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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚星組台湾公演ライブ・ビューイング

2013-04-18 05:35:21 | TAKARAZUKA
2013年星組による、タカラヅカの海外ツアーが先日幕を閉じました。
国立中正文化中心 台北国家戯劇院公演、ということで、台北のオペラハウス級の一番の格のある劇場での公演であった・・・とのこと。

公演期間は4月6日(土)~4月14日(日)の9日間で、
日本からツアーで駆けつけたファンも大勢いましたが、地元の集客も良く、チケットは完売、台湾仕様の演目や歌も好評で、客席からは毎公演拍手と大歓声の盛りあがった公演であった・・・とか。

同じ内容を事前に中日劇場で上演していたので、観に行きたかったのですが果たせず、
17日14:30~六本木ヒルズシネマでのライブ・ビューイングにて観賞して参りました



ちなみに台湾での座席料金は SS席4,500台湾ドル、S席3,800台湾ドル、A席3,200台湾ドル、B席2,500台湾ドル、 C席1,800台湾ドル、D席1,200台湾ドルとのこと。
1ドル=3・28円ですから、1・3~5倍くらいの感覚でしょうか。

演目自体は3本立ての大劇場公演の2番目のお芝居を台湾で親しまれている物語に変更したほかは、和洋それぞれのショーは基本変わらず、ショーのフィナーレに台湾の歌を入れ、デュエットダンスのお衣装と振付を変更した・・というところ。

あとは、半分のメンバーが「南太平洋」組にまわったので、若干配役に変更が生じているのもチェックポイント。

舞踊ファンタジー
『宝塚ジャポニズム ~序破急~』

作・演出/植田紳爾  

[解 説]
 日本の芸能の原点、能楽の基礎の概念を取り入れ構成した日本物ショー。「和」の心、「祈り」の心、「抒」の心をテーマとし、華やかに、躍動的に、また幻想的に日本舞踊に乗せて表現します。
 特別出演・・・(専科)松本悠里
真風くんポジはしーらん(壱城あずさ)が入っていました。

ミュージカル
『怪盗楚留香(そりゅうこう)外伝-花盗人(はなぬすびと)-』
古龍作「楚留香新傳」風雲時代出版社刊より
脚本・演出/小柳奈穂子
 
[解 説]
 酒と女をこよなく愛し、冒険と正義のために盗みを働いては現場に香の匂いを留めて去る洒脱な怪盗、楚留香(そりゅうこう)。2007年にはF4のケン・チュウ主演でドラマ化され、“台湾のアルセーヌ・ルパン”とも言われる人気キャラクターの活躍を、宝塚歌劇ならではの華やかな演出でお届けします。

楚留香(そりゅうこう) 怪盗。粋人。                     柚希 礼音
左明珠(さめいしゅ) 左家の娘。薛斌と密かに恋仲。勇ましい。    夢咲 ねね
*~*~*
花金弓(かきんきゅう) 薛斌の婚約者の母                万里 柚美
梁媽(りゃんま) 楚留香の部下                       毬乃 ゆい
薛衣人(せついじん) 武芸で鳴らす薛家の当主。薛斌の父。     十輝 いりす
蘇蓉蓉(そようよう) 楚留香の部下                     音花 ゆり
左軽候(さけいこう) 薛家と対立する左家の当主。左明珠の父。   鶴美 舞夕
薛斌(せつひん) 薛家の跡取り息子。優しい。左明珠とは恋仲。   紅 ゆずる
神鷹(しんよう) ルパン3世の銭形警部ポジ。                壱城 あずさ
杜殺(とさつ)  薛家の用心棒                         海 隼人
葉盛蘭(ようせいらん) 歌舞伎の人気女形役者。小珠と密かに恋仲。 汐月 しゅう
李紅袖(りこうしゅう)?                               音波 みのり
小珠(しょうじゅ)花金弓の娘。薛斌の婚約者。               優香 りこ
張簡斎(ちょうかんさい) 名医。 薛家に仕えていたが花家に移る。   瀬稀 ゆりと
施茵(しいん)?                                    夢妃 杏瑠
倚剣(いけん) 石繍雲の姉とともに薛斌に仕える。石姉妹とは幼馴染。  十碧 れいや
宋甜児(そうてんじ) 楚留香の部下。3枚目キャラ。              早乙女 わかば
大牛(たいぎゅう) 神鷹の部下                          漣 レイラ
石繍雲(せきしゅううん)姉の敵討のため薛斌を狙い楚留香と出会う娘。 礼 真琴
白猫(しろねこ)神鷹の部下                             紫藤 りゅう

