、どこか親密な感じのするガラでした
4月も下旬だと言うのに1月のような寒さ!
軽井沢から来た友人は15cmくらいの積雪で車が出せなかったとか・・・
と、時ならぬ寒さに凍えましたが、会場内は熱く盛り上がったGALAでした
2013年4月21日(日)3:00 p.m. / 会場:ゆうぽうとホール
《マニュエル・ルグリの新しき世界III》Bプロ
■「クリアチュア」 より
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ
ダークレッドのコルセットキャミの秋山さん、キリ―ロフ・ミレフは上半身には衣装を着けず、お二人とも袴のような黒のロングスカート?を。
この衣装のパターンがド・バナさんのお好みなのでしょうか?
音楽がトルコの伝統音楽、ということも相まって、旋回舞踊系でまたもやトリップしそうに・・・
■「ノクターン」 ("Songs of the Night"より)
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
白い長そでのシンプルなワンピースのアッツォー二が踊る舞台に、上手の奥からメガネ男子が・・・。
本を手に読みながら歩いてきますリアブコが。
シャツにネクタイ、グレーのニットベスト。彼と彼女の出会いと別れ。
ノイマイヤーらしい、男女の細やかな心の機微を雄弁に語らせる振りを完全に自分の言語として表現することのできる2人が織りなす短編小説のような一幕でした。
■「アルルの女」 より
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョルジュ・ビゼー
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ
これはルグリ先生&イザベル・ゲランのお手本のようなパフォーマンスがつい蘇ってしまう演目ですが・・・。
ルグリ先生直伝であろうプティの世界、幻影の中のアルルの女に魅了されて破滅(というか、文字通りあちら側の世界に行ってしまう主人公)をクルラ―エフがどう見せるか・・・。
うーん、長身で手足が長いことが邪魔をしているのか、彼の踊りの持ち味が違うのか。
どこが悪い、というわけではないのですが、音楽が高まりアップテンポになる終盤の盛り上がりはもっと踊りに音を先取りしていくような狂熱的な早さときびきびとしたリズム感が欲しいのですけれども・・・終始流麗な踊り、で盛り上がりに欠けるような・・とはハードル高め設定で、彼に気の毒でしょうかしら。
ヤコヴレワの白いぺザント衣装の恋人役は優しく柔らかな空気感で素敵でした。
■「ファクタム」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:フェルナンダ・アンド・ベルナルダ・デ・ウトレーラ/ルイス・ミゲル・コボ
ヘレナ・マーティン、パトリック・ド・バナ
黒い衣装で現代音楽に乗せて踊るフラメンコ?モダンダンス?
面白い音楽の使い方だなと。大人な2人の演技でした。
■「ル・パルク」 より
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ 音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ
「解放のパ・ド・ドゥ」です。
2人とも髪を後ろにまとめて黒いリボンをつけたヘアスタイルで、白いゆったりとしたぺザントシャツのようなナイトシャツ姿で、艶やかなオーレリ―のしっとりとした表現力にモーツァルトの音楽とともに酔いしれました。
ルグリ先生は・・・どうしたことでしょうか・・・。
踊りそのものには勿論破綻のあろうはずはないのですが、このPDDに不可欠な情熱の高まりが感じられず、あの口づけをしたままフリーハンドで旋回するリフトも、情熱や愛の高まりの末に・・という高揚感が今一つで、あまつさえ、リフトが終ったあとルグリ先生が肩で息をしていらしたような・・いえ、ほんの数秒のことですが・・・。
キャリア終盤の余裕感のあるイレールのそして、前回の来日時のルグリ先生の完璧なパフォーマンスがデフォルトになっているので、ついついそれを求めてしまう自分が欲深いだけだと思うのですが。
もう、この演目には、向いていないということではなく、生身のダンサーですからその日の体調やテンションが影響するのかもしれません。
【 休 憩 】
■「エイムレス」
振付:ディモ・キリーロフ・ミレフ 音楽:マーク・リボー
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ
