金曜日は聖書通読会。 今日のテーマは、『モーゼ』と『十戒』。
『預言者・・その一』、『預言者・・エリア』 に続き・・預言者その三は『モーゼ』
今日も再び・・
預言者の人生の振り返りです。
モーゼの120年間の人生を振りかえり・・人の人生のあり方の示唆をしてみる。というところです。
人の人生はいろいろ。
何を大切に生きるのか? どんな生き方をするのか?
人の人生の中に、穢土も浄土もあるような・・。
『十戒が書かれた石板を持つモーセ』

ホセ・デ・リベーラ作 1638年
旧約聖書は・・
神の目から見た(人の目ではなく)、神の計画における個人の役割が書かれている。 と思います。
そして
神の計画は、人の計画をはるかに超えるものです。
今日聖書通読会のテーマのモーゼ
0歳~40歳:
モーゼ生誕地のエジプトの王は、「ユダヤ人の生まれる男子を殺害せよ」との、「御触れ」を出す。
ユダヤ人のモーゼの両親は、王のお触れに背き、誕生したモーゼをナイル川に流します。
幸いに、王パロの娘


40年間・・モーゼは、エジプト人として、あらゆる学問知識を身につけます。
40歳の頃
モーゼは、自分のルーツを知る。
モーゼは、輝く


『へブル人を解放する決意』をします。
40歳という血気に満ちた年代に、自分の同胞のために立つ決意をしたモーゼ。
が・・・その決意は、当の同胞・へブル人からは拒絶されてしまいます。
そして・・
40歳~80歳:
モーゼは、エジプト側から追われる身となり、ミデアンという不毛の地へと逃げます。
そこで・・
人生においてもっとも生産的であるべき40年間を、羊飼いとして過ごします。
この間・・
モーゼは、自分の生きている意味とか、40歳の決意を振り返り、様々な葛藤や思いがあったことでしょう。
しかし・・
『神の思いは人の思いとは異なります。』
40歳は・・
人の目には、『最も自分に自信があり能力も備わる時期』です。
神の目には、『人の血気の時期であり、自己優先の時期』と映るのでしょう。
『神のために真に有効な働きをするには、自己(肉)が死ぬ必要がある』
と神は考えます。
そのために
40年間・・
神は、
モーセの最盛期と思える40年間を、
堅実で地味で辛抱を要求される羊飼いの仕事において・・
モーゼの自己(肉)を、コツコツと削られたのでした。
そして迎えた80歳
モーゼ自身は、
かつての華やかな希望はなく・・
若かりし頃の、自分の選択も決意も人生設計も消えてしまい・・
自信と体力も失い・・
羊飼い生活に安住し、家族と共に余生を送る幸せ、を感じていたことでしょう。
そんな、様々の試練を経た後の、80歳のモーゼを
神は、いまさら、神の計画の実現者として、召し出すのです。
神は、ようやく、モーゼ40歳時の決意の、『ヘブライ人の解放者』、として立てられるのです。
=神の原則=
『神の業は、人の目においてはまったく希望がないように見える時にこそ、成される。』
この原則は、
神の業は、私たちの自己心の死=成す術のないどん底の状態において、やっと、成される。ということ。
聖書のすべての登場人物やイエスも、そして現在の私たちにも、当てはまる。
・・・と、聖書は、繰り返し繰り返し教えます。
80歳~120歳:
80歳のモーゼは、羊飼いの生活を捨て・・エジプトに向かい・・
海を半分に分け


神の約束の地:『乳と蜜の流れる地』=カナン(現パレスチナ)に向かって・・
モーゼとヘブル人との砂漠の荒野の旅、の始まりです。
『壮年男子だけでおよそ60万人』(出エジプト記12章37節)&その家族達の大集団の一行様。
エジプトの地を出て3日目にして・・
苦しい荒野の旅で・・大集団は不平を言い始めます。
『我々は、エジプトの国で、主の手にかかって死んだほうがましだった。
あのときは肉のたくさん入った鍋の前に座り、パンを腹いっぱい食べられたのに。
あなたたちは我々をこの荒野に連れ出し、この全会衆を飢え死にさせようとしている。』と。
出エジプト記 16章3節
不平の耐えない大集団のリーダーとなったモーゼ。
エジプトの地を出て三ヶ月目のその日に・・
シナイの荒地に到着。
荒野の中のシナイ山で


『今、もし私の声に聞き従い、私の契約を守るならば
あなたはすべての民の間にあって 私の宝となる。』
出エジプト記 19章5節
自由な、『十戒』=『神』を基盤とした、統治集団の始まりです。
正味40年間・・
1年間で到達できる、エジプト

40年間のヘブル人の教育期間を経て・・40年後のモーゼが120歳の時になって・・
やっと
『乳と蜜の流れる地』=『カナン』を臨むネボ山へ到着





(死海の北東。標高805m。六甲山の標高は900m)
その後・・
しかし、モーゼは、約束の地・カナンを目前にして・・このネボ山で、世を去るのです。
ネボ山の


モーゼ自身が決めた『大きな選択』=『へブル人を解放の決意』は
実現不可能に見える、40年間の別世界へ葬られることになりました。 夢も希望も見出せないような・・。
しかし、40年の後の80歳にして・・『選択』と『決意』を可能にした神でした。
このように・・
モーセの選択と決意によって、神と人の『旧約』が、確立されました。
旧約聖書の冒頭の五書が、「モーセ五書」と呼ばれる所以です。
人の人生いろいろ
自分の人生
どんな決意をし、どんな生き方をしましょうか?
私たちは
何を選択し・・何を決意しましょうか?
神の御目にかなう選択と決意は・・必ずいつか神が実現されることを信じて・・。40年後

考えさせられる・・モーゼの生き様でした。
監督スピルバークが、モーゼの生き様の映画を、近近作るとか?


長々とお付き合い、有難うございました。 感謝申し上げます