優男ロミオとお転婆ジュリエットのたくらみを怪盗ルパンが解き明かし、ついでに姉の敵討と思いこんだお嬢さんに心惹かれつつも粋にすべての恋の絡み合った糸をほぐして大団円に持ち込む・・・というお話。
見どころその1は 勘違い敵討お嬢さんの礼真琴くんの娘役姿とアクロバティックな舞と歌声。
その2は 左明珠ねねちゃんが楚留香柚希さんと繰り広げるダイナミックな殺陣。
その3は 常に粋に、包容力を持って、快刀乱麻に2組のカップルの家の確執故の恋の障害を取り除き、なぞ解きをしつつも女性に優しい楚留香のカッコ良さ。
あとは、意外なコメディエンヌ振りを見せる早乙女わかばちゃんと期待通りの3枚目を演じる壱城さん。
意外と言えば、無骨な役の多い汐月しゅうくんがまさかの優男役者役でちらりと出たのには後で配役を知ってびっくり。誰だかわからなかったです^^;
3本立てで時間の制約が大きかったせいか、「あなたは対立するXX家から来た00の娘!」のような説明台詞が多かったのと、物語のKEYとなる礼真琴ちゃんの役の娘がやたらと察しが良く、相手が何も言っていないのに自分を思っているという前提でどんどん台詞をすすめるのが可笑しかったり・・・^^;
役者と役柄が合っていて楽しいお話しなので、是非2本立ての枠で再演してみていただきたい作品だなと思いました

グランド・レビュー
『Étoile de TAKARAZUKA(エトワール ド タカラヅカ)』
作・演出/藤井大介  

[解 説]
 Étoileとは、フランス語で“星”。夜空を染め上げる、悠久の美しい星の数々、その星たちが織り成し形作る星座の神話から受けたイメージをレビューで表現。美しく輝かしいキラ星たちが奏でる、美しくゴージャスなレビュー作品です。

これはほぼ大劇場公演を踏襲。
銀橋はないものの、20段の大階段が設置されて雰囲気は充分。
真風くんポジは鶴美さんや壱城さんで担当。
麻央侑希くん、礼真琴くん、十碧れいやくんの若手3人が黄色のお衣装で3カップルで歌い継ぐシーンは、2カップルに変更。礼君わかばちゃん、十碧れいやくん音羽みのりちゃんペアが新鮮。

最後は台湾の曲を歌い継ぎ、ここは観客の反応がとても良かった様子。
デュエットダンス、大劇場で赤いラメ衣装だったのが、紫のドレスと銀のタキシードに紫のフリルブラウスに代わっていて大人っぽくゴージャス感が増していました。

台湾での観客の熱狂ぶりとそれに応えてしっかりと魅力を放っている星組メンバーが頼もしく、この公演が文化交流として続くとよいな、と思ったことでした











ステファヌ・ドゥネーヴ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団

2013-04-11 06:41:17 | MUSIC
南太平洋とはしごで(!)青年館のあとはサントリーホールへ・・・

ステファヌ・ドゥネーヴ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR
Stephane Deneve,Chefdirigent

2013年4月10日(水) 19:00開演

曲目
ブラームス: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77

ベルリオーズ: 幻想交響曲 op.14

<ソリスト・アンコール>
J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より サラバンド
(ヴァイオリン/三浦文彰)

<オーケストラ・アンコール>
ビゼー: 「アルルの女」より ファランドール
ラヴェル: 「マ・メール・ロワ」より パゴダの女王レドロネット

指揮
ステファヌ・ドゥネーヴ


出演
三浦文彰(Vn)


なんと!一列目のセンターのお席で・・・。
三浦君とコンサートミストレスを観上げる場所での観賞で、オーケストラでありながらも1人1人の音色の違いを聴き分けられるポジションでの観賞は生演奏、コンサートホールならでは、で 気分が盛り上がりました^^


歴代の常任指揮者が、べ―ム、フルトヴェングラ―、ショルティ、シノ―ポリ、クライバ―と錚々たるメンバーの名門オケを2010年から率いているのは1971年生まれの若手。
ショルティ、プレートル、小澤と巨匠のアシスタントとして研さんを積みつつ1999年のアメリカデビュー以来、国際舞台で活躍している若き巨匠。
ドイツのオケながら、今回のアジアツアーの演目も、(9日はベルリオーズ、ドビュッシー、ラヴェル)フランスもののレパートリーが充実しているのは、指揮者の母国愛?の強さゆえ?^^