お二人ともカラフルでカジュアルなカラ―パンツに裾出しの着こなしの半袖柄シャツ姿。
シンクロするように踊りますがどこか飄々とした味があり、このお二人には、ド・バナさんの作品よりもしっくりくる感じがあるな・・と思ったら、ディモ・キリ―ロフ・ミレフさんご自身の振付なのですね。
■「テーマとヴァリエーション」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ、デニス・チェリェヴィチコ
東京バレエ団
ゆるぎないクラシック・スキルを持つコノヴァロワのための演目。
水色のクラシックチュチュでの華やかなバランシン・バレエ。
チェリェヴィチコは、Aプロでも思ったのですが、ソロ(特に回転技系)は素晴らしいのですが、女性をリフトしたりサポートしたりするのがあまりお得意ではないような・・・^^;
コノヴァロワは自力で立つことのできる人なので、リフトの危うさも、自ら降りるタイミングをはかったり自己解決されているご様子でしたが・・・。
東バの面々、4組のカップルにソリストが配されていましたが女性の4人の上手に吉川留衣さん、下手に乾友子さんがいらして、お二人が好きなわたくしとしては楽しかったです。
男性は上手から2人目に松野乃知くんが。一際美しいラインの踊りでノーブルでした。
彼は王子様役にぴったりですね。今後主演を観たいダンサーです。
■「ノット・ウィズアウト・マイ・ヘッド」
振付:ナタリヤ・ホレツナ 音楽:テリー・ライリー
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
男女のドラマ。2012年にこの2人のために振りつけられたという新しい作品。
赤い衣装のアッツォー二と黒い衣装のリアブコ。いきなり2人の意味を持たない台詞による叫び声から始まるアバンギャルドな作品ですが、アクロバティックなリフトの数々もものともせずに感情の流れの中に取り込む2人のポテンシャルと振付にこめられた感情を織りなす表現力はしっかりと堪能出来ました。
作品として好きかどうかは別として、やはりこの2人のダンサーの力量は素晴らしい。
こうなるとハンブルク・バレエ団の全幕の来日公演が待たれますね。
■「モシュコフスキー・ワルツ」
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:モーリツ・モシュコフスキー
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ
ヤコヴレワの衣装はAプロの「チャイコフスキーPDD」のときと同じ、軽やかなシフォンのサーモンピンク。
白シャツ黒パンツのシンプルなクルラ―エフとのコンビネーションは、長身で美しいふたりの流れるようなワルツのリズムに乗った伸びやかな踊りで心地よく、今のウィーン国立バレエ団の良さはこういうところにあるのだろうな、と感じさせてくれた演目でした。
■「シルヴィア」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:レオ・ドリーブ
オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ
この作品はルグリがオペラ座の大エトワール、デュポンがそのパートナーとして組むことになって間もないころのバレフェスで上演されたような記憶があります。
何年前になるのかしら・・・。
女性が旅立とうとトランクを手に下手に現れるところから始まり、男性と手に手を取って、2人の過去を振り返り、そしてまた行こうとする彼女の足元に、彼がまた滑り込むようにして寄り添い引きとめる・・・
衣装を含め華やかさをあえて排除した大人の男女の私小説のような関係性を描いたドラマで、あの頃の若くてキラキラとお人形のように美しいオーレリ―にはあまりそぐわない感じがしたのですが、今のしっとりとした情感がただよう彼女にはぴったりな演目だと思ったことでした。
ピアノ:髙橋 望 (「ノクターン」)
※音楽は特別録音によるテープを使用します。(「ノクターン」のみピアノ伴奏)
◆上演時間
第1部 15:00 - 16:10
休憩 20分
第2部 16:30 - 17:35
今回のBプロは、リアルでもパートナーであるダンサーのPDDが多かったせいか、男女の関係性の様々なバリエーションを短編集を読むように繰り広げてくれた演目が多く、こじんまりとしたゆうぽうとという会場の空間も相まって、どこか親密な感じのするガラでした
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