私の隣人は、面白い。
彼女は、とても美しい人で、手足もスラリとしていて、若いころはモデルをやっていたこともあったという。
鼻梁は日本人とは思えないほど高い。私は、彼女が引っ越しのあいさつに訪れた24年前、外国の人かと思ったくらいだ。
ブランドが大好きで、おしゃれな感じがする・・・の割には、気さくで、面白い。
私たちの町には、なぜか町民運動会がある。仙台市のベットタウンで、ほとんどの人は仙台市に働きに行っているような団地だが、それはそれとして、れっきとしたベットタウン、仙台市とは別途町の住人だということだ。
農村部から都市部から、ありとあらゆる町民が集まり、地域ごとにテントをたて、応援を繰り広げながら運動会をする。
町内会の体育部というのは、他にも用事はあるのだろうが、年一回の町民大運動会を取り仕切ることがメインだ。
その体育部の役員に、これまた仲のいい隣人がなった。彼女は2年続けてその役を引き受けている。
昨日は、今年初めての町内化の早朝清掃があった。役員の隣人から、「まりちゃん、今年の日曜は大丈夫?」と声をかけられた。私はてっきり花見のことでも言っているのかと思ったら、なんと9月の町民大運動会のことだった。昨年は、期待されながら産業カウンセラーの講座があって、お断りしたのだった。
今から、町民大運動会のことか・・・・と思ったけれど、「いいよ~」と答える。「種目はね、年代別リレーだからね。まりちゃんは50代だけど、40代で走ってもらうから」とのこと。
そうだ・・・・私は50代だった。前回の町民大運動会は確か30代で参加したように覚えている。50代と言われると、なんだか落ち込む。
そこへ、美しい隣人が現れて、話に入ってくる。「私は、今年から60代で出られるよ~」と、明るく答えている。彼女は今年還暦になる。役員の隣人は1月生まれだから、すでに還暦を迎えている。
この人のすごいところは、全く自分の歳を隠そうとしないところだ。普通なら、いくつか若く見られるなら、そのままにしておきたいのが歳だ。あえて自分の歳をいう時は、自分の歳より上に見られた時くらいだ。彼女は、違う。あっけらかんと自分の歳を披露する。それも、明るい明るい。
私より、4つ年上で、先に歳を重ねていく彼女の明るさと、潔さは、本当に私にとっては憧れだ。