ブラームスはソリストの三浦君が若さに似ず、非常に抑制をきかせつつも表情豊かな音を聴かせてくれて圧巻。
彼は御両親ともにヴァイオリニストというサラブレッドとはいえ、まだ20歳そこそこの若さ。
小柄な体で、ちょっと片足先を立てて演奏する姿は、クラシカルなナポレオンスタイルの軍服っぽい合わせのジャケットのせいか、マネの描く「笛を吹く少年」のような感じ。
オケが揃ったところに登場する足取りの軽やかさが若々しいのですが、演奏中切れた弦をちぎり捨てる落ち着いた様子は大舞台馴れした風格も。
決してひけらかしたり自分に酔いしれたりすることなく音楽に真摯に向き合う姿勢が音に込められていて今後も注目株だと思ったことでした

ベルリオーズの「幻想交響曲」はフランス派にとって弱い分野である(笑)交響曲の白眉ですが、やっぱり構成が面白すぎますよね・・・
作曲家自身のストーカー的な恋の行方をなぞったような構成になっているのですが、最終楽章の「サバトの夜の夢」はなんと「芸術家の葬儀に蝟集した魔女たちの狂乱の宴」魔女たちの哄笑や飛び交う様などが次々と描かれていく。途中にはグレゴリオ聖歌の「怒りの日」が引用され、最期のクライマックスにはそれまでの楽想がMIXされる。
とプログラムにある通りの盛り上がりで・・・。
下手するとハリウッド映画のゾンビものになってしまいかねないところをアカデミックな交響曲の最終楽章にふさわしい格を崩さずに作り上げたベルリオーズと今日の演奏に拍手を・・・!!
最期のクライマックスに参加する直前、第一第二のヴァイオリニストが目配せをしあってにやりと微笑んだのが印象的でした

その後のアンコ―ルがまた、血沸き肉踊る(笑)ファランドールで・・・。
今夜がアジア・ツアーの最終日だったのか、指揮者も大きなアクションで、NiceHall,NiceAudienceと、一列目の下手で観賞していた小学生?のご兄弟にも登場時に手を振ったりと気持ちが乗っていらしたようで良かったです。
最期のアンコールの「レドロネット」は中国風の異国情緒に溢れた、5音階での作品で実にラヴェルらしくて、フランス音楽を堪能した夕べ、となりました


宝塚星組「南太平洋」千秋楽

2013-04-11 04:46:15 | TAKARAZUKA
宝塚の星組が1週間にわたる台湾公演を4月6日に開幕した裏で、
残り半分のメンバーが専科の轟さん主演のミュージカル「南太平洋」を日本青年館で上演中・・・。

正直、華やかな海外公演の陰で、抜擢された相手役の娘役さんもスターとして扱われたことのない妃海風ちゃんで、作品自体も往年の名作ミュージカルとはいえ、今の日本、今の宝塚で上演する意味、というとっかかりがなく、ポスターも決して美女とは言えない風ちゃんの横顔と轟さんのアップで、特に観に行くつもりではなかったのですが・・・。

3月19日から30日の梅田芸術劇場シアタードラマシティでの評判が聞こえてきて、どうも良作らしい・・・、と。
特に風ちゃんの歌唱力、舞台度胸、作品の中での比重の重さがかつてないレベル、男役スターに寄りそうヒロインの枠を超えて、退団後のTOP男役スターが外部での公演で主演するときのレベルの主役っぷりで、その扱いに応える彼女のパフォーマンス、というお話に加え、脇の美城れんさんを始め、英真なおきさんら専科の客演者のクォリティの高さなど、作品としてハイレベル、という評判で、これは一度観ておかなくては!と。

すべりこみで千秋楽、短い東京公演(4月5日~10日)@日本青年館大ホールに行って参りました^^


■主演・・・轟 悠(専科)

ブロードウェイ・ミュージカル
『南太平洋』

Rodgers & Hammerstein’s
SOUTH PACIFIC
Music by RICHARD RODGERS
Lyrics by OSCAR HAMMERSTEIN II
Book by OSCAR HAMMERSTEIN II and JOSHUA LOGAN
Adapted from the Pulitzer Prize winning novel
"Tales of the South Pacific" by James A. Michener

潤色・演出/原田諒

[解 説]
 リチャード・ロジャース作曲、オスカー・ハマースタインⅡ世脚本・作詞により、1949年にブロードウェイで初演、翌年にトニー賞最優秀作品賞を受賞。2008年には第62回トニー賞において、リバイバル作品賞をはじめとする7部門もの受賞に輝いたミュージカルの傑作。太平洋戦争の最中、とある南の島で繰り広げられるフランス出身の農園主エミールと、島の海軍の看護婦ネリーとの恋を、流麗な音楽に乗せて描いた作品。宝塚歌劇では、1984年に剣幸、春風ひとみらにより宝塚バウホールで上演し、好評を博しました。今回はブロードウェイでのリバイバル版(2008年)が魅せたように、より現代的に、そしてドラマティックな演出で感動の舞台を甦らせます。

