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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

バレフェスAプロ♪⑥

2006-08-08 01:58:59 | BALLET
ちょっとした覚書のつもりだったのに、バレフェス恐るべし!
まだ半分・・・

しか~し!
第三部に冒頭にいきなりこの夜の白眉、Aプロ一番の話題作が・・・

★「扉は必ず・・・」 PARIS OPERAの精鋭、女優のような美しさのオレリー・デュポンと、端正な佇まいにゆるぎない技術 深みのある表現でMr.Perfectとしかいいようのないマニュエル・ルグリ。



これは、ルーブルにあるロココの画家フラゴナールの「閂」という作品ですが、冒頭のシーンはこの絵そのもの!
そしてこの2人のドラマが綴られるわけですが・・・。
さすが20世紀を代表する「バレエの詩人」イリ・キリアンの振付。
ハープシコードを使いながら脱構築的なモダンな音楽。緩やかに通り抜けるようなそして流れるようなポーズが刻々と変化する様が2人の「時間」を表しているかのよう。目が離せない異色作にして美しいドラマ。
美しさに加え、エトワールとして主役を務めてきた蓄積が風格を生み、元来のコンテンポラリーを志向する開かれたマインドで大エトワールへの脱皮を見事に果たしていると近年とみに評価の上がったオレリーと、わたくしなぞは「ルグリ先生」といつも「先生」をつけてお呼びしてしまう、ルグリのあくなき探求心と完璧な哲学を体現するパフォーマンス。
この2人は毎回、予想される凡百のクラシックよりもこのような完成度の高い真のコンテンポラリーを持ってくるセンスの良さに唸らされるペアですが、今回は本当にしてやられました。

花束を投げあうシーン、りんごを齧りあうシーンなどユーモアも交えながら観客の緊張感を途絶えさせない、ちょっと他では見られないパフォーマンスでした。
玄人受けする作品ですね。


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1 コメント

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Unknown (シーラカンチャン)
2006-08-10 12:21:25
あれっこんなに絵画的だったんだぁ、と思わず本物の踊りの写真かと思いましたね。すぐさま絵を貼り付けて解説するMariaさまの感性と技術に驚きでございます。
私も一番楽しみにしていたカップルでしたが、しばらくスローモーションのコマ送りのような感じから、ルグリさまが等速にて踊る場面はその優雅さにうっとり、膨らむ袖としなやかな手の動きにため息が・・・
そうですか・・・・完璧な哲学を表現ねぇ(感心!)
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