NB8後期からはロードスターにもダイレクトイグニッションコイルが使われる様になりました。
当時としても、かなり遅れた技術採用という事になりますが、ベースが汎用的なエンジンですので、そこはご理解ください。
さて、このダイレクトコイル、意外にトラブルことをご存知ですか?
*パワーが出ない・・
*アイドルでバラつく・・
*プラグの焼け具合が気筒で異なる・・
なんて方は、疑い対象アイテムです。
_____________
さて、肝心な診断です。
大変良い参考例がありますので、紹介します。
< アウディ V8 >
大変豪華で迫力のあるエンジンです。
ダイレクトコイルは全部で8個もあります。
NB8は1つのコイルで2気筒を負担しますので、4気筒エンジンですが、コイルは2個です。
アウディV8エンジンは各気筒にコイルを配しますので、8個。
そして、この中で1個が失火。
エンジンは微妙にバラ付き、警告灯が点灯です。
放置すると、未燃焼ガスを過大に排出し触媒を傷めます。
更に大きな出費になります。
さて、8個の中からどうやって1個を割り出しますか?
1)
まずは当然、診断機。 ダイアグノーシス。
これで、ECUのメモリーから不具合箇所を割り出します。
2)
次に、オシロスコープでコイルの点火波形を確認。
なんだか、自動車工学誌的な趣ですが、これが順当な方法。
________________
波形を比較しながら失火気筒を割り出し、かつ全体の劣化具合も判断します。
NGになった気筒を割り出すことだけが目的ではありません。
______________
診断機、オシロスコープ、 どれも安くはありません。
しかし、こう言った設備や器具に投資をすることは整備上、とても大事であり避けて通れないのです。
部品交換で結果オーライ的な仕事では、なかなか前に進めません。
ロードスターのNBも同じ仕組みです。