〔主な配役 ]
エミール・ド・ベック(島に住むフランス人農園主)  轟 悠
ネリー・フォーブッシュ(赴任してきた従軍看護婦)  妃海 風
*~*~*
ジョセフ・ケーブル(中尉)  真風 涼帆
ブラッディー・メリー (土産物売りのやり手おばさん) 英真 なおき
リアット(メリーの娘)  綺咲 愛里

ジョージ・ブラケット(上官・大尉)  一樹 千尋
ウィリアム・ハービソン (ブラケット大佐の副官) 美稀 千種
ルーサー・ビリス (副業に精を出す兵士)  美城 れん
アメリカ軍の女性たち・ネリ―の仲間:  花愛 瑞穂 、白妙なつ、愛水 せれ奈、妃白 ゆあ 、紫月 音寧、 華鳥 礼良
アメリカ軍の兵士たち: 如月 蓮、 天寿 光希、 大輝 真琴、 真月 咲、 輝咲 玲央、麻央 侑希、飛河 蘭 瀬央 ゆりあ 音咲 いつき

リチャード・ウエスト(エミールの屋敷の執事) 夏樹 れい(米軍の女性もアルバイトで)
ガーナ(エミールの娘)  紫 りら (米軍の女性もアルバイトで)
ジェローム(エミールの息子)  城妃 美伶(米軍の女性もアルバイトで)
エミールの屋敷の使用人:  天華 えま、 綾 凰華

いや、良かったです。
行って良かった。

お話そのものをおさらいしますと・・・(ネタばれアリ)。

南部の小さな町で保守的な両親のもとで育てられたネリ―が、環境を変えたくて来た南の島(舞台の上手に東京までの距離、下手にNYとBOSTONまでの距離をしめした標識があり、ちょうど中間地点であることを示しています)で、土地に根付いて成功しているフランス人エミールと出会い恋に落ちる。
明るくて聡明で心優しい彼女だが、彼には死別したポリネシアンの妻との間に2人の子供がいることを知り、そのことを受け入れることが出来ず、苦悩する。
一方エミールは、故郷でマフィアのボスの排除運動のリーダーとして名乗りを上げたときに、ボスを偶然死に至らしめ、貨物船で逃げてきた先で成功。読書家で知的な大人の男性だが、アメリカ軍から危険な情報活動の任務への協力を求められる。

島でのアメリカ軍は女性に飢えた若い兵士たちと彼らをいなすやり手のメリーとの楽しい掛け合いから始まるが、そこに到着したのは膠着した戦局を打開するプランを持ってきたケーブル中尉。
男っぷりの良い中尉にメリーが目をつける。
実は彼女には秘蔵の娘リアットがおり、美しい彼女のために、ふさわしい相手と見込んで、兵士たちの目からかくしていた娘を引き合わせる。
隣の美しい島、将校しか渡れないバリハイにメリーの商売敵(でも良き仲間)ビリスの手引きで渡った中尉はリアットと恋に落ちるが、メリーから結婚を切りだされて逡巡する。
やはり保守的な教育を受けた彼は異なる人種間の結婚には踏み切れない。

エミールは大尉に呼ばれて、土地に詳しい人間としてガイド的役割の協力を要請されるが、愛する女性のためにも死の危険を犯すことはできないと一度は断るが、混乱したネリ―に拒絶された後 彼女が転属を希望していると聞き、戦争を早く終わらせるためなら・・とケーブル中尉とともに危険な任務に就く。
ケーブル中尉とエミールの間に友情が生まれ、自由な博愛精神を持つエミールに感化された中尉はリアットとの愛をはぐくむことを決意。
作戦そのものは、偶然密航?したビリスの働きもあって成功するが、中尉は戦死。
そのことを知ったネリ―はリアットを抱きしめ、エミールの2人の子供の面倒を見ながら、彼の帰りを待つ・・・そして・・・。

ハッピーエンドで気持ち良い涙を流せる良作でした。

また、この作品には、星組の次期のTOP娘役候補?の旬な娘役3人が出演しているので、2番手で台湾公演中の紅ゆずるさんの相手役として今の、TOPさん後の星組の将来を占う・・・という楽しみもあり^^
ちょっとそれを意識して見て観ました^^

■まず、一幕を観ての感想:

南太平洋良いですね!

ネリ―=風ちゃんがだんだんチャーミングに見えてきました
端正で大人なエミール=轟さんとの並びは違和感かと思いましたが意外と作品の設定(知的で大人なフランス人男性と元気で闊達な若いアメリカ人女性)に合っていたせいか良い感じ。
歌はバッチリで演技も出来るし長身なので、チャピちゃん(月組の現TOP娘役の愛希 れいか)タイプのトップ娘役として紅くんとバリバリ大作ミュージカルをこなすポテンシャルはありそうです

リアット=あいりちゃんは可愛いですね
黒塗りで可憐な肩だしドレスで、たどたどしいフランス語を数回話す(ma mere,とか^^;)以外の台詞は「チュウイ」のみ。愛らしく微笑み掛けてクルクルとケーブル中尉の周りを踊るだけで、歌も芝居も必要なし!という宛書きッぷりが素晴らしい(笑)姿の可愛さは目を惹きますね。

彼女に夢中になったマカゼくんのソロも安定していて、ミッキーを中心とした海兵隊の若者達や土産物やのやり手おばさんの英真さんのバリハイなどの名曲の狭間にあっても著しく落ちる感じがないのは成長したのかしら?
金髪のリーゼントにベージュの軍服でスッとした立ち姿がダンガリーシャツを崩して着ている下級兵士とは一線を画していて、メリーがこれぞと目をつけたのも納得!

原田先生の潤色は、いつもながら安定の美しさで、古き善き時代のパラマウント映画のよう…

■さて、第2幕、

冒頭、感謝祭のイベントで男役を従えてだぶだぶのセーラー服でセンターをとって歌い踊りまくる風ちゃん・・・。
身長が高い(公称164cm)のと芸がしっかりとしているので安定感すら漂いますね・・・。
唯一難点だとされていたお顔ですが、表情がくるくると変わって表現力があるのと、悩んだり悲しんだりする表情にヘンなクセがなくて、ファニーフェイスのカワイイ娘役さんとしてはアリなのでは?
スタイルはコンパクトながら女性らしいラインの現・TOP夢咲ねねちゃんのようにはいかず、カーキ色の開襟シャツワンピ姿はスラリとはしているものの、ミニの巻きスカートにブラトップの南国スタイルでは、お胸のラインはSEXYとは行かず、脚も長いけれどやや逞しいかしら・・・。
演技は良いデス。
あと、昔、凰稀かなめさんのパーソナル・ブックで海辺のデート設定で相手役を努めていらしたときに、スイカ割りなどアクティブな設定で、猛暑の中の撮影だったけれども明るい風ちゃんが雰囲気を盛り上げてくれて助かった・・的なコメントをかなめちゃんが残していて、性格美人なのだなぁという印象があり。
今回の大抜擢が今後実を結ぶと良いですね

もうひとりの注目株、城妃美伶ちゃんは子役。黒塗りでしかも男の子でしたが、「ジャン・ルイ・ファージョン」でのロザリー役で、その娘役らしいきれいなソプラノの発声で注目を集めた通り、子役でも、やはりかわいいお声と存在感でした^^ お顔が丸顔でちょっとゴツイ感じなのが、小顔の 綺咲 愛里ちゃんに一歩譲るところでしょうか。
お声重視の方には評判が良いですね^^


ぶれない主人公轟さんと、素直で芯のしっかりした明るい風ちゃんが最後は…で後味の良い芝居でした
千秋楽のご挨拶は挨拶苦手な轟さんらしく、時候の挨拶→あっさりと掃ける→スタンディングオベーション→さっきは途中でした、と、100周年を迎える宝塚歌劇をよろしくお願いします→手を振りながら掃ける→出てきてあっさり礼をしてサッサと掃け、下手で風ちゃんの肩を抱いて一礼、という流れ。観客も空気読んで帰る、という感じでした。マカゼくんが上手に捌けながら最後まで観客に手を降っていたのがさすが余裕の2番手格。 綺咲愛里ちゃんが一緒に胸の前で手を振っていたのが可愛かったです

印象に残ったのは、道化役を嫌味なくほんわかと演じた美城れんさん、轟さん宅の召使でセリフなしの役でも美貌と子供たちに向ける優しい視線で何気に目をひいた夏樹れいちゃん。

時代を感じるテーマ(戦争、人種差別)と聞き覚えのある名曲の数々で、今の宝塚らしいのか、と言われれば?ですが、違和感を感じさせずに作品として引き込まれる出来栄えだったとは言えるかも・・・